「中小企業生活党」の版間の差分

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'''中小企業生活党'''(ちゅうしょうきぎょうせいかつとう)は、[[平成]]初期に活動した、[[日本]]の[[政党|政治団体]]。略称は「'''中小党'''」。
 
== 概要 ==
[[1992年]]([[平成]]4年)の[[第16回参議院議員通常選挙]]で候補者を擁立した、いわゆる[[ミニ政党]]の1つである。代表は[[嶋岡誠]]。当時の嶋岡は[[新潟市]]の衣料雑貨スーパー社長で、また、全国の小売店が共同[[出資]]して共同仕入れや経営者研修を行う[[全国小売業連合]](事業本部:[[大阪市]])の社長も務めていた<ref>『毎日新聞』(大阪)1992年5月23日、2面。</ref>。1992年4月21日に政治団体の届出を行い、事務所を新潟市に置いた<ref>自治省選挙部政治資金課『政治団体名簿 平成5年版』地方財務協会、2頁。</ref>。代表の嶋岡ら2人が[[参議院比例区|比例区]]で、8人が選挙区([[北海道選挙区|北海道]]・[[埼玉県選挙区|埼玉]]・[[東京都選挙区|東京]]・[[千葉県選挙区|千葉]]・[[神奈川県選挙区|神奈川]]・[[新潟県選挙区|新潟]]・[[愛知県選挙区|愛知]]・[[大阪府選挙区|大阪]]で各1人)<ref>当初は東京で2人擁立予定と報道されていたが、後に東京・神奈川1人ずつとなった。</ref>で立候補した。
 
中小企業生活党は、[[大企業]]優先の[[政治]]に異を唱え、「中小企業・中小小売業の暮らしを守るために生まれた“地域の政党”」である、と自らを位置づけていた<ref name=a>「参議院比例代表選出議員選挙選挙公報」(中小企業生活党部分)平成4年7月26日執行。</ref>。[[マニフェスト|公約]]の核心は「中小企業の発展・活性化」と見られる。なお比例区の公報においては、「小さな力が政治を変える。」というメッセージと共に、EGG MANというイメージキャラクターが描かれていた<ref name=a/>。
 
ほとんどの選挙区候補者も、選挙公報で言及している公約はやはり中小企業の発展・活性化のみであった。ただし[[新潟県選挙区]]で立候補した党会計責任者の[[北村寿孝]](北村ひさたか)だけは更に踏み込んで、(1) (1)「常識の通用する政治」とする(=資金がかかりすぎる選挙を改める)こと、(2) (2)自由化に堪え得る農業の創出、(3) (3)[[定年|定年制]](公報では「停年制」と記載)の廃止、(4) (4)[[消費税]]は大企業優遇制度であるため反対、(5) (5)[[偏差値]]教育からの脱却、も掲げた<ref>「参議院新潟県選出議員選挙公報」(北村寿孝部分)平成4年7月26日執行</ref>。
 
選挙結果は、比例区では全国で48,787票(得票率0.11%、全38政党中24位)に留まり、各選挙区も全て当選圏に遠く及ばず、1議席も得ることができなかった。しかし新潟の北村は、党の比例区得票に迫る44,017票(得票率4.45%)<ref>新潟県内での中小企業生活党の比例区得票は4,561票(得票率0.47%)に留まっている(『平成4年7月26日執行 参議院議員通常選挙 選挙の記録』新潟県選挙管理委員会、128頁)。</ref>を獲得した。[[供託金]]は没収されたものの、地元紙『[[新潟日報]]』からは「組織選挙に頼らぬミニ政党としては大善戦」<ref>『新潟日報』1992年7月27日、1面。なお、第16回参院選選挙区のミニ政党候補者(すでに国会で議席を得たことがある[[政党]]は除く)で北村以上の得票率を得た例は、[[山口県選挙区]]で立候補した[[進歩自由連合]]の[[佐々木信夫 (政治活動家)|佐々木信夫]]のみである(45,412票、得票率6.32%)。</ref>と評されている。
 
この選挙以降、中小企業生活党の目立った政治活動は見られない。ただし[[2011年]]4月現在も、全国小売業連合は健在であり<ref>ホームページ[http://www.jaru.co.jp/]</ref>、嶋岡は[[特定非営利活動法人]][[里山クリーン新潟]]の理事長として里山整備事業に取り組んでいる<ref>『新潟日報』2006年5月23日(長生館ホームページ[http://www.chouseikan.co.jp/blog/log/eid143.html])、角屋旅館ホームページ[http://kadoyasan.com/satoyama-clean01.html]。</ref>。
 
== 注 ==