「境界性パーソナリティ障害」の版間の差分

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{{Infobox Disease
| Name = 境界性パーソナリティ障害
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境界性パーソナリティ障害の[[抑うつ]]には特有の構造が見られ、それは見捨てられることに関連する特殊な感情反応に由来している。憤怒、空虚感、絶望、寄る辺のない不安、孤立無援感、抑うつ、自暴自棄の感情といった[[マーガレット・マーラー]]が「見捨てられに関連する黙示録の七人の騎士」<ref group="注">[[マーガレット・マーラー]]は境界性パーソナリティ障害に特有の見捨てられに関連する破壊的な感情について、聖書の災厄をもたらす[[ヨハネの黙示録の四騎士]]になぞらえてこのように呼んだ。</ref>と呼んだ破壊的な感情である<ref>{{cite journal |author=Mahler, M. |title=A study of the separation-individuation process and its possible application to borderline phenomena in the psychoanalytic situation |journal=Psychoanalytic Study of the Child |volume=26 |pages=403–424 |year=1972 |doi= |url= }}</ref><ref>[[#市橋秀夫 (2006) |市橋秀夫 (2006a) ]] pp. 30 - 31.</ref>。境界性パーソナリティ障害にはこれらの抑うつの嵐が次々と、あるいは一挙に襲ってくるという特殊な構造が見られ、「穴に吸い込まれる」「落ち込む」と表現される深い抑うつの波は伝統的な[[うつ病]]([[内因性うつ病]])の姿とは異なるものである。
 
[[ジョン・ボウルビィ]]の研究によると、母に置き去りにされた子どもは周囲を探索し、いないとわかると淋しくなり、悲しくなり、不安になり、しくしくと泣き始める。それでも帰って来ないと恨みと怒りから大声で泣き出し、やがて泣き止むが、最後には孤立無援感、空虚感、寄る辺のない不安から遂には無感動気力状態に陥るという<ref>[[#J・ボウルビィ (1991) |J・ボウルビィ (1991) ]]</ref>。境界性パーソナリティ障害に共通する感情は、こうした見捨てられるということによって生じる感情体験そのものであり、これら言語成立以前に端を発する衝動が、[[過食]]、[[性的逸脱]]、[[リストカット]]、[[過剰服薬]]、[[アルコール依存]]などの行動化として表現される<ref>[[#市橋秀夫 (1997) |市橋秀夫 (1997) ]] pp. 204 - 206.</ref>。
 
=== 精神病症状 ===