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[[ファイル:Quark structure proton.svg|thumb|180px|クォーク模型による[[陽子]](バリオンの例)。[[色荷|色]]は一例。]]
[[ファイル:Quark structure pion.svg|thumb|160px<!--図の縮尺をあわせる-->|クォーク模型による[[パイ中間子]](中間子の例)。色は一例。]]
 
[[強い相互作用]]の基本理論である[[量子色力学]] (QCD) では、ハドロンは[[クォーク]](と反クォーク)と[[グルーオン]]によって構成される。
 
[[クォーク模型]]に従って、ハドロンの性質は主に''[[価クォーク]]''によって決定される<ref name="Quark model">
{{Cite journal
|author = C. Amsler ''et al.'' ([[Particle Data Group]])
|year = 2008
|title = Review of Particle Physics – Quark Model
|url = http://pdg.lbl.gov/2008/reviews/quarkmodrpp.pdf
|journal = [[Physics Letters B]]
|volume =667 667
|pages = 1
|doi = 10.1016/j.physletb.2008.07.018
}}</ref>。例えば、[[陽子]]は2つの[[アップクォーク]] ([[電荷]] + {{fracsfrac|2|3}}) および一つの[[ダウンクォーク]] (電荷 {{fracsfrac|1|3}}) によって構成される。これらを足し合わせると陽子の電荷 +1 が算出される。クォークは[[色荷]](カラー)も持つが、[[クォークの閉じ込め]]という現象のためハドロン全体としては色荷が0となる必要がある。すなわち、ハドロンは"無色"または"白"となる。最も簡単にこれを実現するには、3つそれぞれが色の異なるクォークを合成するか、あるカラーのクォークと対応する反カラーの[[反クォーク]]を合成すればよい。前者の構成のハドロンは[[バリオン]]、後者の構成のハドロンは[[中間子]]となる。
 
全ての[[亜原子粒子]]と同様に、ハドロンには[[量子数]]が割り当てられている。その一つは、[[ポアンカレ群]]の[[表現論|表現]]に対応する ''J<{{sup>|PC</sup>}}''(''m'') である。ここで、''J'' は[[スピン (物理学)|スピン]]量子数、''P'' は固有パリティ([[パリティ|Pパリティ]])、''C'' は荷電共役([[w:C-parity|Cパリティ]])、および ''m'' は粒子の[[質量]]である。ハドロンの質量はその価クォークにほとんど関係しておらず、むしろ[[E=mc2|質量とエネルギーの等価性]]により質量のほとんどは[[強い相互作用]]に関連する膨大なエネルギーの量から来ていることに注意が必要である。また、ハドロンは[[アイソスピン]]([[w:G parity|Gパリティ]])や[[ストレンジネス]]のような[[フレーバー量子数]]を持つ。全てのクォークは加法的な保存する[[バリオン数]] (''B'') と呼ばれる量子数を持つ。クォークは +{{fracsfrac|1|3}}、反クォークは −{{fracsfrac|1|3}} のバリオン数を持つ。これにより、クォーク3つからなるバリオンは ''B''&nbsp; =&nbsp; 1 で、クォークと反クォークからなる中間子は ''B''&nbsp; =&nbsp; 0 となる。
 
ハドロンは[[共鳴]]として知られる[[励起状態]]を持つ。各[[基底状態]]ハドロンはいくつかの励起状態を持つ。数百の共鳴が素粒子実験により観測されている。共鳴は、強い力を介して一瞬(約10<{{sup>|−24</sup>}} [[秒]]以内)にして崩壊する。
 
他の[[w:QCD matter|QCD物質]]の[[相 (物質)|相]]では、ハドロンは形成されないこともある。QCDの理論によると、例えば超高温や高圧では、クォークのフレーバーが十分に多くなければ、強い相互作用の[[結合定数 (物理学)|結合定数]]がエネルギーとともに減少するためクォークと[[グルーオン]]はハドロンの中に閉じ込めることができない。この性質は、[[漸近的自由性]]として知られ、1 [[GeV]] 〜 1 [[TeV]]のエネルギー範囲で実験的に確証されている<ref name="Bethke">
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:[[チャームクォーク]]の数 − 反チャームクォークの数
;[[ボトムネス]] ''B''
:反ボトムクォークの数 - [[ボトムクォーク]]の数(ボトムクォークの電荷との対応からボトムクォークに- &minus;1 のボトムネスを与えてある。)
;[[トップネス]] ''T''
:[[トップクォーク]]の数 − 反トップクォークの数
;[[バリオン数]] ''N''<{{sub>|B</sub>}}
:(クォークの数 − 反クォークの数) ÷ 3(3で割るのはバリオン全体で 1 にするためである。中間子では 0 となる。)
;[[超電荷]] ''Y''
:ストレンジネス + バリオン数