削除された内容 追加された内容
CharHigh (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
編集の要約なし
1行目:
'''PC WAVE'''(ぴーしーうぇーぶ)は[[電波実験社]](後に[[ラッセル社出版]])から出版されていた[[パソコン雑誌]]である。1993年から1999年まで月刊誌として出版発行された。前身になったのは[[大陸書房]]が倒産するまでVol.8を数えた[[PCフォーラム]]という雑誌でありこれが1992年にVol.8をもって休刊した後に半年後にほぼ同じスタッフによって創刊された。ジャンルとしてはパソコン雑誌の中でも[[DOS/V]]関連の雑誌と言っていいが、内容的には多彩であった。副題に「PC/AT&Windowsユーザーのための情報誌」があったが後にこれを無くした。
 
== 概要 ==
体裁はB5A4平綴じで、本体は170ページ程度、当時のパソコン雑誌としては広告が少なくページ数が薄めの本に属する。内容はやや高度で、少なくとも初心者向けの記事はなかった。以下、内容の構成は時期によっても異なるが、記述は主として後期の1998-99年頃のものである。
 
広告は巻頭巻末にそれぞれ6-10ページ程度。ただし周辺機器がほとんどでDOS/V主要メーカーのものはほとんどなかった。巻頭広告の後にTOPICSの名で新製品の解説を含むカラーページ。白黒ページの始めに業界ニュース欄があり、その名を PC Blue WAVEといった。
9行目:
 
== 特徴 ==
この雑誌の特徴は、ある意味で「[[パソコン批評]]」が足元にも及ばないほどに兎にも[[硬派]]な姿勢にあった。パソコン批評が広告を取らないことで企業から独立した姿勢を示したのに対して、広告は載せてあったものの、とにかく雑誌そのものが強い主張を持っていた。
 
この雑誌の出版時期は、日本国内のパソコン市場がまだ[[日本電気]] (NEC) の独占体勢であったころから[[Microsoft Windows 98|Windows 98]]による寡占に至る大きな転換期であったが、その中でこの雑誌は常に反主流の姿勢を貫いた。Windows以前は日本におけるNECの独占的情勢を批判し、[[PC/AT互換機]]の普及とDOS/Vの推進を主張し続けた。WindowsPC/AT互換機が普及するや今度は[[ビル・ゲイツ]]を目の敵俎上上げ、[[マイクロソフト]]のやり口を批判し、Windowsのあり方完成度そのものも批判をし続け、当時対抗馬と目されていたIBM製のOS/2を知らしめるべくフロッピーディスク止まりだった雑誌の付録に初めてCD-ROM(中身はOS/2のインストールディスク)を採用したため、一部の流通で取り扱ってもらえず急遽CD-ROM引換券付き版が流通するなど物議をかもした。またOS/2以外にもさまざまなOSを積極的に紹介し、[[BeOS]]や[[TronBTRON]]もよく取り上げられ、終期には[[Linux]]に言及することも多くなっていた。それにまた[[モバイル]]ならぬ真の[[モービル]]パソコンピューティング強い関心を示し、マイナーなパームトップ機を紹介し、アルカリ単3乾電池6本で駆動する[[HP200LX|HP95LXThinkPad220]]を持ち上げた。に始って極小PC[[Palm Top PC 110]]や[[ChipCard]]にも大きく項を割き、極小キーボードながらのちにユーザーグループにより日本語化され[[HP100LX|HP200LX]]を広く紹介し一つの到達点に至るが、[[HP100LX|HP200LX]]が普及してしまうと更にマイナーな台湾製パームトップ機を取り上げ、[[ハンドヘルドPC]]が出た時も、[[WindowsCE]]以外を持ち上げることが多かった。
 
== 特殊用語 ==
この雑誌では奇妙な用語が入り乱れて使われたが、中でも代表格が「'''[[廃人]]'''」である。これは、説明によるとパソコンマニアがその知識や技量を鍛えて、普通に進歩すればついには'''[[達人]]'''に至るのであるが、その手前で妙な方向へそれてしまったものを指す。ある意味でこの雑誌の方向性をも表す言葉であった。ちなみに先述のように読者投稿欄もこの名が使われていたし、投稿が掲載されると、廃人シール(「廃人」・「私、壊れてます」などと書かれたシール)がもらえた。クロックアップした上で日本語化したHP95LXに廃人シールを張ったものがステータスシンボルとしてごく一部で羨望の眼で見られたという
 
その他、よく使われた印象的な語に以下のようなものがある。並べて見ると、雑誌や読者の方向性が伺える。
*謎パ~機:謎のパームトップ機の意。中国などで作られていた様々なパームトップ機の総称で、独自に日本語化などが画策された。
*ロードウォリアー:まだ携帯電話も無線インターネットも普及していなかった時代であるが、それでも手に入る限りの通信機器を使い、それでも駄目なら改造、あるいは自作してまでとにかくどこからでも目的の対象にコンピュータを繋げてしまうことを目指した人々。
*ダミアン:ビル・ゲイツのことで、徹底的に攻撃の目標とした。他に「アタマに666の痣がある」「カエル顔の悪魔」などとも。
*家庭内遊牧民:自宅内での居場所がなくて、やっと場所を見つけてノートパソコンを広げては、すぐに他の家族に追い立てられる人、あるいはそのさま。
25行目:
*余計なお世話:ここではWin95「プラグ&プレイ」のこと。勝手に色々やり出して、たいていはろくな結果がでないことから。
*金太郎飴パソコン:ウィンドウズ寡占状況の下、メーカー製のパソコンが画一化し、マニアにとってはおもしろくもなんともないものばかりになったのを嘆いた言葉。
*電脳パンツ:パンツ同様に肌身離さず身につける電脳機器のこと。主としてHP-100LX[[HP100LX|HP200LX]]のシリーズのことを指した。
 
== 参考文献 ==