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ヤマメとしての食用、渓流釣り(遊漁用)種苗魚、降海後の捕獲を目的とした養殖と放流が行われている。孵化事業は1878年から北海道の河川を中心に行われていた、当時の放流方法は浮上した稚魚を餌を与えず短期間飼育する『無給餌放流法』で行われていたが、回帰数の増加には殆ど寄与しなかった<ref>[http://dx.doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.56.1095 サクラマス (Oncorhynchus masou)]日本農芸化学会誌 Vol. 56 (1982) No. 11 P 1095-1096</ref>。1960年代以降は浮上後の稚魚に餌を与える方法に移行し、現在では稚魚、幼魚、スモルトの3形態で放流が行われている<ref>{{PDFlink|[http://www.tsuritomo.net/dantai_news/sonota/sonota_2010/1_16_miyakoshi.pdf サクラマスの資源増殖と 放流効果の向上に向けて]}}</ref>。稚魚、幼魚での放流を行った場合、翌年春の降海までの河川生活期間中の自然消耗や遊漁捕獲により実際に降海する数が減少するため、放流数と回帰数の相関は少ない。一方、スモルト放流ではほぼ全ての個体が降海するため放流数と回帰数の相関は高いが、スモルト期まで約1年飼育するための施設と維持管理が必要となる。
 
河川残留型(陸封型)のヤマメやアマゴは渓流釣りの対象魚として人気が高く、各地で放流事業が盛んである。しかし、放流される個体は放流場所と異なる水系由来のものであることが多く、ヤマメ域にアマゴ、アマゴの分布域にヤマメが放流されるなど、両者は容易に交配してしまいヤマメとアマゴ中間的な魚発見されており<ref>[http://ryuiki.net/index.php?ca=3&sca=2&ssca=21 - 国内移入によるかく乱 -] </ref>、分布域は曖昧になりつつある。このことは、放流場所の[[個体群]]が持っていた遺伝的特徴を失わせてしまう[[遺伝子汚染]]の問題を引き起こしている(関連した話題は[[ヤマメ]]、[[メダカ]]を参照)。近年、富山県[[神通川]]では[[サツキマス]](アマゴ)との混血による魚体の小型化が報告されている<ref>[http://150.26.56.30/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=868&YEAR=2004 神通川で漁獲されたサクラマスの魚体の小型化は何故起こったのか?]</ref>。
 
===チリ共和国における養殖と放流===