削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
読みづらいところを少し書き改めました
11行目:
'''西方語'''(せいほうご、''Westron'')または'''共通語'''(きょうつうご、''Common Speech'')は、[[J・R・R・トールキン]]が開発した[[人工言語]]である。トールキンのファンタジー世界[[中つ国 (トールキン)|中つ国]]において、西方語は、少なくとも『[[指輪物語]]』の舞台となった時代で[[普遍言語]]に最も近いものである。''Westron''は、''West''に由来する英単語であり、この言語自体の語ではない。
 
西方語は、ヌーメノール人が中つ国大陸の西岸に交易前哨地と砦を築いたときの、そこの言語と[[ヌーメノール]]の言語[[アドゥーナイク]]と現地語との接触に由来している。アドゥーナイク自身基礎起源である[[エダイン]]の(主立った[[ベオル]]の一族と[[ハドル]]([[マラハ]])の一族の言語に(主に)密接に関連したそれらは速やかに理解されて、このようにそれは、ヌーメノール人たち自身と沿岸の民により比較的早く採用された。これら人々の大半は、たしかに[[エダイン]]に関連した親類であり、のちに[[ゴンドール]]と[[アルノール]]の人口の大半を形成した。
 
西方後はこれら初期の交易前哨地と砦から西方語は、[[エリアドール]]と、[[モルドール]]を除く(『[[ホビット冒険]]』と『[[指輪物語]]』の舞台となった)周辺地域に広まった。[[ロヴァニオン]]の民はこのときヌーメノール人と接触しなかったので彼ら固有の言語を保ったが、それにもかかわらず、西方語とからの言語は密接に関連していた。[[谷間の国 (トールキン)|谷間の国]]の民の祖先''グワイスリム''や[[白の山脈]]の民や[[野人 (トールキン)|野人]]のような関連しない言語を話す人々は、ヌーメノール人により退けられ、確かに頻繁にヌーメノールの敵になった。
 
西方語という用語は、原名'''アドゥーニ'''(''Adûni'')の訳として使われる。[[シンダール語]]でこの言語は、'''アンヌナイド'''(''Annúnaid''、西方語)または'''ファラスレン'''(''Falathren''、沿岸語)と呼ばれる。もう一つの名前「共通語」は、西方語の'''ソーヴァル・ファーレ'''(''Sôval Phârë'')の訳である。
 
『ホビットの冒険』と『指輪物語』において、西方語は、英語により完全に英語に翻訳されて示された。これは特定の重要な効果を持つ。まず第一に西方語の話者にとって幾分起源を持つ固有名は、効果を保つために翻訳された。このように'''バギンズ'''、'''袋枝道'''、'''ペレグリン'''、'''裂け谷'''などのような名前は、実際の名前で示されない。例えば、[[メリアドク・ブランディバック]]の実際の名前は、'''カリマク・ブランダガンバ'''(''Kalimac Brandagamba'')、略して'''カリ'''(''Kali''、愉快な、陽気なと言う意味)であったと考えられる。「メリアドク」の短縮名「メリー」(Merry)は、原名に含まれる陽気さへの言及を維持するよう設計されている。同様に[[ペレグリン・トゥック]]の実際の名前は、'''ラザヌア・トゥーク'''(''Razanur Tûk'')、略して'''ラザル'''(''Razar''、小さいリンゴの名前)であった。「ペレグリン」、略して「ピピン」(Pippin)は、実際のフルネームの意味(旅行者、変人)とリンゴという意味の両方を含んでいる。[[サムワイズ・ギャムジー| サム・ギャムジー]]は、実際に'''バナジール・ガルバシ'''(''Banazîr Galbasi '')の短縮名'''バン・ガルプシ'''(''Ban Galpsi'')から名づけられた。「本当の」ホビット名[[ビルボ・バギンズ|ビルボ]]の語尾も変えられた。西方語でこれは、'''ビルバ'''(''Bilba'')だったが、-aが西方語の男性語尾であるが、英語では-aは通常女性語尾であるため、トールキンはこれを-oに変えた。
 
地名その他の名称も原形から翻訳されて発表された。[[裂け谷]](シンダール語でイムラドリス、「裂けた谷」)は、実際は'''カルニングル'''(''Karningul'')と呼ばれ、[[袋小路]]は、[[バギンズ]]の実名'''ラビンギ'''(''Labingi'')から'''ラビン=ネク'''(''Labin-nec'')と呼ばれた。いくつかの場合、説明は非常に複雑になる。例えば、ブランディワイン川(シンダール語で[[ブランドゥイン]]、「黄金色の川」)は、実際は「境水」を意味する西方語の洒落、'''ブランダ=ニーン'''(''Branda-nîn'')と呼ばれ、それは後に「強いエール酒」を意味する'''ブラルダ=ヒーム'''(''Bralda-hîm'')と再び駄洒落が行われた。