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が成り立つ。
 
 
== 例 ==
* 0 < α ≤ β ≤ 1 なら、有界集合 Ω 上のすべての <math>C^{0,\beta}(\overline{\Omega})</math> ヘルダー連続な函数は、<math>C^{0,\alpha}(\overline{\Omega})</math> ヘルダー連続でもある。これは β = 1 の場合も含むため、有界集合上のすべての[[リプシッツ連続]]な函数は ''C''<sup>0,α</sup> ヘルダー連続でもある。
 
* [0, 1] 上で定義される函数 ''f''(''x'') = ''x''<sup>β</sup>(β ≤ 1)は、0 < α ≤ β に対して ''C''<sup>0,α</sup> ヘルダー連続であるが、α > β に対してはそのようにならない典型的な例である。また、同様の函数 ''f'' を <math>[0,\infty)</math> 上に定義すると、それは α = β の場合のみ ''C''<sup>0,α</sup> ヘルダー連続となる。
 
* α > 1 に対し、[0, 1](あるいは任意区間)上の任意の α&ndash;ヘルダー連続函数は定数である。
 
* 任意の α に対して ''α''&ndash;ヘルダー連続でないような一様連続函数も存在する。例えば、[0, 1/2] 上では ''f''(0) = 0 で定義され、その他では ''f''(''x'') = 1/log(''x'') で定義される函数は連続であり、[[ハイネ・カントールの定理]]によって一様連続となる。しかしその函数はどの位数のヘルダー条件も満たさない。
 
* [[カントール関数|カントール函数]]は α ≤ log(2)/log(3) に対してヘルダー連続であるが、それより大きいものに対してはそのようにならない。前者の場合、定義における不等式は定数 ''C'' := 2 に対して成立する。
 
* [0, 1] から正方形 [0, 1]<sup>2</sup> の上への{{仮リンク|ペアノ曲線|en|Peano curve}}は、1/2&ndash;ヘルダー連続であるように構成することが出来る。α > 1/2 の場合、単位区間からその正方形への α&ndash; ヘルダー連続函数の像は、正方形全体を埋めることはない。
 
* [[ブラウン運動]]のサンプルパスは、すべての α < 1/2 に対してほとんど確実に至る所、局所 α-ヘルダー連続である。
 
* 局所可積分で、その積分が適切な成長条件を満たす函数はヘルダー連続である。例えば、
 
::<math>u_{x,r} = \frac{1}{|B_r|} \int_{B_r(x)} u(y) dy</math>
 
:とし、''u'' が
 
::<math>\int_{B_r(x)} |u(y) - u_{x,r}|^2 dy \leq C r^{n+2\alpha}</math>
 
:を満たすなら、''u'' は指数 α のヘルダー連続である<ref>例えば Han and Lin, Chapter 3, Section 1 を参照。この結果はもともと [[:en:Sergio Campanato|Sergio Campanato]] によるものであった。</ref>。
 
* 距離に関してある固定された割合で振動が減衰する函数は、その減衰率によって決定される指数に関してヘルダー連続である。例えば、ある函数 ''u''(''x'') に対し、
 
::<math>w(u,x_0,r) = \sup_{B_r(x_0)} u - \inf_{B_r(x_0)} u</math>
 
:が、0 < λ < 1 を満たす固定された λ と、十分小さな任意の ''r'' に対して
 
::<math>w(u,x_0,\tfrac{r}{2}) \leq \lambda w(u,x_0,r)</math>
 
:を満たすなら、''u'' はヘルダー連続である。
 
* [[ソボレフ空間]]の指数が空間次元よりも低い場合、[[ソボレフ不等式|モレーの不等式]]によってソボレフ空間の函数は適切なヘルダー空間に埋め込まれる。正確には、''n'' < ''p'' ≤ ∞ であるなら ''p'' と ''n'' にのみ依存する定数 ''C'' が存在し、すべての ''u'' ∈ ''C''<sup>1</sup>('''R'''<sup>''n''</sup>) ∩ ''L<sup>p</sup>''('''R'''<sup>''n''</sup>) に対して
 
::<math>\|u\|_{C^{0,\gamma}(\mathbf{R}^n)}\leq C \|u\|_{W^{1,p}(\mathbf{R}^n)}</math>
 
:が成立する。ここで γ = 1 − (''n''/''p'') である。したがって、''u'' ∈ ''W''<sup>1, ''p''</sup>('''R'''<sup>''n''</sup>) であるなら、必要に応じて測度 0 の集合上で再定義された後、''u'' は実際に指数 γ のヘルダー連続となる。
 
== 性質 ==
* α > 1/2 に対し、α&ndash;ヘルダー連続な弧によって連結される無限次元ヒルベルト空間 ''H'' の閉加法的部分群は、線型部分群である。1/2&ndash;ヘルダー連続な弧によって連結される ''H'' の閉加法的部分群には、線型部分群でないものもある。その一例として、ヒルベルト空間 ''L''<sup>2</sup>('''R''', '''R''') の加法的部分群 ''L''<sup>2</sup>('''R''', '''Z''') がある。
 
* 距離空間 ''X'' 上の任意の α&ndash;ヘルダー連続函数 ''f'' は、''k''-リプシッツな函数 ''f<sub>k</sub>'' の函数列 (''f<sub>k</sub>'') に対して、次を満たす意味でリプシッツ近似を許すものである:
 
::<math>\|f-f_k\|_{\infty,X}=O \left (k^{-\frac{\alpha}{1-\alpha}} \right ).</math>
 
:逆に、そのようなリプシッツ函数の列 (''f<sub>k</sub>'') は、ある α&ndash;ヘルダー連続な一様極限に収束する。
 
* ノルム空間 ''E'' の部分集合 ''X'' 上の任意の α&ndash;ヘルダー函数 ''f'' は、全空間への一様連続拡張を許す。そのような拡張は同じ定数 ''C'' と同じ指数 α に関してヘルダー連続である。そのような拡張の内、最も大きいものは次である:
 
::<math>f^*(x):=\inf_{y\in X}\left\{f(y)+C|x-y|^\alpha\right\}.</math>
 
* 任意の α&ndash;ヘルダー函数 ''f'' の像のハウスドルフ次元は、高々 1/α である。
 
== 脚注 ==