「後梁 (南朝)」の版間の差分

[[梁 (南朝)|梁]]の末期の5世紀中葉、[[侯景]]の乱によって国内は混乱状態に陥る。侯景は552年4月に殺害され、蕭繹（[[元帝 (南朝梁)|元帝]]）が梁の新たな皇帝として即位したけれども、梁の皇族同士の対立は収まることがなかった。[[蕭衍|武帝]]の孫の1人である[[蕭サツ|蕭詧]]は、[[侯景]]の乱の後に各地の皇族が対立する中で、叔父の蕭繹（[[元帝 (南朝梁)|元帝]]）と対立し、生き残りのため[[西魏]]に援軍を求め、保護という名目で実質的に支配下に入る。その後、蕭繹元帝は[[北斉]]と緊密な関係となり、西魏はそれに対抗して[[江南]]への影響力を確保するため、550年に蕭詧に梁王を名乗らせて（550年）梁王とに侵攻した。その後、帝位に就いた蕭繹と西魏との対立の末、554年に西魏の軍勢が[[荊州区|江陵]]にあった蕭繹の政権元帝を攻め滅ぼ戦死に追い込んだ。江陵を掌握した西魏は、蕭詧を新たな梁の皇帝に（宣帝）として即位させたる。これうして誕生した国家が後梁の誕生である。ただし、本来の梁もまた[[北斉]]の支援のもとに存続したから、後梁の成立によって梁はふたつに分裂したことになる。しかし、後梁は実質的には西魏の[[傀儡政権]]であり、またそれが支配下に置いたのは江陵周辺のごく一部の地域にしかすぎなかった。

しかし、後梁が支配下に置いたのは江陵周辺のごく一部の地域のみであり、実質は西魏の[[傀儡政権]]だった。一方、北斉は梁に対して自らの支配下にいた[[蕭淵明]]（武帝の甥）を梁へ送り込み、こちらがんで領土の大半の実効支配をするおことになるがい、その直後に蕭繹元帝の子である[[敬帝 (南朝梁)|敬帝]]がを即位させる。その後、敬帝は[[陳 (南朝)|陳]]の武帝となった[[陳霸先]]によって退位させられ、梁は滅亡する。

その後、敬帝は[[陳 (南朝)|陳]]の武帝となった[[陳霸先]]によって退位させられ、梁は滅亡する。一方、後梁は西魏、それに代わった[[北周]]、さらに[[隋]]に至るまで、傀儡政権でありながら命脈を保った。この理由の一つとしては、西魏や北周にとっては、陳がは簒奪政権でありにすぎず、自分の配下にある後梁こそが梁の正統政権であると主張することによって、江南へ勢力を伸ばそうとする試みを正当化する理由となっていたことが挙げられる。また、後梁は梁朝の爛熟した文化を受け継いでおり、傀儡政権とはいえその城下には高い文化が花開き、後世にその文化を伝える役割を果たしたとも言える。