「可変バルブ機構」の版間の差分

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:* 長所 - 排気量を変化させることができ、出力を抑えることで、必要とされる出力が小さい時には燃費的に有利である。
:* 短所 - 停止中の振動や、停止時の出力変化などが問題とされる。
:* 採用例 - [[キャデラック]]への採用が初とされる。日本初は初代[[三菱・ランサー#ランサーフィオーレ|ランサーフィオーレ]]などに採用されたMDエンジン([[三菱・4G1型エンジン#G12B(4G12)|G12B]])である。
 
=== 複数カム切り替えタイプ(カム形状可変型) ===
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:低回転時に4バルブエンジンにおける片側のバルブを閉じ、高回転では両バルブを開き、さらに2種類のカムを使い分ける。
:* 短所 - 出力に段差ができてしまう。
:* 採用例 - ホンダの[[VTEC|3ステージVTEC]]、三菱の[[三菱・シリウスDASH3×2|シリウスDASH3×2]]に採用された。
 
; カム切り替え・気筒休止型(タイミング可変・リフト可変)
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:ロッカーアームのレバー比を変化させることで、バルブリフト・作用角を連続的に変化させる。リフトを変えると自動的に位相(中心角)が変化するタイプ(三菱MIVEC)と、可変バルブリフト機構とは別に可変バルブタイミング機構を組み合わせることで最適なバルブタイミングを実現するタイプとがある。
:* 長所 - スロットルバルブの代わりに吸気量制御を行うことで、ポンピングロスの低減に伴う燃費向上を実現できる。リフト量を小さくするとカム作用角(バルブ開角度)も小さくなる。可変バルブタイミング機構を持つものは、バルブリフトと共にバルブタイミングも自由に変化させることができる。
:* 短所 - 構造が複雑で、動弁系の重量が大きくなる。BMWの[[直列6気筒]]の[[ガソリン直噴エンジン|ガソリン直噴]][[ツインターボ]]エンジンでは、[[インジェクタ]]が邪魔になり採用されなかった。
:* 採用例 - [[BMW]]・バルブトロニック、[[日産自動車|日産]]・[[VVEL]]、トヨタ・[[バルブマチック]]、三菱・新型MIVEC(現時点では日本市場向け専用となる[[三菱・4J1型エンジン|4J1型エンジン]]に採用)
 
=== カム+油圧+電子制御・操作 ===
[[フィアット]][[アルファロメオ]]は「マルチエア(Multiair)」「ツインエア(Twinair)」、部品供給元のシェフラーグループは「ユニエアー(UniAir)」と呼ぶ<ref>[http://www.schaeffler.jp/content.schaeffler.jp/ja/branches/automotive/engine_systems/product_range/mot3300/mot3360/mot_3360.jsp Schaeffler Japan Co., Ltd. |分野/主要産業 |UniAir] シェフラージャパン UniAir紹介ページ</ref>可変バルブ機構である。<br>
これは、カムから油圧を使って吸気バルブを開くようにした可変バルブタイミング機構である。カムで駆動する油圧ポンプと、バルブを押す油圧アクチュエーターの間に電磁式のリリーフバルブを設けることでバルブを開く圧力を調整し、バルブ作動を制御する。バルブを開く油圧が供給されていないときは、バルブはバルブスプリングによって閉じる構造になっている。マルチエア・ツインエアはSOHC形式をとっているためカムシャフトは油圧を発生しつつ直接もしくはローラーフォロワーを介して排気バルブを駆動する形となる。ただしUniAirの機構自体はDOHCでも利用可能である。
 
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最初の実用的なバルブリフトを変化させる可変バルブタイミング機構は[[フィアット]]によって開発された。''Giovanni Torazza''により1970年代に開発されたシステムは、カムフォロワーの支点を油圧で変えるものだった。油圧はエンジンの回転数と吸気圧によって変えられた。<!--The typical opening variation was 37%.-->
 
* [[アルファロメオ]]が、位相可変型の可変バルブ機構を採用。
* [[1982年]]に[[三菱自動車工業|三菱]]が、カム切り替えによる[[気筒休止エンジン]]を採用。
* [[1984年]]に三菱が、カム切り替えによる[[三菱・シリウスDASH3×2|シリウスDASH3×2]]を採用。
* [[1986年]]に[[日産自動車|日産]]が、段階的位相可変型の[[NVCS]]を採用。
* [[1989年]]にホンダが、カム切り替えによる[[VTEC]]を[[ホンダ・インテグラ|インテグラ]]に採用<ref>[http://www.honda.co.jp/tech/auto/engine/vtec/ Honda Technology VTEC] より</ref>。
* [[1995年]]に[[トヨタ自動車|トヨタ]]が、連続位相可変型の[[VVT-i]]を採用。
* [[1999年]]にトヨタが、連続位相可変型とカム切り替えを組み合わせた[[VVT-i|VVTL-i]]を採用。
* [[2001年]]にBMWが、連続リフト量可変型の[[バルブトロニック]]を採用。