「インドの言語」の版間の差分

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→‎インドの言語の概観: シンド語はインドのみに限ると人口はそれほど多くない
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系統的に多様である一方、[[言語類型論]]的には、インド・アーリア語派の多くとドラヴィダ語族はともに SOV で、[[後置詞]]をもち、形容詞や名詞が修飾する名詞に先行するなど、類似した特徴を持っており、[[ジョーゼフ・グリーンバーグ]]はこれらの言語を日本語などとともに類型23に含めている<ref>{{cite book|author=Greenberg, Joseph H|chapter=Some Universals of Grammar|year=1966|origyear=1963|editor=Joseph H. Greenberg|title=Universals of Language|edition=2nd|publisher=The M.I.T. Press|isbn=0262570084|page=109}}</ref>。
 
[[ヒンディー語]]を筆頭に、[[ベンガル語]]、[[テルグ語]]、[[マラーティー語]]、[[タミル語]]、[[ウルドゥー語]]、[[グジャラート語]]、[[マラヤーラム語]]、[[カンナダ語]]、[[オリヤー語]]、[[パンジャーブ語]]、[[アッサム語]]、[[ビリー語]]、[[サンタル語]]、[[カシミール語]]、及び[[シンド語]]などが、比較的話者人口の多い言語である([[インドの公用語の一覧]])。ただし、シンド語やパンジャーブ語はパキスタンの方が人口が多い。[[ベンガル語]]は隣接する[[バングラデシュ]]の公用語でもある。[[ビハール語]]や[[ラージャスターン語]]は全体をひとつの言語とみなせば人口が多い。
 
ヒンディー語はインドの 18%の人々の[[母語]]であるが、他方、この言語を話す人口はおよそ 30%に達し、更にヒンディー語を十分理解できる人口は、それ以上の数に及ぶ。[[ウルドゥー語]]は[[インド]]の隣国[[パキスタン]]の「国(家)語」(公用語ではなく)でもある。言語学的には、ヒンディー語とウルドゥー語は同じ言語の2つの標準と言える。両者を含む名称として、しばしば[[ヒンドゥスターニー語]]という言葉を使う。ヒンディー語とウルドゥー語の違いは大きく2点ある。第一に、ヒンディー語がインド系の[[デーヴァナーガリー]]で表記されるのに対して、ウルドゥー語は[[アラビア文字]]系の[[ウルドゥー文字]]で表記される。第二に、ニュースや新聞などで公的な場面において、ヒンディー語が[[サンスクリット]]に由来する語彙を使うのに対して、ウルドゥー語は[[ペルシア語]]及び[[アラビア語]]起源の単語に多くの語彙を依拠している。もちろん英語起源の語彙も両言語ともに多く用いられる。この2つの言語の間における差異は、イギリスによる植民地統治から独立運動の時期にかけて高まった「ヒンドゥー」/「ムスリム」という対抗意識の中で政治的に作り上げられていった側面が色濃い。