「中華人民共和国国防委員会」の版間の差分

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中国共産党が国家を領導(指導)するという中華人民共和国の政治構造において、事実上の最高軍事指導・決定機関は党中央軍事委員会であり、国防委員会には軍の統帥権や軍事政策に関する決定権はなかった。これは現在の党中央軍事委員会と[[中華人民共和国中央軍事委員会|国家中央軍事委員会]]との関係に似ているが、現在の国家中央軍事委員会と国防委員会の違いは、国家中央軍事委員会の構成員は党中央軍事委員会と同一であるのに対し、国防委員会は国家主席によって招集され、委員には非共産党の軍人も多く含まれていた点である。この点から日本の中国政治研究者である[[毛里和子]]は、国防委員会の性格を「非共産党系の軍人を糾合する一種の[[統一戦線]]組織で、国防一般についての国家主席の諮問機関」であると指摘する。
 
一方で、中国軍事問題研究者の[[平松茂雄]]は国家主席の統帥権を重視し、この見方を否定する。国防委員会の副主席・委員は全国人民代表大会・同常務委員会によって決定され、国家主席によって任免されるから、国務院と同様国家主席に直属するものであり、また国防委員会主席は国家主席兼任することから、委員会の方が国務院より上に位置していたとし、「国家主席を補佐する権限を持っていた」と推察する<ref>平松(1987年)、132 - 133ページ。</ref>。ただし、党中央軍事委員会の再設置により、国防委員会は機能しなかったとも指摘する<ref>平松(1987年)、133ページ。</ref>。
 
国防委員会は[[1966年]]に[[文化大革命]]が発動されると活動停止状態になり、[[1975年]]の憲法改正により廃止された。