「砂の女」の版間の差分

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== あらすじ ==
昭和30年8月のある日、男(仁木順平)は休暇を利用し海岸に新種の[[ハンミョウ]]を採集するためにS駅に降り立ち、バス終点の[[砂丘]]の村に行った。そこで漁師らしい老人に、部落の中の或る民家に滞在するように勧められた。その家には[[寡婦]]が一人で住んでいた。女はおり、砂掻きに追われていた。村の家は一軒一軒砂丘に掘られた[[アリジゴク|蟻地獄]]の巣にも似た穴の底にあり、縄梯子でのみ地上と出入りできるようになっていた。一夜明けると縄梯子が村人によって取り外され、男は穴の下に閉じ込められた。そのことを悟った男は動転するが、砂を掻かずに逆らうと水が配給されなくなるため、女との同居生活をせざるを得なくなった。
 
村の家々は、常に砂を穴の外に運び出さない限りければ家が砂に埋もれてしまうため人手を欲していた。部落の内部では、村長が支配する[[社会主義]]に似た制度が採られ、物資は[[配給 (物資)|配給制]]となっていた。男は女と砂を掻きだす生活をしながら、さまざまな方法で脱出と抵抗を試み、やっと家から出た。しかし逃走中の砂地で溺れ死にそうになったところを、犬を連れ追ってきた村人らに救出された。男は再び女のいる家に吊り下ろされた。男は、あきらめに似た気持で穴の生活に慣れ、男は女と夫婦のように馴染んでいった。き、やがて溜水装置の研究が男の日課ともなった。冬が過ぎ、3月になり、女が妊娠した。その2か月後、女は[[子宮外妊娠]]で町の病院へ運ばれて行った。女が連れて行かれた後、縄梯子がそのままになっていた。しかし心には既に部落への連帯感が芽ばえていており、溜水装置の開発のことを村の者に話したい衝動が先に立っていた。男は、逃げる手立てはまたその翌日にでも考えればいいと思った。
 
7年後の昭和37年10月5日、仁木しの(男の妻)の申立てにより[[家庭裁判所]]が[[民法]]第30条に従い、行方不明の夫・仁木順平を[[失踪者]]として審判を下し、死亡の認定がなされた。
 
== 登場人物 ==