削除された内容 追加された内容
14行目:
:光軸外の1点を光源とする光が、レンズに対して同心円方向と直径方向で焦点距離がずれる収差。片方に合わせると点像が縦長の細い楕円になり、反対に合わせると横長の細い楕円になる。絞り込むとある程度緩和するが、解消はしない。
;像面湾曲
:レンズの前側と後側で、レンズに平行な焦点面が平面から平面に対応しない、という収差。たとえば被写体側を平面とすると、像面側ではレンズに対して凹な曲面に結像する(あるいは凸な曲面に結像する)。書類の複製や航空写真など、平面を撮影する際に問題となる。中心部と周辺部で焦点がずれるため、中央にピントを合わせると周辺部にピンボケが起き、周辺部にピントを合わせると中央がピンボケという状態になり、全体にピントを合わせることができない。絞り込むことによって被写界深度を利用して小さくすることができる。フィルムなどの感光材料や感光センサーを湾曲させるという対処法もある。VFCロッコールのように意図的に制御可能としたレンズもある。
;歪曲(ディストーション)
:方形の物体が方形の像を結ばないというもので、中心から離れるにつれ倍率が拡縮するために起きる。中心部が膨らむようなゆがみにより方形が樽型になるもの、逆に中心部が収縮するようなゆがみにより方形が糸巻き型になるもの、以上の2つを組み合わせた陣笠型(図を参照)がある。書類の撮影や、モダン様式のビルディングの撮影などの際に不自然さとして気になる。絞り込んでも基本的に改善されない。[[魚眼レンズ]]は樽型の歪曲を積極的に利用したレンズである。光学的には、レンズに対する絞りの存在によって発生し、相対的な位置によって樽型や糸巻型に変化する(この場合、開放では発生せず、むしろ絞ることで発生する)。前群と後群が対称なレンズでは起こりにくいのに対し、片方を凹とし反対を強く凸にした、望遠型や[[レトロフォーカス]]型のレンズでは起きやすい。ズームレンズでは、広角側で樽型・望遠側で糸巻き型、といったように発生する。