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{{出典の明記|date=2015年
'''人身攻撃'''([[ラテン語]]: '''ad hominem'''、'''argumentum ad hominem''')とは、ある[[論証]]や事実の主張に対する応答として、その主張自体に具体的に反論するのではなく、それを主張した人の個性や信念を攻撃すること、またそのような論法。論点をすりかえる作用をもたらす。'''人格攻撃論法'''ともいわれる<ref>[https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/sogokyoiku3-05.pdf][[塩谷英一郎]]「言語学とクリティカル・シンキング-誤謬論を中心に」帝京大学総合教育センター論集,Vol.3(2011年度)</ref>。
「対人論証; ''ad hominem abusive''」と呼ばれるものは、提案者の信用を失わせる目的で[[個人攻撃]]を行う場合を指す。また、「状況対人論証; ''ad hominem circumstantial''」と呼ばれるものは、提案者の置かれている状況について攻撃するもの、「お前だって論法; ''ad hominem tu quoque''」と呼ばれるものは、論証の提案者自身がその論証で非難されているような行動や振る舞いをしていると攻撃するものである。
人身攻撃は、論理的には論証の前提の真偽はそれを述べている人とは独立しているので、[[演繹]]的には妥当ではない。しかし、人身攻撃は[[三段論法]]的に述べられることは滅多に無く、その評価は[[非形式論理]]の領域と[[証拠]]の理論で行われるべきものである<ref name="one">{{Cite web |url=
人身攻撃は、[[権威に訴える論証]]の逆である。権威に訴える論証では、論証者の権威、知識、地位などがその論証の真偽の基礎となる。人身攻撃は逆に、論証者が主張する権威/知識/地位を持っていないことを攻撃したり、論証者が過去に同様な誤りを犯したことに注目させる。しかし、それが[[無謬]]の反論とはならない。
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== 論理学的な例 ==
人身攻撃の誤謬は、論証自体の[[健全性]]に対して反論するのではなく、その論証を行った人の信頼性や権威を問題とすることで、論証自体が間違っているとか、その人がそのような論証をすることが間違いであると主張するものである。それによって、相手の主張やその個人の論証能力に疑いを向けさせる。理性的な会話の中で単に相手を侮辱することは、(褒められたことではないが)必ずしも人身攻撃を構成しない。人身攻撃の目的は、議論の相手をおとしめ、その主張を第三者が割り引いて考えるように仕向けることである。一般には、人身攻撃と単純な[[個人攻撃]]や[[誹謗中傷]]は必ずしも区別されない。しかし、論理学や修辞学では「人身攻撃」という言葉はこれまで述べたような意味を持っている<ref name="two">{{Cite web |url=
'''例''':
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状況対人論証とは、ある主張をした人物が、そのような主張をせざるを得ないような状況にあることを指摘するものである。基本的にその人物に関する偏見を植え付ける攻撃である。演繹的論理においてこれが誤謬とされるのは、相手の立場を指摘してその主張を論理的にも信頼できないように思わせたとしても、主張自体の論理性には何ら関係ないためである。これは、[[発生論の誤謬]](出典を理由に主張が正しくないとする論証)とも重複する。
一方で、ある立場の人物が権威や個人的観測に基づいて主張を納得させようとした場合、当人の立場の性質によっては、その根拠の証拠としての能力はゼロにまで減らさせることもある<ref name="four">{{Cite web |url=
'''例''':
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*{{Cite book|author=Copi, Irving M. and Cohen, Carl|title=Introduction to Logic|edition=8th|year=1990|location=New York|publisher=Macmillan USA|pages=97-100|isbn=9780023250354|}}
*{{cite book|last=Hurley|first=Patrick|title=A Concise Introduction to Logic, Seventh Edition|publisher=Wadsworth, a division of Thompson Learning|date=2000年|pages=125-128, 182 | isbn=0534520065}}
*{{Cite journal|和書|author=塩谷英一郎|title=言語学とクリティカル・シンキング-誤謬論を中心に|date=2011-03-20|publisher=帝京大学総合教育センター|journal=帝京大学総合教育センター論集|volume=3|pages=79-98|url=
== 外部リンク ==
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