「動的弾性率」の版間の差分

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'''動的弾性率''' (Dynamic modulus, Dynamic Elastic Modulus ) は<ref name=Meyers>Meyers and Chawla (1999): "Mechanical Behavior of Materials," 98-103.</ref>は、[[粘弾性]]を表現する[[物理量]]の一つで、弾性率([[ヤング率]])を拡張した概念である。
"振動する応力"と、それによって生じた歪の"比"として定義される。動的弾性率は、動的な粘弾性特性を、粘弾性物質の応力-ひずみ特性の[[位相]]遅れに着目して表現したものであり、「[[貯蔵弾性率]]」、「[[損失弾性率]]」の2つの項を持つ。同様に、[[剛性率]]についても同様に[[動的剛性率]]が定義されるので、併せて説明する。
 
数式的な取扱いにおいて、電気工学で用いられる[[インピーダンス]]や、制御工学の[[周波数伝達関数]]に良く似ており、一種の[[アナロジー]]が成立する。
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==粘弾性体による応力-ひずみ間の位相遅れ==
日常的に目にする粘弾性体の例としては[[ゼリー]]がある。ゼリーの"ぷるるん"とした性質に粘弾性の本質がある。この”ぷるるん”とした性質は、粘弾性体による応力-ひずみ間の[[位相]]遅れの帰結であり、これを定量的かつシステマティックに表現したものが、動的弾性率である。従って、動的弾性率を理解する前に、粘弾性体による応力-ひずみ間の位相遅れについて理解しておく必要がある。
 
皿の上にゼリーを置いて、少し揺らすと、ゼリーは”ぷるるん”と震える (ここでは、[[インパルス応答]]を与えたとしても、[[正弦波]]的な振動(後述の"式2-1"を参照)を与えてその応答をみたとしても、どちらでもかまわない)。ここで、より「シャキッとした」([[弾性体]]に近い)[[ゼリー]]は、”ゆらし”に対して、より機敏に応答するであろう。より「フニャっとした」([[粘性]]体に近い)ゼリーは、”揺らし”に対して少し遅れた(位相の遅れを伴った)応答するであろう。このように、我々は、経験的に食べる前にゼリーの食感を推定する方法を知っている<ref name=zeri>http://www2.kobe-u.ac.jp/~komoda/kyougen/komoda_05.pdf</ref>。