「ペンローズ過程」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Addbot (会話 | 投稿記録)
m ボット: 言語間リンク 7 件をウィキデータ上の d:q616172 に転記
2行目:
 
==概要==
1969年ペンローズは、自転するブラックホールに工夫をしてゴミを投棄すると[[電力]]を得られるという[[論文]]を発表した。これは、ゴミを容器に入れ、自転するブラックホールの[[エルゴ球]]と[[事象の地平線]]の間に投入し、ゴミをブラックホールに捨てて容器のみを回収すると、[[E=mc²mc2|質量とエネルギーの等価性]]によって「ゴミの質量+ブラックホールの減少した質量」に相当する[[エネルギー]]が容器を加速させているため、ここから発電が可能というものであった。
 
エルゴ球とは、内部の粒子が回転する時空により不可避的に加速される[[カー解|カー]][[時空]]における領域の存在であり、その境界は「静止限界(static limit)」と呼ばれ、内側ではロケットの噴射などのいかなるエネルギーを用いても物体は静止状態にはいられない。これは、ブラックホールの自転に[[時空]]が影響を受けているためである(「慣性系の引き摺り」または「時空の引き摺り」という)。ここにゴミを入れた容器を投入し、容器の運動量を[[無限遠]]まで脱出させ、放ったゴミが[[事象の地平線]]の向こうへと落ちるように選ぶと、容器はもともとエルゴ球内に入った時よりも多くの[[質量エネルギー]]を持つ場合がある。この過程の結果をまとめると、ブラックホールは[[角運動量]]を失い、この角運動量に対応するエネルギーがブラックホールから取り出されたことになる。