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つまり、ウラン235の核分裂の結果、核分裂片以外にも2 - 3個の中性子が発生するのである。この核分裂反応で発生した中性子は、他のウラン235に吸収され順々に核分裂反応が起こっていくことになる。この反応を[[核分裂連鎖反応]]と言い、連鎖反応の進展程度を示す増倍係数<math>k</math> が1.0以下の状態を未臨界、1.0の状態を[[臨界]]、1.0以上の状態を超臨界と言う。尚、中性子を吸収したウラン235は必ず核分裂を起こす訳ではなく、15 %程度の確率でγ線を放出し、[[ウラン236]]のまま基底状態に陥る事がある。
 
また、核分裂反応時は反応前の質量よりも反応後の質量の方が小さくなる。この質量差が[[E=mc2|E=mc²]]の関係式に基づき、膨大なエネルギーへと変わっている。このエネルギーの殆どは[[熱エネルギー]]へと変わり、原子力発電ではこの熱エネルギーを元に発電するのである。[[核燃料]]中からの熱除去及び発電のプロセスに必要な要素が[[冷却材]]である。
 
核分裂反応で発生する[[中性子]]は平均エネルギー約1 [[メガ|M]][[電子ボルト|eV]]であり、[[高速中性子]]と呼ばれる。[[熱中性子炉]]では高速中性子を核分裂反応を起こし易い、平均エネルギー約 0.05 eVの[[熱中性子]]と呼ばれる状態まで減速させる必要がある。減速は中性子と軽い[[原子核]]との弾性衝突により行われ、この目的を果たすために必要な要素が[[減速材]]である。