「固有運動」の版間の差分

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視線速度はその星の[[スペクトル]]の[[ドップラー効果|ドップラーシフト]]から求められるので、1回の観測から求めることができるが、固有運動を測定するには星の天球上の位置変化を継続的に測る必要がある。よって一般には固有運動の測定は視線速度よりも難しい。
 
[[バーナード星]]は全ての恒星の中で最も大きな固有運動を持っていて、1年に10.3秒角動く。固有運動が大きいということは普通、その星が相対的に太陽に近いということを強く示唆している。バーナード星の場合はまさにこれに当てはまっていて、太陽から約6[[光年]]の距離にあり、[[ケンタウルス座アルファ星|ケンタウルス座αα星]]系の次に[[地球]]に近い。(しかし[[赤色矮星]]であるため、[[視等級]]が9.54等と非常に暗く、[[望遠鏡]]か大口径の[[双眼鏡]]でなければ見ることはできない。)
 
1光年の距離にある星の固有運動が1秒角/年である時、その相対的な横断速度は秒速1.45kmに相当する。バーナード星の場合には秒速90kmとなる。これに加えて視線速度が秒速111kmであることを考慮すると、バーナード星の実際の運動は秒速142kmとなる。こういった真の(絶対的な)天体の運動を測ることはより難しい。これはその星までの距離の測定の精度に強く依存するためである。現在分かっている、太陽に対する空間速度が最も大きい近傍の恒星は[[ウォルフ424]]で、毎秒555kmで動いている。近傍恒星のカタログにある星のうち、真の速度が分かっているのは半数を少し超える程度に過ぎない。