「那智 (重巡洋艦)」の版間の差分

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砲戦に関して、第五戦隊砲術参謀[[末国正雄]]中佐は[[戦史叢書]]に「五戦隊が怪我をしたら輸送船団が危険なので、アウトレンジ砲撃を行いつつ魚雷戦で片づけるつもりだった」という主旨の回想を述べている<ref name="叢書(26)458"/>。那智主砲発令所長の萱嶋によれば、敵1番艦に主砲を斉射したところ着弾前に第二目標を狙うよう下令があり、この弾着前に第三目標を狙うといった事を繰返していたという<ref>[[#巡洋艦戦記]]127-128頁</ref>。那智艦橋にいた大尉は「司令部はすっかりあがっていた」「五戦隊砲術参謀は落第」と述べている<ref>[[#巡洋艦戦記]]136頁</ref>。
3月1日昼戦では、オランダの病院船[[オプテンノール (船)|オプテンノール]]を護送するため駆逐艦[[曙 (吹雪型駆逐艦)|曙]]が航行していたところ、重巡[[エクセター (重巡洋艦)|エクセター]]をオプテンノールと誤認、砲撃された<ref name="第二氷川丸61">[[#第二氷川丸の航跡]]61頁</ref><ref>[[#S1703五戦隊日誌(1)]]p.58『1144|曙|我敵巡ト交戦中』</ref>。オプテンノール護送任務は駆逐艦の[[天津風 (陽炎型駆逐艦)|天津風]]が行っており、に与えられた命令は誤ったものだった<ref name="第二氷川丸61"/><ref>[[#S1703五戦隊日誌(2)]]pp.22-23『2-28|(略)(4)1630頃蘭国病院船1隻上陸泊地附近ニ航行中ナルヲ認メ夕立之ヲ臨検次テ天津風之ヲ「バウエアン」島北方ニ抑留ス』</ref>。那智では曙や第三艦隊(足柄)から発せられた信号が正しいのか疑いを抱き、足柄の位置を問い合わせている<ref>[[#S1703五戦隊日誌(1)]]pp.22-23『…1144駆逐艦曙ヨリ『我敵巡ト交戦中』ノ報アリ1150(将旗)3Fヨリ(将旗)5S曙ニ「敵ヲ我ニ誘致セヨ1145」ノ令アリ次デ1151(将旗)3Fヨリ更ニ「我敵巡ト交戦中」ノ報アリタルモ之ニ疑問(註 敵発見時間モナク通報アリシ足柄位置ヨリ判断シ甚シク相違アル為疑ヒヲ生ジ改メテ足柄ノ一ヲ照会セリ)アリシヲ以テ重ネテ位置知ラサレ度旨電報彼我ノ関係位置ヲ確認スルコトトセリ』</ref>。
 
戦闘終了後、20㎝砲10門の那智残弾は主砲治門につき7発(定数一門200発)・残魚雷4本、羽黒は主砲一門につき19発・残魚雷4本であった<ref>[[#戦史叢書26海軍進攻作戦]]463頁</ref>。なお2月27日昼戦で駆逐艦エレクトラ、エンカウンター、ジュピターと交戦しエレクトラを撃沈した第9駆逐隊([[朝雲 (駆逐艦)|朝雲]]、[[峯雲 (駆逐艦)|峯雲]])の駆逐隊司令[[佐藤康夫]]大佐は、軽巡洋艦1隻撃沈を報告<ref name="巡洋艦戦記140">[[#巡洋艦戦記]]140-143頁『猛進駆逐隊』</ref>。戦果検討の席上で指摘されると佐藤司令は「遠くへ逃げていた者に何がわかる」と怒鳴ったという<ref name="巡洋艦戦記140"/>。