「対物レンズ」の版間の差分

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*フルオール(''Fluor'' )は蛍光顕微鏡で用いられ、波長がおよそ340nmまでの[[紫外線]]の透過率を確保しているものである(ただし各社によって名前の付け方と内容が異なる場合があるので注意が必要)。
 
[[像面湾曲収差]]を補正したものはレンズの名前にPlan(プラン)と付いていてPlanApo、PlanFluorなどと表記されている。像の平坦性が良い。開口数は乾燥系対物レンズでは1未満であるが油浸や水浸対物レンズでは1を超えたものがあり、[[分解能]]や[[集光力]]が高い。
 
[[日本工業規格|JIS]]では鏡筒の長さ(ここでいう鏡筒の長さとは光学的鏡筒長であって、実際の長さではない。大昔は実寸法であった)を生物顕微鏡で160mm、工業顕微鏡で210mmと決めていたが、最近はメーカー毎に無限遠鏡筒長の光学系が採用されている。無限遠光学系の利点は対物レンズより出射された光は像を結ばない平行光であるため、拡張性を高くすることが出来る。
 
== 望遠鏡の対物レンズ ==
望遠鏡の対物レンズにも[[色収差]]の補正の度合いにより[[アクロマート]]、[[アポクロマート]]などの種類がある。単純な構成では、凸レンズと凹レンズを組み合わせたアクロマートレンズが用いられる。さらに視野の周辺までほぼ理想の光学系になるように、前群レンズと後群レンズを用いて収差補正された対物レンズもある。この方式ではF値(後述)が小さく、明るい光学系が構成できる。
 
対物レンズの有効[[口径]]は、[[分解能]]や[[集光力]]を左右する重要な要素である。対物レンズの[[焦点距離]]を口径で割った比を口径比といい、像の明るさを左右する。[[F値]]ともいう。ただし、眼視で空中像を観測するのであればF値の大小と像の明るさはほとんど関係ない。一般にF値の大きな対物レンズのほうが、諸収差の補正を行いやすい。望遠鏡の倍率は、対物レンズの焦点距離を[[アイピース]]の焦点距離で割った商で求められる。