「アマチュア無線技士」の版間の差分

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[[画像:Amateur Third-Class Radio Operator.JPG|240px|thumb|無線従事者免許証<br />平成22年4月以降発給<br />(第三級アマチュア無線技士)]]
 
<small>電波法・政令では「アマチュア無線局」と、総務省令・告示では「アマチュア局」との文言となっている。以下、電波法・政令の引用以外は「アマチュア局」で統一する。</small>
== 概要 ==
[[電波]]は「人類共通の財産」であり、何人もこれを独占することは許されない。
電波は利用できる部分の限られた貴重な「[[資源]]」であり、皆が自分勝手にこの資源を利用することは直ちにその枯渇を招くことになる。このため全世界的に、ある程度([[電界強度]]によって規定される。)以上の電波の利用については「正当に許可された者」だけに許される「許可制」となっており、それぞれの業務目的に必要な[[電波の周波数による分類|周波数]]の「割当制」となっている。
これは[[アマチュア無線]]についても例外ではない。[[国際電気通信連合]](ITU)に加盟している電波利用の許可やその割当を行うのは各々の国(行政府)であり、このためアマチュア無線技士については[[国家資格]]となっている。
 
== 概要 ==
電波の利用は[[公共の福祉]]増進のために行われるものであるとされており、営利目的の電波利用については相応のさまざまな制限が課される。
1950年(昭和25年)の[[電波法]]制定時に[[特殊無線技士]]とともに無線従事者の一種別として新設された。
これに対して営利を目的としないアマチュア無線は、むしろ電波利用の本来の姿のひとつであり、多くの電波を「帯域」として利用することが許されている(''詳しくは[[アマチュア無線の周波数帯]]を参照'')。
1990年(平成2年)に他の種別の無線従事者は海上、航空、陸上と利用分野別に再編
但し、[[アマチュア局]]の操作は[[無線従事者]]に限られる
<ref>[http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h02/html/h02a01040504.html 無線従事者制度の改革] 平成2年版通信白書 第1章平成元年通信の現況 第4節通信政策の動向 5電波利用の促進(4)(総務省情報通信統計データベース)</ref>
されたが、アマチュア無線技士については一貫して独立した種別となっている。
但し、これは[[アマチュア無線]]の[[無線設備]]の操作は[[無線従事者]]に限られる
<ref>電波法第39条第1項</ref>
ので、専ら[[アマチュア局を開]]の無線備を操作するには、アマチュア無線技士(または相当資格)従事者取得必要とすることが必須となによる。
 
[[アマチュア無線]]は[[趣味]]であり他の種別の[[無線局]]を操作することはできない。
すなわち、アマチュア無線技士には他種別の無線従事者に相当する資格は無い。
この逆、つまり他種別の無線従事者の一部には、[[#相当資格]]にみるようにアマチュア無線技士に相当する資格がある。
また、[[#国家試験の科目免除]]にある通り資格再編の際、アマチュア無線技士と他種別の無線従事者に対する科目免除の規定が削除され、他種別の無線従事者に対する関係性は無くなった。
 
時折り「アマチュア無線'''技師'''」と誤記されることがある。
 
== 種別 ==
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[[日本無線協会]]が実施する'''[[#国家試験]]'''により取得する。2・3・4アマは、総合通信局長の認定を受けた団体が実施する'''[[#養成課程]]'''を修了することでも取得できる。
 
免許証は1・2アマは総務大臣が、3・4アマは国家試験の受験地またもしくは養成課程の実施場所を管轄する総合通信局長が交付する。
 
=== 欠格事由の適用除外 ===
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!colspan="4"|平成24年度
!colspan="4"|平成25年度
!colspan="4"| 平成26年度
|-
|資格
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<!--無線従事者規則第21条-->
注 補講、復習などの時間を追加することを妨げるものではない。
*JARDは、2アマ短縮コースの授業をeラーニングにより実施する。
*直近の認定状況(実施状況ではない。)については養成課程一覧<ref>{{PDFlink|[http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/operator/005.pdf 養成課程一覧]}}(総務省電波利用ホームページ 無線従事者関係の認定学校等一覧)</ref>を参照。
*盲人を対象とした事例は極めて少ない。実施例<ref>[http://www.thka.jp/info/20080220.html 視覚障害者のためのアマチュア無線講習会開催] 東京ヘレン・ケラー協会</ref>を参照。
 
'''修了試験の形式及び時間'''
 
従事者規則に基づく総務省[[告示]]
<ref>[http://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a723700001.html 平成2年郵政省告示第250号 無線従事者規則第21条第1項第11号の規定に基づく無線従事者の養成課程の終了の際に行う試験の実施]第3項(同上総務省電波利用ホームページ 総務省電波関係法令集)</ref>
<ref>平成27年総務省告示第36号による平成2年郵政省告示第250号改正</ref>
に規定されている。
*筆記のみでなくCBTによるこ多肢選択式を原則もできしてい。筆記もが、マークシートによることは義務付けられておらず、CBTによることもできる。試験の一部を記述式とすることも妨げてはいない。また、盲人に対する実施を考慮し、これら以外の方法もとれるとしている
*2アマは無線工学が90分、法規が60分
*3・4アマは無線工学、法規が各々30分
*JARDは、2アマ短縮コースの修了試験をCBTで実施する。
また、盲人に対する実施を考慮し、これら以外の方法もとれるとしている。
 
*盲人を対象とした事例は極めて少ない。実施例<ref>[http://www.thka.jp/info/20080220.html 視覚障害者のためのアマチュア無線講習会開催] 東京ヘレン・ケラー協会</ref>を参照。
'''受講料'''は実施団体ごとに異なる。未成年者、中学生以下などの受講料を割り引く団体もある。
 
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!colspan="2"|平成24年度
!colspan="2"|平成25年度
!colspan="2"|平成26年度
|-
|資格
|align="center"|3アマ
|align="center"|4アマ
|align="center"|3アマ
|align="center"|4アマ
456 ⟶ 466行目:
|align="right"|148
|align="right"|333
|align="right"|
|align="right"|
|-
|受講者数(人)
468 ⟶ 480行目:
|align="right"|4,388
|align="right"|12,724
|align="right"|
|align="right"|
|-
|修了者数(人)
480 ⟶ 494行目:
|align="right"|4,347
|align="right"|12,401
|align="right"|
|align="right"|
|-
|修了率(%)
492 ⟶ 508行目:
|align="right"|99.1
|align="right"|97.5
|align="right"|
|-
|align="right"|
|}
 
===取得者数===
取得者の内、9割が第4級アマチュア無線技士であり、残り1割が1~3アマ取得者である。
{|class="wikitable" border="1"
|+取得者数の推移
590 ⟶ 606行目:
|align="right"|3,055,638
|-
|平成26年度末
|align="right"|
|align="right"|
|align="right"|
|align="right"|
|}
<small>この節の統計は、総務省[[総合情報通信基盤局]]電波部電波政策課の統計データベース 格・試験による。</small>
 
== 外国での運用 ==
638 ⟶ 659行目:
を行い、合格者に従事することが許可された。
 
1940年(昭和15年)12月以降は、開設や継続には無線通信士第二級以上又は新設された[[無線技術士#歴史|電気通信技術者]]第三級(無線)以上の所有が絶対的条件となり、純然たるアマチュア局にもプロの資格が求められることになった。
1941年(昭和16年)12月8日に運用停止を命じられるが、戦後の再開時に施設の従事許可は無効とされた。
 
652 ⟶ 673行目:
*1アマの電気通信術の能力は、1分間60字の速度の欧文普通語および50字の速度の和文による約5分間の手送り送信および音響受信
*国家試験は、一次試験と二次試験の2段階とされた。
**一次試験は2月、6月、10月に実施、二次試験の日時は合格者にその都度通知するものとされた。
**免許の日から1年以内の受験時には、[[無線通信士]]、[[無線技術士]]、アマチア無線技士および[[特殊無線技士]]の(一部を除く。)相互間で試験科目の免除が規定された。
*無線従事者免許証の交付者は[[電波監理委員会]]。
11月に無線従事者国家試験及び免許規則は全部改正<ref name="s25rrc16">昭和25年電波監理委員会規則第16号による全部改正</ref>された。
*免許の日から1年以内の受験時には、無線通信士、無線技術士およびアマチア無線技士の(一部を除く。)相互間で試験科目の免除が規定されるものとされた。
|-
|1951年<br />(昭和26年)
|第一回の国家試験が実施された。<ref>昭和26年5月22日電波監理委員会告示第577号</ref>
|-
|1952年<br />(昭和27年)
675 ⟶ 700行目:
<!--第一級、第二級無線通信士が1アマ、第三級無線通信士が2アマ、電話級、航空級無線通信士、各級無線技術士が電話アマ-->
試験の種別は、1・2アマは予備試験と本試験、電信・電話アマは本試験のみとされた。<br />
*1・2アマの予備試験と電信・電話アマの本試験は4月、10月に、1・2アマの本試験は5月、11月に実施するものとされた。
*1・2アマの第三級・電話級無線通信士および特殊無線技士への、航空級・電話級無線通信士および無線技術士の1・2・電信アマへの科目免除が規定された。
11月5日現在有効な免許証は終身有効となった。<br />
843 ⟶ 869行目:
<!--認定番号近通航第1号-->
 
4月より養成課程でeラーニングによる講義授業とCBTによる修了試験ができることとなった。
<!--平成24年総務省令第56号による無線従事者規則改正と平成24年総務省告示第222号による平成2年郵政省告示第250号改正-->
|-
852 ⟶ 878行目:
|2015年<br>(平成27年)
|
4月より2アマが養成課程の対象となった
<!--平成27年総務省令第7号による無線従事者規則改正-->
 
7月よりJARDが2アマ養成課程を開始するした
|-
|colspan="2"|注 引用部の拗音の表記は[[原文ママ]]
|-
|}
 
1,072 ⟶ 1,097行目:
| 
|align="center"|○
|-
|}
<small>第一級無線通信士がアマチュア無線技士を受験することは想定されていなかった。</small>
1,238 ⟶ 1,262行目:
| 
|align="center"|○
|-
|}
<tr valign="top"><td>
1,534 ⟶ 1,557行目:
| 
|align="center"|○
|-
|}
<small>これ以後の科目免除は終身有効とされた。</small>
1,593 ⟶ 1,615行目:
|align="center"|○
|align="center"|○
|-
|}
| valign="top" |
1,644 ⟶ 1,665行目:
| 
|align="center"|○
|-
|}
|}
1,653 ⟶ 1,673行目:
 
かつての1・2アマの電気通信術の国家試験には、合格した月から3年間の科目免除があった。
これは総合無線通信士(資格再編前は第一級・第二級・第三級無線通信士)の試験の科目合格によるものを含んでいた。
また、総合無線通信士(同前)の電気通信術が科目免除される[[学校]]等の卒業の日から3年間免除された。
さらに、2005年の条件緩和以降は、3アマ以上の現有資格が同等以上の速度の試験の合格によるものであれば科目免除された。
これらの規定は試験の廃止に伴い2011年に全廃された。
1,848 ⟶ 1,868行目:
*1アマは、電波法第24条の2に規定する[[登録検査等事業者等]]の点検員となることができる。
<!--電波法別表第1号-->
*[[無線従事者養成課程]]の講師の知識及び技能を有する者として、1アマが従事者規則第21条に基づく別表第6号に規定されている。
**3・4アマ無線従事者養成課程の講師の知識及び技能を有する者として、2アマはアマチュア業務の経歴3年により同等以上と認められると電波法関係審査基準にある。
**1アマはアマチュア業務の経歴1年、2アマは同3年によりJARDの3・4アマの[[アマチュア無線技士養成課程講師]]になれる。
1,858 ⟶ 1,878行目:
== 関連項目 ==
* [[アマチュア無線]]
* [[アマチュア局の開局手続き]]
* [[アマチュア無線の周波数帯]]
*[[無線従事者 (琉球政府)]]
1,870 ⟶ 1,890行目:
*[http://members3.jcom.home.ne.jp/denkirikaclub/ 電気理科クラブ] 同上
*[http://www.jarl.org/ 日本アマチュア無線連盟]
*[http://www.dental.gr.jp/jh3kcw/indexkokushi/kokushi.htm JH3KCW上級資格をめざすみなさんへ](1 JH3KCW(1アマ・2アマ国家試験問題一覧を掲載
*[http://jr2sxc.wix.com/kokusi-siryo#!resume/c46c めざせ!! 上級ハム](JR2SXC)
*[http://homepage3.nifty.com/srz/hamtest/ アマチュア無線試験問題] JL3SRZ(3アマ・4アマの模擬試験問題)