「断熱材」の版間の差分

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施工の項に、いろいろな事がゴタ混ぜで書いてあったので、部分的に整理。
断片的な情報は特記事項の項に移動。建築学に限る内容は、その他の項と分離。エアロゲルなどは住宅では使わないので建築には含めない
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また[[真空]]中では熱放射のみが起こり熱伝導や対流が発生しない事から、魔法瓶は内層と外層との空間を真空近くに陰圧した二重構造になっており、これにより伝導と対流による熱伝達を防ぐ一方、真空側の面を[[鏡|鏡面]]にして放射を反射することにより断熱効果を高めている。
 
== 建材としての断熱材の種類 ==
住宅建築における、一般的に使用されるタイプの断熱材(カッコ内は特徴)
=== 繊維系断熱材 ===
* [[グラスウール]](最安価、耐熱性、吸音性)
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* [[真空断熱材]] (高価。非常に断熱性は高いが、破れると断熱性が維持できないため維持・施工に難点。0.0050W/mK(24℃)を達成した製品もある<ref>[http://panasonic.co.jp/appliance/environment/eco_h1804.html 高性能、高機能真空断熱材(Panasonic)]</ref>。)
 
== 建材としての断熱材 ==
また、住宅用断熱材は断熱性能によってAからEまで分類される。
A:0.052-0.046、B:0.045-0.041、C:0.040-0.035、D:0.034-0.029、E0.028以下。(単位W/mK(24.0℃))
 
これらは主として気泡を含む[[樹脂]]の種類によって区別されている。封入されるガスは炭化水素系のものが多い。しかし、このガスが最近、[[オゾン層破壊]] [[地球温暖化]]などの問題で制限されてきている。また、難燃剤を混ぜたものは、リサイクルしにくいという問題もある。
 
===施工===
断熱は、断熱材料の熱抵抗値にばかり目を奪われがちだが、実際には隙間なく施工されなければ、計算通りの性能にはならない。住宅建築においては、クラスウール・ロックウールは日本では伝統的に大工が施工するケースがほとんどであり、隙間なく施工できるかどうかは大工次第である。また施工時にタッカーを打ちやすいように耳付の袋に入ったものが日本では主に流通しているが、袋入りのものは施工後に隙間を確認しにくいため、断熱・気密にシビアな北海道や、海外では袋入りの断熱材はほとんど流通していない。[[樹脂]]系のものは工場で発泡させてボード状の既製品したものを現場で取り付けるものと、現場で発泡させながら吹き付けるものとがある。後者は専門機械が必要となるため、専門の業者による施工がほとんどであり、施工方法としては隙間なく施工しやすい。しかしこの方法は、発泡温度の関係から[[ウレタンフォーム]]にしか用いることはできない。セルロースファイバーも、専門の業者による吹込みの施工となる。
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===断熱の部位===
建築分野では、断熱材を躯体の内側に設けるか、外側に設けるかによって[[内断熱]]、[[外断熱]]に区別される。かつては、風雨に対して対抗性の強い断熱材が無かったため、内断熱が常識だったが、外断熱にすると構造体も外気の急激な温度変化から保護されることになり、金属製構造体の結露を回避することが出来るメリットがある。また躯体によって断熱材が分断されないというメリットもあるため断熱欠損の面でも有利となる。しかし、逆に考えると、外断熱は構造体まで暖め(冷やさ)なくては室内環境を快適に出来ないという弱点もある。そのため、内断熱と外断熱は一長一短があり、建物用途によって使い分けるべきものである。また、高層建築物においては断熱材の剥離などに配慮する必要がある。[[表面結露]]を抑えるために断熱を行うことがあるが、断熱による内外の温度差から空気中の水分が断熱材表面で[[内部結露]]しやすくなる。これを防ぐためには[[防湿層]]を断熱材より内側に丁寧に施工することが必要である。内部結露を起こしたり、水にぬれた場合の劣化を防ぐために防水加工された断熱材が使われることもある。防湿層は断熱材の暖かい側に付加するのが普通である。すなわち、暖房された家の場合は防湿層は暖かい内部と断熱材の間に入れられる。また暑い気候の地域での[[エア・コンディショナー|エアコン]]付きの家では防湿層が外部にあり、その内側に断熱材がある。
 
かつて断熱材として耐久性(耐火性もある)に優れる[[石綿|アスベスト]]がよく使われていたが、人体への影響(健康被害)が問題視された1980年代頃から使用されなくなっている。ただ、既存建造物にはまだ多く利用されており、これの解体による処理も、大きな社会問題となっている。([[石綿]]の項を参照)
 
=== 建築構造の断熱化 ===
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世界的にも似たような方法で断熱を行っている建築物もあり、いわゆる「屋根裏」と呼ばれるデッドスペースも断熱効果を目指した空間であるが、このデッドスペース有効活用を目指して[[屋根裏部屋]]を設けると、同室内は非常な酷暑や暖房効果の低さに見舞われる事があり、屋根裏部屋を活用するタイプの現代日本住宅では、屋根構造に断熱材を組み込むことで、これを改善しようと言う動きも見られる。
 
== 特記事項 ==
また、* 住宅用断熱材は断熱性能によってAからEまで分類される。A:0.052-0.046、B:0.045-0.041、C:0.040-0.035、D:0.034-0.029、E0.028以下。(単位W/mK(24.0℃))
これらは主として気* 発を含む[[樹脂]]種類断熱材よって区別されている。封入されるガスは炭化水素系のものが多い。しかし、このガスが最近、[[オゾン層破壊]] [[地球温暖化]]などの問題で制限されてきている。また、難燃剤を混ぜたものは、リサイクルしにくいという問題もある。
* かつて断熱材として耐久性(耐火性もある)に優れる[[石綿|アスベスト]]がよく使われていたが、人体への影響(健康被害)が問題視された1980年代頃から使用されなくなっている。ただ、既存建造物にはまだ多く利用されており、これの解体による処理も、大きな社会問題となっている。([[石綿]]の項を参照)
 
== 関連項目 ==