「マウス (コンピュータ)」の版間の差分
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[[ファイル:Mouse(computing).jpg|thumb|2ボタン型・ボール式マウス]]
[[ファイル:Mausubo-ru.JPG|thumb|180px|マウスボール]]
'''マウス''' (Mouse) とは[[ポインティングデバイス]]の一
== 概要 ==
[[ファイル:MACMOUSE.JPG|thumb|1ボタン型・ボール式マウス(初期のPowerMac G4付属品)]]
本体を手に持って机などの平面上を移動させ、接触式ないしは非接触式の[[センサ]]で移動を検知し、2次元の縦横それぞれの移動をコンピュータへ伝える(加速度センサにより3次元の移動を感知する3Dマウスといったようなものや、絶対座標を指示するタイプのものもあるが、一般的ではない)。マウスという
[[ワークステーション]]をはじめ、1980~90年代以降は[[パーソナルコンピュータ]]のグラフィック性能も強化され、[[グラフィカルユーザインタフェース]](GUI)が一般的になると、GUIにおけるデフォルトのポインティングデバイスとして普及した。家庭用[[ゲーム機]]にも、[[スーパーファミコン]]には専用マウスがあったし、近年はUSBインタフェースにより市販品を使用可能だが、商品の性質上ゲームパッドで通常の操作は全て可能なようにデザインされていることもあり、対応ゲームはそう多くなく、マウスを必須とするゲームは家庭用ゲーム機にはほとんどない。
マウスの
▲マウスという言葉は、形状が[[ネズミ]]に似ていたことから名づけられた。初期のものは指先ではなく手首の側にコードがついていたので、左右のボタンを[[耳]]に、コードを[[尾]]に見立てたものである。英語の複数形はネズミと同じmiceと表すことが多いがmousesと表されることもある。近年は[[Bluetooth]]や独自方式の無線による「コードレスマウス」(ワイヤレスマウス、無線マウス)もある。
▲マウスの感度を示す単位は「ミッキー」であり、1ミッキーは1/100<!--そもそも 1 inch は、12進数の単位であるにもかかわらず 1/100 を1単位にしたのは何故か。プログラマー的な横柄さと言えば言えなくもない。既成概念にとらわれないと言えば、そう言えなくもない。なら、なぜカビが生えたような inch と言う単位を基本に使ったかと言う疑問も生まれてくる。-->[[インチ]]マウスを動かすことを意味する。このとき画面上でカーソルが何ドット動いたかを、ミッキー/ドット比で指定することで、プログラム上のマウスの感度は実装される。命名者は[[マイクロソフト]]のプログラマーだった[[クリス・ピーターズ]]であり、この単位名は[[ミッキーマウス]]に由来する一種のジョークと推測される。彼はマイクロソフト社の105人目にあたる社員で、Windows上のマウスドライバなど根幹部分を開発した。
=== マウスポインタ ===
{{see also|カーソル}}▼
[[オペレーティングシステム]]によっては、マウスの移動速度が速い場合や加速度が大きい場合に、ポインタをマウスの移動距離よりも大きく移動させる機能がある。これによって、ポインタの座標とマウスの実際の位置とは対応しなくなるが、より「動かす」感覚に近くポインタを移動できると感じるユーザーもいる。この場合、マウスはポインティングデバイスではなく、『ポインタを移動させるデバイス』として捉えられていると言えよう。また、マウス位置とポインタ座標が対応している方が正確にポイントしやすいと感じるユーザーもいる。
▲{{see also|カーソル}}
=== ボタン ===
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ボタンだけでは充分な快適性が得られないとして、ホイール(車輪)や[[トラックボール]]が表面に付いているものもある(後に詳述)。また、特定の[[タブレット (コンピュータ)|ディジタイザ]]上のみで使用可能なマウス型デバイスといったものも存在する([[WACOM]]製[[タブレット (コンピュータ)|タブレット]]など)。
===
==== ボール式 ====
1960年代に[[ダグラス・エンゲルバート]]が作ったマウスはXとYの直交した2個の円板がある方式だったが、1970年代には、内蔵したボールの一部が底面に露出しているボール式が開発され主流となった。ボール式では、マウスの内部でボールに小さな縦方向と横方向の円板ないし円筒が接しており、その回転で縦横の移動を検出する。ボールのころがり(モーメント)による独特の操作感があるが、機械的な構造上ある程度の滑りは避けられず、定期的な分解清掃といったメンテナンスが必要なため、メンテナンスフリーの光学式(次節)が一般的になってからは、そちらが主流となった。
==== 光学式 ====
LEDなどの光源と光学センサにより、移動を検出するマウス。80年代から存在したが、当初は専用パッドを必要とし、動きを検出する精度は高いが、比較的高額で、ワークステーション用やCADなど、業務用途主体の限られた分野での使用が主であった。
専用パッドの不要な
カメラセンサーにより専用パッドが不要となったが、ガラス板のような透明なもの、白いプラスティック製下敷き、鏡面などの上では全く動作が検出できなかったり、不安定だったりする場合がある。安定した動作を求める向きのために、光学マウスと相性の良いマウスパッドというものも作られ市販されている。
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== ホイール ==
[[ファイル:Wheel_mouse.jpg|thumb|2ボタン型・ホイールマウス]]
マウスにおける'''ホイール'''は、ポインタ移動とクリック・ドラッグによる操作だけでは煩雑な処理を補助するために設けられた機構である。標準的な2ボタンマウスの場合は、通例左ボタンと右ボタンの間に保持され、人さし指、または中指による前後方向の回転移動を行う。
▲マウスにおける'''ホイール'''は、ポインタ移動とクリック・ドラッグによる操作だけでは煩雑な処理を補助するために設けられた機構である。標準的な2ボタンマウスの場合は、通例左ボタンと右ボタンの間に保持され、人さし指、または中指による前後方向の回転移動を行う。[[1996年]]にマイクロソフトが発売したIntelliMouseで初めて多くの消費者に認知され、同社が[[Microsoft Windows 95|Windows 95]]や[[Microsoft Office|Office 97]]などを対応させ普及に弾みをつけた<ref>{{cite news|url=http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960723/intlms.htm|title=米Microsoftが新しいポインティングデバイス「IntelliMouse」を11月に発売 マウスにローラーがついて新しいナビゲーションが可能に|publisher=PC Watch|date=1996-07-23|accessdate=2012-07-20}}</ref>。
=== 原理と動作 ===
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* タッチセンサーによりホイールを代替し、より高度な操作ができる製品が存在する。(後述)
==
PC/AT互換機では[[PS/2コネクタ]](それ以前は汎用[[シリアルポート]])、Macintoshでは[[Apple Desktop Bus]] (ADB) 端子が長く使われていたが、2000年代には緩やかに[[ユニバーサル・シリアル・バス]] (USB) 端子に置き換えられた。しかしPS/2コネクタを搭載するパソコンも膨大な数が現役で稼働している。[[セーフモード]]起動時、USB接続でのマウスでは操作出来ないケースが存在する(USB → PS/2変換を介しての、USBマウスのPS/2接続でも回避不能<!--「端子変換コネクタ」とあったが、論理的な変換も必要なので間違い-->)ので需要は現在も残っているが、市場規模では事実上、[[レガシーデバイス]]的ポジションに追いやられている。無線接続に比べてより安価に製造できるため、廉価なマウスは有線接続を採用するものが多い。また、特に職場や学校など[[混線]]が心配される場所でも有線接続がよく採用される。
無線接続の場合はレシーバーをUSB端子に接続し、レシーバーとマウスを電波で通信するタイプが安価で主流である。[[Bluetooth]]接続の製品も、特にUSB端子の数やスペースの都合上[[ネットブック]]や[[タブレット端末]]向けに徐々に普及しつつある。無線マウスは電源として[[乾電池]]を必要とするか、[[二次電池|充電池]]を内蔵する。
== 歴史 ==
{{節スタブ}}
[[ダグラス・エンゲルバート]]が1960年代に開発し、1968年にデモを実施した[[NLS|oN-Line System]](NLS)で開発されたものがこんにちのマウスの始祖とされている。類似した装置としては[[トラックボール]]が同様に1960年代には存在している。エンゲルバートによる原形はX軸とY軸それぞれの円板が床と接触するものであったが、1970年代にはボール式マウスが開発された。
== 主なメーカー ==
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== 類似・代替デバイスとの関係 ==
=== トラックボール ===
▲{{main|トラックボール}}
=== ノートパソコン内蔵ポインティングデバイス ===
[[ノートパソコン]]には[[タッチパッド]]や[[ポインティング・スティック]]といったマウスを代替可能なデバイスがキーボードの付近に内蔵されている。慣れが必要でマウスほど快適な操作ができない場合が多いため、別途マウスを接続するユーザーは多い。ノートPCと一緒に持ち運ぶための小型・軽量マウスがモバイルマウスなどの名称で販売されている。▼
{{main|タッチパッド|ポインティング・スティック}}
▲[[ノートパソコン]]には[[タッチパッド]]や[[ポインティング・スティック]]といったマウスを代替可能なデバイスがキーボードの付近に内蔵されている。慣れが必要でマウスほど快適な操作ができない場合が多いため、別途マウスを接続するユーザーは多い。ノートPCと一緒に持ち運ぶための小型・軽量マウスがモバイルマウスなどの名称で販売されている。
=== キーボード ===
マウスと[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]は最も一般的なパソコンには欠かせないものだが、[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]やOSには多くの[[キーボードショートカット]]が用いられ、マウスに手を伸ばさなくてもキーボードだけで作業が完結できる場合もある。またカーソルキーでマウスポインタを動かせたり、マウスボタン入力を矢印キーで再現できる[[ユーティリティソフトウェア]]も存在する。▼
{{main|キーボード (コンピュータ)|マウスキー}}
▲マウスと[[キーボード (コンピュータ)|キーボード]]は最も一般的なパソコンには欠かせないものだが、[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]やOSには多くの[[キーボードショートカット]]が用いられ、マウスに手を伸ばさなくてもキーボードだけで作業が完結できる場合もある。またカーソルキーでマウスポインタを動かせたり、マウスボタン入力を矢印キーで再現できる[[ユーティリティソフトウェア]]も存在する。
=== ペンタブレット ===
製図・イラストなど精細な再現性が必要な作業に向いているが、専門的なデバイスとみなされ、マウスほど大量には普及していない。▼
{{main|ペンタブレット|スタイラス}}
▲製図・イラストなど精細な再現性が必要な作業に向いているが、専門的なデバイスとみなされ、マウスほど大量には普及していない。
=== タッチパネル ===
{{main|タッチパネル}}▼
2010年前後に急速な普及を始めた[[スマートフォン]]や[[タブレット (コンピュータ)|タブレット型コンピュータ]]等では、[[タッチパネル]]により画面を直接タッチ操作するのが事実上の標準となった。タッチパネルはマウスに相当する操作を概ね代替でき、マウスより直感性に優れた操作も可能である。
タッチ対応ディスプレイを備えたパソコンでは、タッチとマウスのどちらでも操作が可能である。Windowsは次第にタッチ操作への対応を進め、特に[[Microsoft Windows 8|Windows 8]]ではタッチ操作に最適化した[[Modern UI]]を搭載するなど更に強化されている。
▲{{main|タッチパネル}}
マウスにタッチパネルライクな操作性を融合する試みもある。アップルの[[Magic Mouse]]や、それに類似したマイクロソフトのTOUCH MOUSE<ref>{{cite news|url=http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110802_464753.html|title=日本マイクロソフト、タッチでジェスチャー操作可能な無線マウス|publisher=PC Watch|date=2011-08-02|accessdate=2012-07-20}}</ref>、ロジクールのタッチマウス M600<ref>{{cite news|url=http://japan.cnet.com/digital/pc/35016069/|title=タッチセンサを搭載した「ロジクール タッチマウス」--スマホのような操作感に|publisher=CNET Japan|date=2012-04-10|accessdate=2012-07-20}}</ref>などの製品では、ボタンやホイールを排除して表面にタッチセンサーを搭載し、クリックなどのボタンの操作をエミュレートするだけでなく、スワイプなどのタッチ操作独特のジェスチャーも利用可能である。
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