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{{Otheruses2||その他の用法|プランナー}}
<!--カール・ツァイスのレンズ製品一覧、ローデンシュトック、シュナイダー・クロイツナッハ、コンタックス、ハッセルブラッドは統一フォーマットになっているためフォーマット変更は慎重に-->[[ファイル:Planar 1896.png|thumb|right|200px|プラナー]]
'''プラナー'''(''Planar'' )は[[パウル・ルドルフ]]が[[1897年]]に発明した[[カール・ツァイス]]の[[写真レンズ]]で、ツァイス・[[アナスチグマート]]としてはシリーズIAであった。ちなみにツァイス・アナスチグマートのシリーズIBが[[ウナー]]、シリーズIIBが[[テッサー]]、それ以外が[[プロター (レンズ)|プロター]]となっている。
 
初代プラナーは、[[ダブルガウス]]型の発展過程における代表的なレンズのひとつで、完全に前後対称である。対称な設計は像面湾曲や歪曲収差が抑えられ、平坦を意味するプラーン(独:''Plan'' )が名称の由来である。
前後対称構造<ref group="注釈">パウル・ルドルフ原特許による製品は前後完全対称である。</ref>の[[ダブルガウス]]で、大口径化が容易である。レンズコーティング技術が実用的でなかった[[第二次世界大戦]]前は内面反射による低コントラストを嫌われあまり普及しなかったが、Tコーティング、T*コーティングが実用化され[[一眼レフカメラ]]全盛となるとツァイスの看板レンズに踊り出た。主に[[標準レンズ]]に採用され、一部大口径望遠レンズがある。像が平坦である<ref group="注釈">ここでいう像が平坦だというのは、画面の中心から端までの性能差が小さく、全面に均一な性能を発揮することをいう。通常レンズでは中心の解像能力が最も高く、そこから離れるにつれ数値が低下するが、プラナー・タイプでは画面の境界近くでもそれほど性能が低下しないのが特徴である。</ref>ことから平坦を意味するプラーン(独:''Plan'' )を名称の由来とする。
 
その後プラナーは同系統のレンズのシリーズ名として使われた。戦前は、ダブルガウス型はコマ収差を抑えられず、空気面の多いこともコーティング技術の発達以前には不利であった。しかし戦後は、コマ収差を抑えられるようになり、同社のTコーティング・T*コーティングとともに高性能なレンズが作られるようになった。また[[一眼レフカメラ]]では、ライバルの[[ゾナー]]はバックフォーカスの短かさが構造上不利ということもあり、プラナーが看板レンズとなった。主に[[標準レンズ]]に採用され、一部大口径望遠レンズがある。
 
Sプラナー(''S-Planar'' )は特殊用途(独:''Sonder'' )であることを示し、その多くはいわゆるマクロレンズであり、後に一般向け製品はマクロプラナー(''Makro-Planar'' )に名称変更された。Sプラナーには[[ステッパー|半導体露光装置]]用や引き伸ばしレンズ、マイクロフィルム用レンズなども存在した。