「デストロイガンダム」の版間の差分

人型機動兵器「'''[[モビルスーツ]]'''」 ('''MS''') の1機種で、「'''[[地球連合 (ガンダムシリーズ)|地球連合軍]]'''」に属する。通常のMSの約二2倍もの巨体が特徴で、都市一1つを壊滅させるほどの火力と強固な重装甲、円盤に足が生えたような「'''[[モビルアーマー]]'''」形態への[[可変モビルスーツ|変形機構]]を持つ。操縦には[[強化人間|人工的に肉体を強化された兵士]]「[[生体CPU]]」の存在が不可欠で、劇中では第81独立機動群「'''[[ファントムペイン (ガンダムシリーズ)|ファントムペイン]]'''」所属の「'''[[生体CPU#ステラ・ルーシェ|ステラ・ルーシェ]]'''」をはじめとした「[[生体CPU#エクステンデッド|エクステンデッド]]」たちが搭乗する。

[[ユーラシア連邦]]の軍事企業[[コズミック・イラの勢力#アドゥカーフ・メカノインダストリー社|アドゥカーフ・メカノインダストリー社]]が開発した大型可変MS。[[地球連合軍の機動兵器#ザムザザー|ザムザザー]]や[[地球連合軍の機動兵器#ゲルズゲー|ゲルズゲー]]といった大型MAのコンセプトを推し進め、 「単機での拠点制圧能力」を目標に開発された。ほかのMSの約2倍もの体躯<ref>ただし、劇中では[[バクゥ]]を足1つで踏み潰したりすシーンがあるうえ、フリーダムとの約7交戦シーンでは数倍以上の大きさであるかのように見えており、設定以上に大きく描かれている。</ref>と多彩な重火器を持つ。型式番号は、"'''''G'''ressorial '''F'''ortress '''A'''rmament '''S'''trategic''" を略したもので、「戦略装脚兵装要塞」を意味する。

専用OS「[[ガンダムタイプ#『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ|G.U.N.D.Am. Fortress]]」によって制御される機体全身に多数の砲門を備え、艦隊や多数の敵機を消滅させる絶大な火力を誇る。また、強固な装甲と[[陽電子リフレクター]]を備え、[[ビーム (物理学)|ビーム]]・実体弾兵器を問わず鉄壁の防御力を有している。背面の円盤型バックパックは4基の高出力ホバー[[スラスター]]を内蔵したフライトユニットとして機能し、飛行時はこれを上半身に被って下半身を180度回転させ、脚部を鳥脚状に変化させたモビルアーマー (MA) 形態へと変形する<ref>コクピットのスイッチ1つで変形することが可能。</ref>。機体の性質上、デストロイの主形態はこちらとなる<ref>月刊ホビージャパン2005年7月号より。</ref>。MA形態では大気圏内での単独飛行能力も発揮でき、その巨体に似合わず高い機動力を有する。砲身内蔵の頭部、巨大バックパック、バックパック上部や胸部のビーム砲はさながら『[[機動戦士ガンダムSEED|SEED]]』に登場した[[生体CPU#ブーステッドマン|ブーステッドマン]]の搭乗機に類似している。

その戦闘力はMS・MAという戦術兵器を超えた戦略兵器とも呼ぶべき代物であり、単機での要塞攻略・殲滅戦を可能としている。しかし、その代償として機体制御や火器管制システムの複雑化を招いており、本機の性能を100%引き出せるのは人為的に身体機能を強化された[[生体CPU#エクステンデッド|エクステンデッド]]兵士の中でもパイロット適正を持つ者のみとなっている<ref>しかし、それでも戦闘時は普段冷静だったスティングが本機に搭乗した際にはブーステッドマンよろしく凶暴性を剥き出しにして戦っていた点などから、操縦には相当の強化措置が必要なことが示唆されている。</ref><ref>。操縦時には、専用のパイロットスーツを着用する。</ref>。さらに

巨体であるゆえに小回りが効かずないうえ、懐に飛び込まれると何の対処もできない上ず、陽電子リフレクター特有の弱点である「ビームを一定の長さで発振し続けられる実体兵装に弱い」という弱点も受け継いでしまっている。 また、巨体相応に莫大な運用コストを必要とする上うえ、普通の戦艦では収容もままならないなど運用上の問題も多く、製造数はわずかにとどまり、配備先も[[コズミック・イラの施設#ヘブンズベース|ヘブンズベース]]や月[[コズミック・イラの施設#ダイダロス|ダイダロス基地]]など補給が十分に行える大規模拠点のみとなった。

劇中ではエクステンデッド専用機とは言及されていないが、先に述べた機体の性質から事実上の専用機である。[[コズミック・イラの施設#ヘブンズベース|ヘブンズベース]]や[[コズミック・イラの施設#ダイダロス|ダイダロス]]に配備されていた機体は、ファントムペイン以外の特殊部隊などから徴用したエクステンデッドが搭乗していたとされている<ref>『帰ってきちゃったSEED120%』では、本編終了後の公式見解。</ref>。このタイプは、劇中では「ブーステッドデストロイ」と呼ばれていた。

先述の通り本機は火器の配置の都合上足元がガラ空きになりやすいため、ここに直衛のMSを配置して懐に敵を入れさせないようにするといった体制は想定されたはずであるが、連合上層部ないしロゴスは本機の性能を過信し、直掩機もつけずに出撃させたため、後述のような戦果となった。それ以前に万が一、直衛機や陽電子リフレクターを突破された際の[[フェイルセーフ]]とも言える「接近戦用の兵装を全く積んでいない」という強烈な欠陥を残したまま、ベルリンの初陣であったであろう運用上の反省点もまったく活かさないまま継続的に運用したのも、問題だった<ref>一応、本機には近接戦闘用のイーゲルシュテルンが搭載されているが、MA形態時は使用不可能となるため、実質的には未搭載に等しい。</ref>。しかも、小回りの効かないサイズゆえに主流である20m前後の機体が、がらガラ空きの懐に潜り込んだ際の対応策も練られていなかった上にうえ、当時通常サイズのMSに強力な武装を満載するという手法が交戦機会の多かったミネルバ隊の主力MSであるセカンドステージ系に採用されていたため、ある意味戦略的に完全に食い違ったコンセプトだったことも少なからず存在する。