削除された内容 追加された内容
52行目:
痛みの意義については、外からの危害を避けるための無意識的な反射活動<ref>{{Cite web|url=http://kotobank.jp/word/%E7%97%9B%E3%81%BF|title=痛み|publisher=世界大百科事典 第二版|accessdate=2014-02-10}}</ref>と捉えられている。痒みも、従来は[[痛覚]]神経が反応して起きると考えられており、痛みと同様にその防衛反射をさらに補強するものと思われていた。言わば痛覚の軽微なものが痒みであり、掻く事で痒みが抑えられるのは明確な痛覚を与えるためと考えられていた。しかし[[2009年]]、痒みが痛みとは独立した神経経路をもった感覚であり、痛みには反応しない[[脳]]の[[頭頂葉]]内側部の[[楔前部]]で反応が起きていることが発見された<ref>{{Cite web|url=http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2009/09/post-29.html|title="痒み"を感じる脳―"痛み"とは異なる"痒み"を感じる脳の部位を特定―|publisher=自然科学研究機構 生理学研究所|accessdate=2014-02-10}}</ref>。
 
痒みを引き起こす代表的な原因物質であるヒスタミンが痛みの神経を活動させたり、[[ブラジキニン]]や[[カプサイシン]]などの痛みの原因物質が痒みの神経を活動させることがわかっており、痒みと痛みは非常に複雑に関係していると考えられているが、これらがどのような経路(内側毛帯路、[[脊髄視床路]]、[[皮質脊髄路]]など)で伝えられるか、同じく頭頂葉にある[[一次体性感覚野]]を含む[[中心後回]]との関連性は未だ解明されていない。特に掻く事で痒みが抑えられる理由についてはかつては上述の通り痛覚との関連で説明されていたが、現在ではそれが否定されてしまったために、不明になってしまった。痒みに過剰に反応してしまい痛いと自覚するまでに自身を自傷してしまうことがある、痒みが引っ掻き反射行動を自律的に起こすことができる体の部位に限定されている、などの理由の説明はまだついておらず依然未解明の部分が多いない。
 
== 脚注 ==