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'''カンピロバクター症'''(カンピロバクターしょう、英:campylobacteriosis){{lang-en-short|campylobacteriosis}})とは、[[カンピロバクター]]属菌の[[感染]]を原因とする[[ヒト]]および[[家畜]]の感染症。平成18年度の統計では、[[食中毒]]としては、[[ノロウイルス]]の次に患者数が多かった<ref>[http://www.fsc.go.jp/senmon/biseibutu/b-dai18/biseibutu18-siryou2-2.pdf 食品安全委員会]</ref>カンピロバクター属菌はグラム陰性、らせん状桿菌。水源となる河川などの汚染により発展途上国ではありふれた病気。{{要出典範囲|date=2015年4月3日 (金) 09:50 (UTC)|ヒトの死亡例の報告はない。}}'''キャンピロバクター症'''とも呼ばれる。
 
'''カンピロバクター症'''(カンピロバクターしょう、英:campylobacteriosis)とは、[[カンピロバクター]]属菌の[[感染]]を原因とする[[ヒト]]および[[家畜]]の感染症。平成18年度の統計では、[[食中毒]]としては、[[ノロウイルス]]の次に患者数が多かった。<ref>[http://www.fsc.go.jp/senmon/biseibutu/b-dai18/biseibutu18-siryou2-2.pdf 食品安全委員会]</ref>カンピロバクター属菌はグラム陰性、らせん状桿菌。水源となる河川などの汚染により発展途上国ではありふれた病気。{{要出典範囲|date=2015年4月3日 (金) 09:50 (UTC)|ヒトの死亡例の報告はない。}}'''キャンピロバクター症'''とも呼ばれる。
 
== 原因 ==
*ヒトでは[[1982年]]に食中毒菌として指定された ''Campylobacter jejuni '' ''Campylobacter coli '' の感染によるものが大部分を占め、汚染された食品や水、[[保菌動物]]との接触により感染が成立する。''C. jejuni'' と ''C. coli'' は[[コレラ]]毒素に類似した[[エンテロトキシン]]を生産し、エンテロトキシンにより食中毒症状を発症する。具体的には、保菌動物や鳥類などのふんにより汚染源となった食品の摂取。肉(特に鶏肉)の生食や加熱不十分、飲料水、サラダ、未殺菌の牛乳など。[[イヌ]]、[[ネコ]]などの[[ペット]]も保菌していることがある。[[2006年]][[欧州連合|EU]]/[[EFSA]] の報告によれば、鶏肉の80%が汚染されている。汚染されても、臭いや味に変化はない<ref>[http://www.fsc.go.jp/senmon/biseibutu/b-dai18/biseibutu18-siryou2-1.pdf 微生物(第18回)・ウイルス(第11回)合同専門調査会資料 資料2-1 リスクプロファイルのまとめ] 食品安全委員会</ref> 。また、潜伏期間が2~5日と比較的長いことから、原因となった食品が残されていないことが多く、原因が特定されない場合も多い。食中毒事例からの検出は、''C. jejuni'' と ''C. coli'' が90%程度とされているが、現在の検出方法は ''C. jejuni'' と ''C. coli'' 以外の検出に適していない事が原因である<ref>{{PDFlink|[http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM200503-01.pdf 話題の感染症 カンピロバクター感染症]}} モダンメディア 2005年3月号(第51巻3号)</ref>。
 
*ウシでの原因菌は ''Campylobacter fetus '' であり、主に[[交尾感染]]により伝播する。
:[[京都市]]保健福祉局などの調査によれば、ウシの胆汁から ''Campylobacter jejuni '' 150 検体中 42 検体 (28%) から検出、全国調査では胆汁から 35%、肝臓から 12% の検出が報告されており、と殺の際に胆嚢を破らない注意が必要で、牛レバー生食による感染の危険性を示している<ref name="kyoto">[http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000006/6411/o06.pdf 京都市と畜場における牛の胆汁及び肝臓のカンピロバクター汚染実態調査] 京都市保健福祉局</ref>
 
== 症状 ==
* ヒト
** [[発熱]](38℃以下)・[[下痢]](ときに[[血便|粘血便]])・[[腹痛]]が主であり、[[嘔吐]]を伴うこともある。腹痛は下痢よりも長期間継続。100個程度の菌でも発症<ref>[http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/campylobacter.html カンピロバクター食中毒] 愛知県衛生研究所</ref>たとえば、生の鶏肉からの一滴のしずくでも発症する<ref name="yoko">[http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/infection_inf/campylo1.htm カンピロバクター感染症について] 横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課</ref>
** [[サルモネラ症]]のような症状だが、サルモネラ症よりも軽いことが多い。
** 潜伏期間は約2~7日で、2~5日で回復する。
** [[反応性関節炎]]が腸炎治癒後にみられることがある。キャンピロバクター腸炎のみならず、サルモネラ菌や[[赤痢]]菌による感染性腸炎後にも起こり得るが、キャンピロバクター腸炎後が2.6%と最も高いといわれている<ref>Townes JM, et al. Ann Rheum Dis.2008;67:1689-6.</ref>。
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* ヒト
** マクロライド系抗生物質([[エリスロマイシン]]や[[クラリスロマイシン]])、[[ホスミシン]]、[[ゲンタマイシン]]の投与。
* 牛
** 雌では子宮洗浄を行う。雄では治療効果が乏しいため淘汰する。
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== 参考文献 ==
*山内亮監修 『最新家畜臨床繁殖学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460201
*高島郁夫、熊谷進編 『獣医公衆衛生学第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4830031980
 
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
* [http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/campylo/index.html 知って防ごう カンピロバクター食中毒] 東京都福祉保健局
* [http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/campylo/index.html カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)] 厚生労働省
* [http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/campylobacter.html カンピロバクター食中毒] 愛知衛生研究所
* [http://dx.doi.org/10.11428/jhej.62.721 市販鶏ひき肉中の '''rcobacter''','''Campylobacter''','''Salmonella''' 汚染状況] 日本家政学会誌 Vol.62 (2011) No.11 p.721-725
* [http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0119169.html 食中毒症状、中3女子死亡 栗山の焼き肉店 5人から菌検出] 北海道新聞