「新性能電車」の版間の差分

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[[私鉄]]・[[地下鉄]]・[[路面電車]]においては、吊り掛け駆動車にも[[発電ブレーキ]]や[[回生ブレーキ]]を採用して高加減速を実現した車両があり、それらが必ずしも「低い性能」とはいえない一方で、[[営団2000形電車|営団1900形電車]]・[[西武601系電車]]の様に、モーターのみカルダン駆動である他は、制御装置・ブレーキ・補助電源等がことごとく旧型車そのものであり、性能がさして向上していないというケースもあるからである。
 
一方、[[京阪80電車]]や[[江ノ島電鉄1000形電車]]のように「'''つり掛け式でありながら性能的・機能的に初期のカルダン高性能車の多くを凌駕する性能の車両'''」<ref>ことに京阪80は[[碓氷峠]]に匹敵する66.7パーミルの急勾配区間を含む運用線区の特殊な使用条件もあったが、同時代に存在した「和製PCC車」と呼ばれるカルダン駆動方式を採用する日本の路面電車各形式のほぼ全てを上回る45kW級の複巻電動機を1両あたり4基搭載していた。これにより3.2km/h/sという高い加速性能を実現しつつ、弱め界磁制御との組み合わせによって高床の一般車と同じダイヤで急行・準急運転が可能な高速性能を合わせて実現した。さらに京阪本線用[[京阪2000系電車|2000系]]のシステムを発展させた主制御器には定速度制御機構が搭載されており、回生ブレーキを抑速・停止に常用、加えて空気ばね台車を装着するなど、この80は同時代の都市間高速電車でも採用例の少ない高度な機能を満載していた。</ref>の存在もあり、この為私鉄も含めてカルダン駆動方式と電気制動併用の電磁直通ブレーキ(または[[電気指令式ブレーキ]])を採用する車両を「新性能電車」と統一して定義する向きもある。もっとも、駆動方式やブレーキ、制御器などはそれぞれの使用条件に応じて適切に組み合わせて使用されるべきものである。例えば初期高性能車ではブレーキメーカー側の事情や在来車との併結の都合などからそのまま従来通りの[[自動空気ブレーキ]]に発電ブレーキを連動させた事例が各社で存在しており<ref>それらの多くは、ここで定義される「新性能電車」の大半と同等か、あるいはより高い加減速性能を実現していた。</ref>、また[[東武8000系電車|東武8000系]]は運用状況を勘案し、踏面ブレーキに摩擦係数の大きなレジンシューを用いることで発電ブレーキを省略しつつ所要の高減速性能を確保している。こうした事例を見る限り、この定義は合理的かつ適切な区分とは言い難い。
 
当初は全電動車方式による高性能電車を導入した私鉄においても、その後は大半が国鉄同様に経済性を配慮した設計に移行せざるを得なくなった<ref>もっとも、私鉄では1954年の[[東急5000系電車 (初代)|東急5000系(初代)]]や[[奈良電気鉄道デハボ1200形電車|奈良電鉄デハボ1200形]]など、実用化の最初期から付随車あるいは制御車の連結を前提として計画・設計された高性能車が少なからず存在し、逆に[[21世紀]]に入り、VVVF制御の下で大出力誘導電動機が利用可能となるまで加減速性能に対する要求の特に厳しい[[ジェットカー]]に限って、一部を除き全電動車方式で首尾一貫した阪神電気鉄道や、1970年代中盤まで本線系新造カルダン車を全て全電動車方式としていた名古屋鉄道、さらには一部の車両以外は全電動車式としていた京浜急行電鉄のように、経済性よりも加減速性能を優先させた会社も存在した。</ref>。1960年前後を境に、大都市圏の[[大手私鉄]]などでは大量輸送対策による車両の大量増備の必要性から、地方私鉄では[[モータリゼーション]]の高まりから、それぞれコストを意識した車両設計([[付随車]]増加、発電ブレーキ省略等)に転換している(例として、全電動車方式の[[小田急2200形電車|2200形]]から電動車・付随車同数の[[小田急2400形電車|2400形]]へ通勤形電車の生産を移行させた[[小田急電鉄]]などがあげられる)。なお、電動車比率の低下には、[[中空軸平行カルダン]]駆動装置の開発や[[WN駆動方式|WN継手]]の小型化によって狭軌でも比較的大出力のモーターを台車上架装することが可能になったという技術面の進歩も関係している。
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