削除された内容 追加された内容
→‎特殊用途船: 内容追加
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
→‎船舶の運航: 内容修正、追加
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
364行目:
== 船舶の運航 ==
=== 航海 ===
==== 操舵 ====
大海原では舵は[[オートパイロット]]によって自動で保針されており、人は海上を監視することが求められる。船の多い海域や狭い海域ではクオーターマスター(操舵手)が舵を手動で操作する。
 
==== 船内生活 ====
371行目:
: 船同士の連絡では[[協定世界時]] (UTC) を使うが、船内の時間は航海に合わせて変更されてゆく。このため、東へ向かうと1日の長さが短くなり、西へ向かうと長くなる。
; 当直
: 船員は24時間航海する船の中で、常に誰かが「当直」や「ワッチ」<ref>{{lang-en-short|watch}}</ref>と呼ばれる見張り当番についている。機関室内の主要な装置が[[船橋 (船)|ブリッジ]]から遠隔操作できるようになり、通信機も高性能になってモールスなどの特殊な技能を必要とせずに誰でもが音声通信を行えるようになったために、従来の機関当直や通信当直は無くな減りつつあり、すべてはブリッジから見張りを行うようにことが多くなっているきた
: 当直は毎日4時間x2回が3組の当番によって行われる。これは日本の船に限らず、国際的に共通である。
:# 0:00-4:00 12:00-16:00 2等航海士と甲板手
379行目:
 
==== 記録 ====
; [[航海日誌]](ログブック
: 「公用航海日誌」と呼ばれるログブックは通常「公用航海日誌」と「船用航海日誌」の2種類があり、「公用航海日誌」には海難事故や航海の概要等をその都度記載し、「船用航海日誌」には針路、速力、波、天候、船上での出来事、出港・寄港などについて毎日の記録が記入され、航海士が管理することが決められている。船に3年間保管することが義務付けられている。
: ログ日本において「公用航海日誌」は通常は日本語で表記するが、「船用航海日誌」は日本国内のみを航行する船においては日本語でも英語でもどちらの表記でもかまわないが、国際航海に従事する船では英語表記が事実上義務化される。英語表記する際の文章は正規の英語表記ではなく、独特の文体と記号によって記入される。たとえば不明確にならない限り主語や冠詞は省かれ、星は*、太陽は◎で表現され、投錨はイカリの記号で表される<ref name = "まるごと! 船と港"/>。
; [[海図]]
: 海図(チャート)は航海において最も重要なものであり、規則でも常備が義務付けられている。通常108cm×67cmの大きさのチャートは[[メルカトル図法]]や心射図法などで描かれており、船に数百枚も保管されるそれぞれが、1枚が数千円という高価な物である。チャートに新しい情報を記載するのは2等航海士の仕事である<ref name = "まるごと! 船と港"/>。
401行目:
::** 左から追い越し中 : 長音2回 短音2回
::* 他船からの追越に同意した場合 : 長音1回 短音1回 長音1回 短音1回
::* 疑問信号 : 他船との衝突が危ぶまれるのに他船の意図や動作が理解できない時 短音5回以上
::* 湾曲部信号 : 狭い海峡などで湾曲部に近付いたとき 長音1回、他方からここに接近している船は同じく長音1回で応じる。
::* 遭難信号 : 1分間隔で行う発砲やその他の爆発音
408行目:
かつては[[電信#電波型式としての電信|無線電信]]が利用され、遠洋を航行する船舶との交信には[[短波]]が使われたが、近年では無線電信は利用されなくなりつつあり、近距離の船対船の通信には[[超短波]]の[[無線電話]](音声通信)が、遠距離通信には[[通信衛星]]によるデジタル通信が使われる。
; [[国際VHF]]
: 通常の通信で使われる一般的なもの。船対船の通信だけでなく、港内管制等、陸上の船関係の官庁との連絡にも使われる。
: 港湾内や航行の多い海域で使われる
; マリーナ無線
: レジャーボート用。マリーナとの連絡に使用する。
455行目:
 
==== 岸壁係留 ====
[[ファイル:Ship mooring NT.PNG|thumb|200px|'''係留索'''<br />6. 船首索<br />5. 前方ブレスト・ライン<br />4. 前方船首スプリング・ライン<br />3. 後方船尾スプリング・ライン<br />2. 後方ブレスト・ライン<br />1. 船尾索]]
船を港の岸壁に止める時には、係留索をボラード<ref>{{lang-en-short|bollard}}</ref>に繋ぎ止める。船首尾索(ながし)以外にもそれぞれの位置に応じた名前が付けられている。
# 船首索(ヘッド・ライン、おもてもやい、おもてながし)
# 前方ブレスト・ライン(おもてちかもやい)
# 前方船首スプリング・ライン(フォアスプリング、おもてスプリング)
# 後方船尾スプリング・ライン(アフトスプリング、ともスプリング)
# 後方ブレ船尾索(ターン・ライン(ちか、とももやい、ともながし
# 船尾索(とももやい、ともながし)
 
=== 水域区分 ===
469 ⟶ 468行目:
: 湖、川、港内の水域、港湾の特定の水域
; 沿海区域
: 主として海岸から20海里以内の水域、関門 - 釜山間の航路のように特定の定められた水域
; 近海区域
: 東は東経175度、南は11度、西は東経94度、北は北緯63度の線に囲まれた水域
480 ⟶ 479行目:
右舷をスターボード<ref>{{lang-en-short|starboard}}</ref>と呼ぶのは {{読み仮名|{{lang|en|steeringboard}}|スティーリングボード}}、つまり舵板の側が右舷に付いていたためであった。その舵のじゃまにならない左舷側に桟橋や岸壁を着けたので左舷をポートサイド<ref>{{lang-en-short|port side}}</ref>や単にポート<ref>{{lang-en-short|port}}</ref>と呼んだ。英国では左舷はもともとラーボード<ref>{{lang-en-short|larboard}}</ref>と呼んでいたが左右で発音が似ていたため、他国と同じくポートと呼ぶことになった。[[航空機]]でもこういった船からの多くの文化や慣習が持ち込まれており、[[旅客機]]を「[[シップ]]」、[[乗務員]]を「[[クルー]]」と呼ぶなど、同じ用語が用いられている。
 
船の交通ルールでも同様のルーツに基づいて決められた。今も船が右側通航であるのは、舵が右舷に付いていたのですれ違う時に邪魔にならないようにした名残である。船同士が交差する時には、相手を右に見る船が針路を譲る必要がある。相手の通過後に進むというものがある。日本では11か所複数の航路がブイによって仕切られこのルールに従っているが、ただ1か所、瀬戸内海の[[来島海峡]]航路では潮流の流向によって変則的に左側通航になることがある。
 
船では右舷が上席であり左舷は下座になる。船長は階段でも右舷側を使い、船長室も右舷側にあるのが普通である。また、船倉の番号も右舷側から1番が始まる。