「ラグビーユニオンのポジション」の版間の差分

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===フロントロー===
スクラムを組む際に最前列に位置するため、PR、HOの3名をフロントローと称する。
; 1,3番 '''プロップ'''「'''PR'''」
: スクラムの際にフッカーと共に最前列の3名(フロントロー)を構成し、相手のフロントローと頭を交互に組み合わせて相手チームを直接押す役割を持つ。モールの際には体ごと相手を押し込み、相手陣を崩す役目を持ち、スピードを犠牲にしてもパワーがあることが要求されるポジションである。'''スクラムの職人'''。フィールドでボールに触ることはほとんどないが、ボールハンドリング能力や突破力が高ければ高いほど、勝敗に影響するポジションであり、ボールを持って突破を試みるプロップも珍しくない。
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: スクラムの際のフロントローの中央に位置し、プロップ (PR) と共に相手と組み合って直接相手を押し込む役割を果たす。また、スクラムハーフ (SH) が投入したボールを足で引っかけて (hook) 自陣後方に送り込む役割も果たす。この役割がフッカーの名称の由来にもなっている。'''スクラムの要'''。
:また、ラインアウトの際にはボールを投入する役割となることが多い。これは、フッカーがフォワード陣の中でも比較的体格のやや小さい選手が務めることが多い(体格のやや小さい選手が中央に来ることで両側からの押す力が中央に集まりやすくなり、スクラム全体が安定すると共に相手を押し込みやすくなり、フッキングもしやすくなるためとされている)ことから、ボールを受けるが競り合いに負けないようにするためだと言われている。また、フッカーは第二のナンバーエイトと呼ばれるほど重要なポジションであり、アタック・ディフェンスともに強い選手がこのポジションに就く。
PR、HOの3名をフロントローと称するのは、スクラムを組む際に最前列に位置するため。
 
===セカンドロー===
スクラムを組む際に2列目に位置するため、このポジションをセカンドローと称する。
; 4,5番 '''ロック'''「'''LO'''」
: FWのポジションでスクラムの際に2列目の左右に位置する。ラインアウトの際にボールを空中で奪い合う役割があることからチームで最も背の高い選手がなる傾向がある。'''空中の仕事人'''。モールの際にはプロップと共に体ごと相手を押し崩す。
:強くて頼りになる男の象徴という理由から、「ラグビー王国ニュージーランドでは、少年はロックを目指す」と言われる。 大きな体を生かした突進で、防御にダメージを与える。{{要出典|=プレーは荒々しいが寡黙な選手が多い|date=2013年7月}}。運動量を増す現代のラグビーではPR、HO、LOのタイトファイブの運動量が勝負の鍵とまで言われる。
このポジションをセカンドローと称するのはスクラムを組む際に2列目に位置するため。
 
===バックロー===
スクラムを組む際に最後列(3列目)に位置していたため、FL・No8の3名をバックローもしくはサードローと称する。
 
FL・No8の3名をバックローもしくはサードローと称するのは、スクラムを組む際に最後列(3列目)に位置していたため。現在は後述の通りFLが2列目の両翼に上がるように変化しているが、呼称自体は旧来から変化していない。
; 6,7番 '''フランカー'''「'''FL'''」
: FWのポジションでスクラムの際に3列目の左右に位置する。スクラムやモールやラックに参加して体で相手陣を押し崩す役回り。ボールを保持して密集地のサイドを突破する役目も担う。主に守備を担当するFW陣において、攻守に活躍するだけの高い身体能力、運動量が求められる。'''タックルマン'''としてディフェンスの仕事は大きく勇気が求められる。相手SOのパントキックをチャージダウンする役目も、主にフランカーが担う。また、接点におけるルーズボールへの働きかけ(セービング、ジャッカル、スイープ)も重要な役割で、ロックが空中戦のスペシャリストだとすれば、フランカーは地上戦のスペシャリストだと言える。このような動きから国によってはルーズフォワード(Loose Forward)とも呼ばれる。スクラムにおいては主に6番がブラインドサイド、7番がオープンサイドに就くという形と単に6番が左、7番が右という形も見られる。オープンサイドフランカーは豊富な運動量とアタッキング力、ブラインドサイドフランカーはフィジカルとディフェンス力が求められる。
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: フランカーとともにスクラム時の3列目を組む。'''FWのリーダー'''。
: スクラムに最後に参加し、体ごと相手FW陣を押し崩す役回り。フランカー同様、かき出されたボールを持って、密集地のサイドを力づくで突破もしくはモールの起点となることも求められる。
FL・No8の3名をバックローもしくはサードローと称するのは、スクラムを組む際に最後列(3列目)に位置していたため。現在は後述の通りFLが2列目の両翼に上がるように変化しているが、呼称自体は旧来から変化していない。
 
=== スクラム ===
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== バックス (BK) ==
バックスとは、フォワード以外の'''スクラムハーフ'''(1人)、'''スタンドオフ'''(1人)、'''センタースリークォーターバック'''(2人)、'''ウイングスリークォーターバック'''(2人)、'''フルバック'''(1人)の7人のプレーヤーの総称で、9番から15番までの選手のこと。
 
その中でも9番と10番の選手を'''ハーフバックス'''もしくは'''ハーフバック団'''と呼び、11番から14番までの選手は'''スリークォーターバックス'''(日本語に訳すと「4分の3のバックス」という意味)、そして15番は'''フルバック'''と言う。
 
また、スタンドオフとセンターを'''フロントスリー'''、ウイングとフルバックを'''バックスリー'''と呼ぶこともある。
 
バックスは、フォワードが獲得したボールを前に進め、最終的に得点につなげるのが役割。体格的にはフォワードに劣るが、足が速く、パスやキックなどのテクニックに優れた選手が多い。守備ではタックルで相手の攻撃を防ぐ。
 
=== ハーフバックス(ハーフ団) ===
SHはポジションを8分割したときに4/8列目と5/8列目に来る。ちょうど真ん中(Half)に当たるため、スクラムハーフとスタンドオフと合わせてこう「ハーフバックス」と呼ばれる。国によってはスタンドオフを「ファイブエイス」と分けて呼び、ハーフバックとは単にスクラムハーフを指すこともある。
 
; 9番 '''スクラムハーフ'''「'''SH'''」
: 名前の由来は、スクラムと連携するハーフというところから。スクラムやモール、ラックに参加はしないが、そばにいて、かき出されたボールを持ってバックス陣にパスをすることを主とする役回りである。スタンドオフと同様に攻撃の起点となることから、フランスのラグビー哲学ではスクラムハーフが司令塔であるとされている。
:地面にあるボールを拾うことと一連の動作でパスする(ダイビングパス等)という動作が特に多く、体が小さい選手が務めることが多い。密集地からの最初のパスを出すので、'''敏捷さと高度なパススキル'''、瞬間的な判断力、常に密集地に素早く駆けつけることが出来る持久力、体が小さいことを武器として大男たちの密集地のサイドを突破できるような俊敏性とステップワーク技術が要求される。
:守備の際は相手スクラムハーフをマークし、密集地からパスが出たことを味方に伝えたり、相手FW陣のスクラムサイドの突破を防ぐことが要求される。体躯の大小にかかわりなく9人目のFWとして大男の突破を防がなくてはならないことから、強靭なメンタリティとフィジカルが求められる。
SHはポジションを8分割したときに、4/8列目に来る。ちょうど真ん中(Half)に当たるため、スタンドオフと合わせてこう呼ばれる。国によってはスタンドオフを「ファイブエイス」と分けて呼び、ハーフバックとは単にスクラムハーフを指すこともある。
; 10番 '''[[スタンドオフ]]'''「'''SO'''」(フライハーフ「FH」)
: 語源は、スクラムから“離れた”(=スタンドオフ)ハーフというところから。イギリスではその後、このポジションのことを「フライハーフ」 (flyhalf) と呼ぶようになったので、日本やアメリカなどで使われる「スタンドオフ」という言葉は、今ではあまり使われない。国際的にもフライハーフと呼ばれることが多い。これ以外にも、国によっては「ファースト・ファイブエイス」 (first five-eighth)<ref>ファーストが付くのは12番の選手をセカンド・ファイブエイス(second five-eighth)と呼ぶことがある為。</ref> 、「ファースト・ファイブ」 (first five) 、「アウトサイド・ハーフ」 (outside half) などという呼び方がある。
:スクラムやモール、ラックなどの密集からボールが出てきたときに最初にボールを受け取る役回りであり、受け取る瞬間はノーマークであるため、パス、パント、突破と様々なプレーを選択でき、そのプレーが攻撃の基点になることから、一般的に、'''司令塔'''と言われているポジションである。ボールハンドリング、パススキル、キック、ステップワークなど多種多様かつ正確巧緻な技術、瞬時の状況判断力、試合の流れを読む冷静さ、長い距離を走るスピードよりも短い距離でトップスピードに到達する俊敏性が求められる。
:スクラムやモールには参加せず、守備時においては、相手のスタンドオフをマークし、プレッシャーをかけることで相手のミスの誘発やプレーを遅らせる役目を担う。
SOはポジションを8分割したときに、5/8列目に来る。別名でファイブエイス (five-eighth) と呼ばれるのはこの為。ファーストが付くのは12番の選手をセカンドファイブエイスと呼ぶことがある為。
 
=== スリークォーターバック ===
11番から14番までをスリークォーター・バックス (TB) と呼ぶのは、ポジションを8分割したときに6/8=3/4(スリークォーター)に位置するため(かつては7列目にSE(セブンエイス)というポジションが存在した)。国によっては1211番から14まで「セカンドファイブエイリークォーター・バックス (TB) 分けて呼ぶ場合もある
 
国によっては、12番を「セカンド・ファイブエイス」と分けて呼ぶ場合もある。
; 11,14番 '''ウイング'''・スリークォーターバック「'''WTB'''」
: 攻撃の際はラインの最も大外にてパスを貰い、ライン際を駆け抜けトライを取りに行くことこそがこのポジションの役割で、チーム随一の快速と共に、巧みなステップ、相手を抜き去る相手裏へのキックの技術も要求される。'''トライゲッター'''としてラガーマンの華でもある。守りにおいてはFBと共にバックスリーとして相手のキック処理に関わる事が多く、敵陣を稼ぐためのロングキックも求められる。<!--尚、ウィングという言葉の由来はチームが勝利へと羽ばたく翼という説があるが、その真偽は定かではない。-->
; 12,13番 '''センター'''・スリークォーターバック「'''CTB'''」
: 12番をインサイドCTB、13番をアウトサイドCTBと呼ぶこともある。'''切込隊長'''。SOの外に位置し、SOからWTBへパスを回す中継役としてのパススキルは勿論、自ら相手に突破を仕掛ける際のスピードに加えて当り強さも求められる。ディフェンス時にはSOの外を突いてくる敵に対する強いタックルも求められる。自身のそばでモールやラックが発生すれば、それに参加することもよく見られる光景である。したがって、近年、フォワードに負けない体格の選手が増えている。一般的にインサイドセンターはパススキルが求められ、アウトサイドセンターにはランニングスピードが求められる。
11番から14番までをスリークォーター・バックス (TB) と呼ぶのは、ポジションを8分割したときに6/8=3/4(スリークォーター)に位置するため(かつては7列目にSE(セブンエイス)というポジションが存在した)。国によっては、12番を「セカンドファイブエイス」と分けて呼ぶ場合もある。
 
=== フルバック ===
15番をフルバックと呼称するのは、全体の最後尾(8/8)に位置するポジションであるため、15番をフルバックと呼称する
; 15番 '''フルバック'''「'''FB'''」
: 最後尾に位置し、バックスを統率するバックス'''最後の要'''のポジション。身体能力の高い者が務めることが多く、役割は多岐に渡る。バックス陣が攻撃を担当するラグビーにおいて、フルバックは攻撃よりはむしろ守備の担当として攻撃時でも最後尾で味方の選手に指示を出しつつ自陣のゾーンをカバーする。相手バックス陣に負けないスピードと相手FW陣に負けない当りの強さを求められる。また、最後の切り札としてオフェンスに参加することもある。特にキックの能力が不可欠である。
 
15番をフルバックと呼称するのは、全体の最後尾(8/8)に位置するポジションであるため。
== 脚注 ==
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{{DEFAULTSORT:らくひいのほししよん}}