「SI接頭語」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
43行目:
接頭辞は常に[[累乗]]に優先する。例えば “km<sup>2</sup>” は「平方キロメートル」であって「キロ平方メートル」ではない。3 km<sup>2</sup> は 3 000 000 m<sup>2</sup> であって 3000 m<sup>2</sup> ではないし、もちろん 9 000 000 m<sup>2</sup> ではない。SI接頭辞は通常は1000倍ごとのステップとなるが、2の累乗を伴う場合は 1 000 000(100万)倍ごと、3の累乗を伴う場合は 1 000 000 000(10億)倍ごとのステップとなる。そのため、このような場合には、大きな数字を使わなければならなくなる。
 
SI接頭辞は10<sup>3</sup>毎の倍数の累乗となっているものを使用することが推奨される。したがって 1 hm(ヘクトメートル)よりも 100 m とする方がよい。著名なこの原則の例外として実用的に使われている単位には[[センチメートル]]、[[立方センチメートル]](これはミリリットルと等しい)、[[ヘクトパスカル]]、[[ヘクタール]](hect-are)、[[デシリットル]]、[[デシベル]]ある。
 
日本では上記の例以外では、ヘクト、デシ、センチの接頭辞を使うことは、科学や技術の分野を含めてほとんどないが、外国では[[デシメートル]]、[[センチリットル]]などが、頻繁によく使用されている。
 
「デカ」の英語表記は、SI公式文書によれば、decaのみである<ref>[http://www.bipm.org/utils/common/pdf/si_brochure_8.pdf]の94ページ以降、[http://www.bipm.org/utils/common/pdf/si_brochure_8_en.pdf]</ref>。しかし、アメリカ合衆国においては[[NIST]]がその表記をdekaに定めており<ref>[http://physics.nist.gov/Pubs/SP330/sp330.pdf The International System of Units (SI)], NIST Special Publication 330, 2008 Edition, p.iii, 第3段落</ref>、同国においてのみ用いられている表記である。
 
かつては二重接頭辞、すなわち複数の接頭辞を同時に使用することはかつては行われていた。だが、しかしSI導入の際に廃止されたため現在では二重接頭辞の使用はできない。かつての使用例に、{{1e-|9}}メートルを1nm(ナノメートル)と言わずに1µmm(マイクロミリメートル)や1mμ(ミリミクロン)といった例があり、他にも 「マイクロマイクロファラド」(ピコファラド)、「ヘクトキロメートル」(100キロメートル)、「キロメガサイクル」(ギガヘルツ)等が使われていた。
 
[[キログラム]]は[[SI基本単位]]の中で唯一接頭辞がついており、グラムはその質量の1000分の1として定義されている。しかし、SIでは二重接頭辞は認めていないので、接頭辞はキログラムではなくグラムに対して付けられる。
84行目:
特殊な分野でSI単位に代わって使われる、[[パーセク]] (pc)、[[電子ボルト]] (eV)、[[統一原子質量単位|ダルトン]] (Da)、[[ユリウス年|年]] (a)、[[塩基対]] (bp) 等には、倍量接頭辞がよく使われる。しかし、分量接頭辞がよく使われる単位は少ない。
 
[[ビット]] (b) と[[バイト (情報)|バイト]] (B) にも倍量接頭辞がよく使われる。[[2進接頭辞]] (1000の代わりに1024の冪) の意味で使われていることもある。SIでは、例えばキロ(k)を1024倍として用いることを厳しく禁じているので、[[キビバイト|キビ]] (Ki = 1024) の意味のキロの記号は大文字の K を使う。
 
[[尺貫法]]など伝統的な度量衡の単位に使用されることはない。ただし、[[ヤード・ポンド法]]の単位にはごく希に使われる(マイクロ[[インチ]]、キロ[[フィート]]など)。