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'''シカン博物館'''又は'''ペルー国立シカン考古学博物館'''（{{lang-es|El Museo Arqueologico Nacional Sicán}}）は、[[ペルー]]北沿岸部の[[ランバイエケ県]][[フェレニャフェ]]にある考古学博物館{{sfn|島田|2009}}。主にフェレニャフェ近くの遺跡から出土した[[シカン文化]]の土器や金属器などの考古遺物を展示・所蔵する{{sfn|島田|2009}}。

[[シカン文化]]ないしランバイエケ文化は、およそ8世紀から14世紀の間にペルー北沿岸部（コスタ・ノルテ）に栄えた[[プレ・インカ]]文化の一つ{{sfn|島田|2009}}。1375年頃の[[チムー王国]]による征服で終わった{{sfn|島田|2009}}。高度な冶金技術で知られ、数々の金製、砒素銅製の金属器が出土している{{sfn|島田|2009}}。金で造られたものの例としては、巨大な黄金の仮面や、金で作られた{{仮リンク|トゥミ (考古学)|en|Tumi}}と呼ばれる儀礼用の小刀が有名である{{sfn|島田|2009}}。

シカン文化における宗教儀礼の中心地であったと考えられる[[トゥクメ]]や[[ポマ森林歴史保護地区|ポマの森歴史保護区]]には、日干し煉瓦で作られた遺跡があり、シカン博物館から日帰りで行ける。シカン博物館はポマの森歴史保護区における30年にわたる学術調査の成果である{{sfn|島田|2009}}。建設に日本企業の援助を得て[[2001年]]3月に開館。[[2002年]]には研究保存設備の充実にあたり[[日本]]政府の文化無償協力も受けている<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/14/rls_0927a.html 外務省による報道発表2002年9月27日]</ref>。日本との縁が深い。また、展示に際してはアメリカの[[南イリノイ大学]]の研究者らの実証的研究に依拠している<ref>ランバイエケ公式観光ガイド2014年度版</ref>。

シカン博物館が目標とする課題は、フェレニャフェ郡のシカン文化の遺産を研究し、保全し、展示及び普及することである{{sfn|島田|2009}}。また、ランバイエケにかつて存在した複数の文化それぞれに生きた先祖のアイデンティティを強化することに努め、もって、今を生きる郷土のコミュニティの自尊心と文化価値を高めることを目的としている。また、フェレニャフェ郡の持続可能な農村開発に資する文化的な取り決めの基盤を作成しようとしている{{sfn|島田|2009}}。

*;[[チクラーヨ|チクラヨ]]（:フェレニャフェから直線距離で約10kmのところにある都市）

*;{{仮リンク|シパン王墓博物館|es|Museo_Tumbas_Reales_de_Sipán}}（:シカン文化より古い時代にペルー北沿岸部で栄えた[[モチェ文化]]に関連した考古学博物館）

*;{{仮リンク|ブリューニング考古学博物館|es|Museo_Arqueológico_Nacional_Brünning}}（:ランバイエケの郷土史・考古学博物館）