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[[ファイル:MB_190E.JPG|200px|thumb|right|W201 (初期型)]]
'''メルセデス・ベンツ W201'''( ''Mercedes-Benz W201'' )は、[[ダイムラー・ベンツ]](当時)が製造・販売していた[[乗用車]]である。190、190クラス、190シリーズ等の名称で販売・展開され、また燃料噴射装置付きのガソリンモデルが販売の主体だった日本では190Eの名前でも広く通用する。
 
== 概要 ==
1982年にメルセデス・ベンツ初のDセグメントとして発表され、後継の[[メルセデス・ベンツ Cクラス|Cクラス]]が登場する1993年まで12年に渡って生産された。W201が登場する以前のメルセデス・ベンツではEセグメントの[[メルセデス・ベンツ W123|W123]]がコンパクト・クラスと呼称されていたが、より小さなW201の登場に伴いW123はミディアム・クラスと改められた。車体の大きさは日本の5ナンバーサイズに収まる小ささだが、上位モデル同様に質実剛健な設計がなされており、安全性能も見劣りしない。また新設計の足回りに加え、コスワースヘッドのエンジンを積んだモデルの投入やDTM参戦のためのホモロゲーションモデルの市販により、従来のメルセデス・ベンツにはないスポーティーな印象も与えた。
 
=== 名称について ===
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=== 日本仕様 ===
日本への正規輸入は[[1985年]]である。[[バブル景気|バブル]]期と相まって(並行車も含め)大量に輸入販売され、街に氾濫したことや排気量によってはメルセデス初の5ナンバーであることも相まって、[[BMW・3シリーズ|BMW3シリーズ(E30系)]]の「六本木の[[トヨタ・カローラ|カローラ]]」同様、「'''小ベンツ'''(こべんつ)」「赤坂の[[日産・サニー|サニー]]」と揶揄された。それでも当時の日本では5ナンバーと3ナンバーとの税金の差は相当のものがありベンツの普及にかなり貢献した車種でもあった。導入されたのはガソリンのインジェクション仕様の触媒付きとディーゼル仕様で、本国等で設定があったキャブレター仕様や触媒なしの仕様は導入されていない。変速機は4速ATを基本としていたが190Eや190E 2.3-16などでは5速MTも導入された。日本に正規輸入されるMT仕様のメルセデス・ベンツはこの190Eで一度途絶え、2013年に輸入開始された[[メルセデス・ベンツ SLKクラス#3代目(2011年-)R172|SLK200ブルーエフィシェンシーMT]]まで21年にわたって、日本仕様のメルセデス・ベンツは全車がATとされた。ホモロゲーションモデルに関しては1989年にエボリューションが、1990年にエボリューション2が日本にも導入されたが、前者の正規輸入は3台に留まり、後者はそれよりも多い台数が導入されている。
 
== 日本における年表 ==
* 1985年 - デビューから2年以上を要してようやく発売。当初から右ハンドル仕様も用意された。価格は535万円。
* 1986年 - 若干ギア比を変更、常用パターンにおいての加速が改善された。南[[イタリア]]の[[ナルド・サーキット]]に於いて5万キロを平均247.939km/hで走行した2.3-16が発売。直列5気筒[[ディーゼルエンジン]]を搭載した190D 2.5を発売、190E同様5ナンバーである。ダイムラー/ベンツ1号車から100年を記念して特別仕様車を発売。
* 1987年 - 直列6気筒エンジンを搭載した190E 2.6を発売、熱対策のためか後期型のバンパーをいち早く採用していた。190Eに装備を簡略化したアンファング、高級化したコンプレットが加わり、アンファングは日本では[[教習車]]のベース車両として使われた。火薬法が改正され、ようやく[[エアバッグ]]の認可が下りた。特別仕様車190Eエアバッグ・スペシャルを発売。
* 1988年 - マイナーチェンジ。ボディサイドに[[ブルーノ・サッコ#サッコプレート|サッコプレート]]と通称されるプロテクトパネルが装着され、前後バンパーもデザインが変更された。また、フロントシート形状を改良し、リアレッグスペースを拡大している。2.3-16を[[ドイツツーリングカー選手権]]に投入。これに伴い2.3-16は排気量を拡大し2.5-16へ発展、2.3時代には選択できたマニュアルトランスミッション車が日本仕様から外された。
* 1989年 - 190E 2.6に右ハンドル車を用意。190Eおよび190E 2.6にスポーツライン登場、スポーツシートやリアスポイラーが装備された。
* 1990年 - 直列4気筒SOHCエンジンを搭載した190E 2.3を発売、右ハンドルのみの設定。190D 2.5ターボを発売、左ハンドルのみの設定。190D 2.5は右ハンドルのみの設定となった。
<!--* 1991年
: 最強の190Eである190E 2.5-16エボリューションIIを販売。-->
* 1992年 - アルミホイールのデザイン変更。細かいところではドアミラーがカラードに。エアバッグやパワーシートが全車に標準装備された。
<!--*: 190E 2.5-16エボリューションIIがドイツツーリングカー選手権で総合優勝。-->
 
== 車種 ==
=== カタログモデル(正規輸入車のみ) ===
* 190E (1985年~1993年)
*: 全長4,420mm、全福1,680mm、車両重量1,180kg、[[直列4気筒]]SOHCエンジン、ボア×ストロークφ89.0×80.2mmの1,995cc、圧縮比9.1、最高出力115PS/5,100rpm、最大トルク16.8kgm/4,000rpm。
*:日本マーケットでは、いわゆる5ナンバー枠に収まる扱い易い高級輸入車として登場。当時の輸入販売元ヤナセが企画した特別仕様車が多数が存在する。
 
* 190E 2.3 (1990年~1993年)
*: 直列4気筒SOHCエンジン、ボア×ストロークφ95.5×80.2mmの2,297cc、圧縮比9.0、135PS/5,100rpm、20.6kgm/3,500rpm。
*:欧州では1986年の時点から販売されていた。
 
* 190E 2.3-16 (1986年~1988年)
*: 直列4気筒DOHCエンジン、ボア×ストロークφ95.5×80.2mmの2,297cc、圧縮比9.7、175PS/5,800rpm、22.9kgm/4,750rpm。
*: メルセデス製M102エンジンをベースに、レーシングエンジンの名門[[コスワース]]が開発を請け負った2.3L 16バルブエンジンを搭載する。[[ドイツツーリングカー選手権|ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)]]へのホモロゲーション取得を目的に開発された[[スポーツセダン]]で、DTMにエントリーし優勝を飾った他、ナルドテストコースで世界速度記録を樹立など、メルセデスのスポーツイメージを向上させた。通常モデルより車高が低められ、よりハードなサスペンションを備える。メルセデスの乗用車としては初めて外装にも手を加え、本格的なエアロパーツを纏っており、これまでのメルセデスのイメージを一新させた。レースでの活躍もあって、かつてのシルバーアロー復活を印象付けるカラーリングも注目を集めた。
 
* 190E 2.5-16 (1988年~1993年)
*: 直列4気筒DOHCエンジン、ボア×ストロークφ95.5×87.2mmの2,498cc、圧縮比9.7、200PS/6,750rpm、24.5kgm/5,000rpm。
*: ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)のレギュレーション変更に合わせて、190E 2.3-16の2.3Lエンジンを2.5Lにボアアップさせたモデル。
 
* 190E 2.6 (1987年~1993年)
*: [[直列6気筒]]SOHCエンジン、ボア×ストロークφ82.9×80.2mmの2,597cc、圧縮比9.2、165PS/5,800rpm、23.0kgm/4,600rpm。
*: 190シリーズ唯一の直列6気筒エンジン搭載車。
*: 「開発段階で[[BMW]]の6気筒を意識したのでは?」と実しやかに喧伝される程、それまでのメルセデスの6気筒エンジンとは異なった回転フィーリングを持つ新世代の6気筒エンジンであった。
 
* 190D 2.5 (1986年~1993年)
*: [[直列5気筒]]SOHCディーゼルエンジン、ボア×ストロークφ87.0×84.0mmの2,496cc、圧縮比22.0、90PS/4,600rpm、15.7kgm/2,800rpm。
*: 本国のディーゼルは2リッター4気筒も存在するが、日本においてはこれがベーシックモデルである。
*: メルセデス・ベンツ日本の販売戦略のため、190Eよりも低い価格で販売されていた。
 
* 190D 2.5ターボ (1990年~1993年)
*: 直列5気筒SOHCディーゼルターボエンジン、ボア×ストロークφ87.0×84.0mmの2,496cc、圧縮比22.0、125PS/4,600rpm、23.5kgm/2,400rpm。
*: 日本及び北米向けに企画されたモデルで欧州圏では販売されていない。
*: W124の300Dターボと並びガソリン車顔負けの俊足ディーゼルであった。
 
=== AMG(正規輸入車のみ) ===
* AMG 190E 2.0 (1987年~)
*: 直列4気筒SOHCエンジン、馬力ボア×ストロークφ89×80.2mmの1,995cc、圧縮比9.4、141PS/5,750rpm、19.1kgm/4,500rpm。
 
* AMG 190E 3.2 (1987年~)
*: 直列6気筒SOHCエンジン、ボア×ストロークφ90.5×84mmの3,242cc、圧縮比10.3、234PS/5,750rpm、32.3kgm/4,500rpm。
*: ドイツ本国ではどのような仕様にするか如何様にも選択できたが、AMGジャパンが輸入した日本仕様はATのみ。AMGチューンのエンジン以外には、補強されたボディ、ザックス製サスペンション、ウッドパーツを多用した内装を備えた。レカロ製シート等の多彩なオプションが用意されていた。
*: 190E 3.2は3.2Lの6気筒エンジンを小型のW201に搭載するにあたり改造点が多く、コスト高であった。日本では、より大型のW124ボディの300E 3.2とほぼ同価格であったため、輸入された台数が少ない。
 
== エボリューションモデル ==
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== 関連項目 ==
* [[メルセデス・ベンツ]]
* [[メルセデス・ベンツ Cクラス]]
* [[BMW・3シリーズ]]
 
== 参考文献 ==
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*『ジャーマン・カーズ』 2009年8月号『夢のSUPERドイツ車ファイル』
 
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[[Category:セダン]]
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