「ガウスの消去法」の版間の差分

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同様のアルゴリズムは歴史的には[[前漢]]に[[九章算術]]で初めて記述された{{sfn|Schrijver|1998|p=38}}。連立一次方程式の解法以外にも[[行列]]の[[行列の階数|階数]]を求めること、[[行列式]]の計算あるいは、正則行列の[[逆行列]]の計算などに使われる{{sfn|コルテ|フィーゲン|2009|p=95}}{{sfn|Schrijver|1998|p=33}}。このアルゴリズムは、大きな方程式系を系統的な方法で小さな系へ分解する方法を与えるものと理解することができ<ref name=Ferziger>{{cite|和書 |title=コンピュータによる流体力学 |author=Joel H. Ferziger |author2=Milovan Peri&#x107; |translator=小林敏雄、谷口伸行、坪倉誠 |publisher=シュプリンガー・フェアラーク東京 |year=2003 |isbn=4-431-70842-1 |page=88}}</ref>、基本的には、前進消去と後退代入という2つのステップから成る。
 
行列に対して掃き出し法を行う為には、[[行列の基本変形|行に関する基本変形]]を行列に可能な限り繰り返し行って行列の左下部分の成分を全て 0 にする。行に関する基本変形には、1) 二つの行を入れ替えるもの、2) ある行を0でない定数倍するもの、3) ある行に、他のある行の定数倍を加えるもの、の三種類の操作あるいは変形があり、これらの変形を行うことで、常に行列は上三角型に変形することができ、実際には、ゼロでない成分を持つ行が、ゼロしか成分に持たない行よりも上に位置し、主成分(行最も左にある 0 でない成分のうち最も左にあるもの)が、その行の上にある行の主成分よりも、真に右側に位置する[[行階段形]]に変形される。
さらにすべての主成分が 1 になり、主成分を含む列にある主成分以外の成分が 0 であるとき、この行列は[[行階段形|行簡約階段形]]であると呼ばれる。この最終形は一意的であり、別の言葉で言えば、いかなる行基本変形が施されたかには依存しない。例えば、次の様な行基本変形の繰り返し(各ステップで複数の基本変形を行っている)で、三番目と四番目は共に行階段形であるが、最後の四番目が一意に定まる行簡約階段形である。