「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」の版間の差分

'''大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件'''（おおさかちけん とくそうぶしゅにんけんじ しょうこかいざんじけん）とは、[[2010年]]（[[平成]]22年）[[9月21日]]に、[[大阪地方検察庁]][[特別捜査部]]所属で、[[障害者郵便制度悪用事件]]担当主任[[検事]]であった[[前田恒彦]]が、証拠物件の[[フロッピーディスク]]を[[改竄]]したとして[[犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪|証拠隠滅]]の容疑で、同年[[10月1日]]には、当時の上司であった大阪地検元特捜部長・[[大坪弘道]]及び元副部長・[[佐賀元明]]が、主任検事の前田による故意の証拠の改竄を知りながら、これを隠したとして[[犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪|犯人隠避]]の容疑で、それぞれ[[逮捕]]された事件である<ref>{{Cite[http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100921/crm1009212102033-n1.htm news|title=【押収資料改竄】証拠隠滅容疑で大阪地検特捜部主任検事を逮捕 郵便不正事件で|newspaper=] 産経新聞|date=|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100921/crm1009212102033-n1.htm|accessdate= 2010-09-21}}{{リンク切れ|date=2015年109月}}21日閲覧</ref>。

2010年（[[平成22年]]）[[9月10日]]、[[障害者郵便制度悪用事件]]で、[[大阪地方裁判所]]が[[厚生労働省]]元局長・[[村木厚子]]に[[無罪]]判決を言い渡した。

その後、同年9月21日に[[朝日新聞]]は、被告人のひとりが作成したとされる障害者団体証明書に関し、重要な証拠が改ざんされた疑いがあることを朝刊で[[スクープ]]した<ref group="注釈">『権力 VS.調査報道』に調査担当記者への詳細インタビューあり。</ref>。

その記事の内容は、大阪地検特捜部が、2009年5月26日に同事件の被告人のひとりである厚労省[[社会・援護局]][[障害保健福祉部]]企画課元係長のフロッピーディスクごと元データを[[差押]]していたが、その後、重要な証拠である同データの[[タイムスタンプ|作成日時]]について、「6月1日未明」（5月31日深夜）から（6月上旬に指示を受けたという捜査見通しに合致する）「6月8日」に書き換えられていた、というものである<ref>[http://www.asahi.com/special/kaizangiwaku/ 特集・地検改ざん疑惑] 朝日新聞</ref><ref>{{Citecite news |title=郵便不正事件、検事が押収データを改ざんした疑い |newspaper=読売新聞 |date=2010-09-21 |url=http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100921-OYO1T00704.htm|archiveurl=http://web.archive.org/20100924030920/osaka.yomiuri.co.jp/news/20100921-OYO1T00704.htm|archivedate=2010-09-24}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。

検察は朝日新聞が報道する前日から調査をしていたが、9月21日になって、[[最高検察庁]]が[[証拠偽造罪]]の疑いで直接[[捜査]]を開始した<ref>{{Citecite news |title=郵便不正事件：「非常におそろしい」弁護側が徹底解明要求 |newspaper=毎日新聞 |date=2010-09-21 |url=http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100921k0000e040043000c.html|archiveurl=https://archive.is/ri8w|archivedate=2012-07-10}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。最高検[[刑事部]]所属の部長を含めた4人の検事のうち、[[大阪高等検察庁]]を担当する最高検検事・長谷川充弘<ref group="注釈">[[鳥取地方検察庁]]検事正や東京地方検察庁特捜部副部長を歴任</ref>が、大阪地方検察庁検事事務取扱に任じられて本事件の主任検事となり、東京高等検察庁や東京地方検察庁の検事7人のチームで捜査を担当した。同日夜に[[犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪|証拠隠滅]]の容疑で元主任検事を逮捕し、自宅及び大阪地方検察庁の執務室の[[捜索]]を行った<ref>{{Cite news|title=主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕|newspaper=TBS|date=|url=[http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4532090.html|accessdate= 主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕(TBS Newsi)2010-09-年9月21}}日閲覧]{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。

検察捜査について地方検察庁から報告を受けて了承や指示をすることが原則の上級庁（最高検察庁・高等検察庁）が身柄拘束をした上で直接捜査をすることは極めて異例である<ref group="注釈">過去に上級庁が身柄拘束をした上で直接捜査を担当した例としては、東京高等検察庁が1957年の[[売春汚職事件]]で「2人の代議士を収賄容疑で召喚」と誤報した読売新聞記者を名誉毀損罪で逮捕・取調べをしたことがある。</refRef>。

同日、最高検では、[[次長検事]]・伊藤鉄男、最高検刑事部長・[[池上政幸]]及び最高検刑事部検事・八木宏幸<ref group="注釈">[[福井地方検察庁]]検事正や[[東京地方検察庁]]特捜部長を歴任</ref>が、また大阪地検では[[検察官#検察官の職名|次席検事]]・大島忠郁がそれぞれ会見を開いて陳謝するとともに、検察の信頼回復に努める旨のコメントを発表した<ref>{{Citecite news |title=最高検「検察の信頼回復に努める」…検事逮捕 |newspaper=読売新聞 |date=2010-09-21 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T01037.htm|archiveurl=http://web.archive.org/20100923043120/www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T01037.htm|archivedate=2010-09-23}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。一方、事件当時大阪地方検察庁特捜部長を務め、[[被疑者|容疑者]]である元主任検事の上司だった[[京都地方検察庁]]次席検事は、最高検の本件への対応について、「むごいことをする。本人の話も聞かずにいきなり逮捕した」とし「やりすぎ」と批判し、自己の刑事責任を否定するとともに元主任検事を擁護した<ref>毎日新聞 9web9月23日(木)21時23分</ref>。

9月27日には[[三井環]]（元大阪高検公安部長）が、大阪高検[[検察官#検察官の職名|次席検事]]・[[玉井英章]]ら当時の大阪地検検事正・次席検事・特捜部長・特捜部副部長、計4人を、[[犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪|犯人隠避]]の罪で大林検事総長・[[大林宏 (検察官)|大林宏]]に告発した<ref>{{Citecite news |title=元高検部長が検事正ら４人告発　犯人隠避容疑で |newspaper=共同通信 |date=2010-09-27 |url=http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010092701000413.html |accessdate=2011-12-16}}</ref>。

最高検察庁も、最高検公判部長・吉田統宏<ref group="注釈">岐阜地検検事正などを歴任</ref>及び最高検総務部長・伊丹俊彦<ref group="注釈">金沢地検検事正などを歴任</ref>を主任に任じ、9月28日までに、当時の特捜部長及び特捜部副部長を、犯人隠避容疑で捜査を開始。同日、大阪地検検事正及び前次席検事も、聴取を受けた<ref>[[東京新聞 ]]2010年9月28日 13時56分</ref>。

その後10月1日の夜に、大阪地検元特捜部長・[[大坪弘道]]<ref group="注釈">大阪地検特捜部長の後、京都地検次席検事。逮捕の１時間前に大阪高検総務部付に異動</ref>及び佐賀大阪地検元特捜部副部長・[[佐賀元明]]<ref group="注釈">大阪地検特捜部副部長の後、神戸地検特別刑事部長。逮捕の1１時間前に大阪高検総務部付に異動。</ref>が、犯人隠避容疑で逮捕された。大阪地検公判部長・[[谷岡賀美]]も、「証拠が改ざんされた疑いがある」との報告を受けつつ、公判を続けていたとして、本件の[[参考人]]として最高検から聴取を受けたが、犯人隠避への関与はなかったとして、起訴等の刑事処分はされなかった<ref>2010/10/18 日本経済新聞 2010年10月18日</ref>。

2010年1月27日、村木厚労省元局長・村木厚子の初公判において障害者団体証明書の作成日時が問題となった。これに関する大阪地検の対応については、当初次のように説明されていた。

{{quotation|同僚の検事が主任検事に問い合わせたところ、フロッピーディスクの書換があったと言われたため、これを告げられた公判担当検事が、同僚2名とともに、1月30日に副部長に公表するよう訴えた。2月1日には、副部長が部長に相談。部長の指示で副部長は主任検事に問い合わせたが、「過失だった」と言われたために、以後の調査を見送った<ref>『読売新聞』2010年9月24日朝刊 、1面、35面。</ref>。

同地検の検事正や大阪高検刑事部長にも報告が上がったが、大阪高検検事長に報告は上がらず、地検としても何らアクションを取らず問題を放置していたものである<ref>{{Cite news|title=同僚に“書き換えた可能性”|newspaper=NHK|date=2010-09-22|url=}}（[http://web.archive.org/20100925075121/www3.nhk.or.jp/news/html/20100922/t10014144491000.html 記事のア同僚に“書き換えた可能性”]NHK総合「NHKニューカイブ]）ス7」 2010年9月22日放送{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref><ref>{{Citecite news |title=FD日付改ざん組織的隠ぺいか 地検幹部に報告 逮捕の検事 |newspaper=共同通信 |date=2010-09-22 |url=http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010092201000101.html |accessdate=2011-12-16}}</ref>。}}

しかし、報道によれば、当初は故意を否認していた元主任検事が、2010年9月24日に供述を転じ、故意に書き換えを行ったと[[自白]]した<ref>{{cite news |title=（元主任検事）前田検事、故意の改ざん認める　最高検調べ、供述一転 |newspaper=朝日新聞 |date=2010-09-23 |url=http://www.asahi.com/special/kaizangiwaku/TKY201009230376.html |accessdate=2011-12-16}}</ref>とされる。

当時の大阪地検特捜部長<ref group="注釈">この事件の発覚時は京都地検次席検事</ref>や、同特捜部副部長<ref group="注釈">この事件の発覚時は神戸地検特別刑事部長</ref>らは、9月23日以降、連日のように、東京の最高検で、[[参考人]]として任意聴取を受けた<ref>産経新聞 2010年.9月.23日2時0分 02:00、2010/09/23 01:59 【共同通信 2010年9月23日1時59分】</ref>。逮捕前の取材に対し、元特捜部長は、部下の主任検事が故意にデータを書き換えたとは思っていなかったとし、その後も、一貫して過失と判断したと主張しているとされる<ref name="asahi20101002">朝日新聞 、2010年10月2日、東京版朝刊 、1,39面。</ref>。しかし、最高検は、故意の改ざんと知りながら隠した疑いがあるとして、10月1日当時の特捜部長及び副部長を犯人隠避の容疑で逮捕した<ref name="asahi20101002" />。

その後の報道によれば、元主任検事は、上記2010年1月の元局長の初公判後に、副部長（いずれも当時）に改ざんを告白したとされ、そのときに「ここはすべて任せろ」といわれ、その後、過失と主張するように指示されたという<ref>朝日新聞 、2010年10月3日、東京版朝刊 、1面。</ref>。また、副部長は部長にも経緯を報告し、データの書き換えはコピーを対象とした遊びのつもりであったものであり、また、「捜査報告書」には正しい日時が記録されているので、書き換えたとしても問題ない、という弁解を考え、2月初めに、2人でこれに沿った上申書を元主任検事に作らせたと、最高検は見ているという<ref>朝日新聞 、2010年10月4日、東京版朝刊 、1面。</ref>。

また、最高検は、同年12月24日に検証結果を発表したが、そこでは、特捜部に組織的病理もあったとされる。元主任検事は、上司の特捜部長から、「政治家はできなくても、せめて局長までは立件を」「これが君の使命だ」と求められ、また、大阪高検検事長ら幹部から「局長の部下の独断での犯行は考えられない」などと言われてプレッシャーを感じ、一人で抱え込んでいたとされる<ref>朝日新聞 、2010年12月15日、東京版朝刊 、1面。</ref><ref name="asahi20101225">朝日新聞 、2010年12月25日、東京版朝刊 、1面、35面。</ref>。また、特捜部長は、検事が立件に消極的な意見を述べると「特捜から出て行ってもらう」など叱責していたという。ただし、この発表時点でも、特捜部長、副部長は関与を否定し、「最高検の描いたストーリー」と批判しているという<ref name="asahi20101225" />。

*2010年10月11日、最高検察庁は、元主任検事・[[前田恒彦]]について、大阪地方裁判所に証拠隠滅の罪で起訴。

*2011年4月12日に、大阪地裁は懲役1年6ヶ月の実刑判決を言い渡した。元主任検事前田恒彦は控訴せず、実刑が確定した。

*2011年9月12日、に初公判が開かれ、両名は資料改ざん・犯人隠避の事実を否認。

*同年12月15日の[[論告]]において、検察官は懲役1年6月を求刑した<ref>{{Citecite news |title=大阪地検犯人隠避、元部長らに懲役1年6月求刑 |newspaper=読売新聞 |date=2011-12-15 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111215-OYT1T00399.htm |accessdate=2011-12-16}}</ref>。

*2012年3月30日、元特捜部長・元副部長にそれぞれ懲役1年6月・執行猶予3年の有罪判決が言い渡された<ref>{{Cite news|title=元特捜部長らに有罪判決 大阪地裁|newspaper=産経新聞|date=|url=[http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120330/waf12033013160021-n1.htm|accessdate= 元特捜部長らに有罪判決 大阪地裁] 産経新聞 2012-03-年3月30}}日閲覧</ref>。

*2013年9月25日、元特捜部長・元副部長の控訴が棄却された<ref name="kikyaku">{{Cite newsweb|url=http://www.asahi.com/national/update/0925/OSK201309250038.html?ref=com_top6_1st|title=元特捜部長ら二審も有罪　ＦＤ改ざん事件、大阪高裁判決|newspaperwork=朝日新聞asahi.com|date=2013-09-25|url=http://www.asahi.com/national/update/0925/OSK201309250038.html?ref=com_top6_1st|accessdate=2013-09-25}}{{リンク切れ|date=2015年10月}}</ref>。

*大阪地検検事・[[前田恒彦]]（10月11日付け）

*大阪高検検事・[[大坪弘道]]<ref group="注釈">大阪地検特捜部長の後、京都地検次席検事。逮捕の1１時間前に大阪高検総務部付に異動</ref>（10月21日付け）

*大阪高検検事・[[佐賀元明]]<ref group="注釈">大阪地検特捜部副部長の後、神戸地検特別刑事部長。逮捕の1１時間前に大阪高検総務部付に異動</ref>（10月21日付け）

*大阪高検次席検事・[[玉井英章]]<ref group="注釈">前職は大阪地検次席検事</ref> - 　[[減給]]6ヶ月、100分の10

*大阪地検検事正・[[小林敬 (検察官)|小林敬]] - 　減給4ヶ月、100分の10

*福岡高検検事長・三浦正晴<ref group="注釈">前職は大阪地検検事正</ref> - 　減給1ヶ月、100分の10<ref group="注釈">検事長の職は、内閣が人事権を持つため、減給100分の10の処分の内閣への伝達を行った。</ref>

*大阪地検検事・[[國井弘樹]] - 　減給1ヶ月、100分の10　

*京都地検検事正・太田茂<ref group="注釈">前職は大阪高検次席検事</ref>

*次長検事 - ・伊藤鉄男　大臣訓令に基づく検事総長[[訓告]]

上記の処分を受け、福岡高検検事長の三浦、大阪地検検事正の小林、大阪高検次席検事の玉井の3人が依願退官し、大林検事総長・[[大林宏 (検察官)|大林宏]]も、柳田法務大臣・柳田稔から「検察の信頼は地に墜ちた。信頼回復に向けてリーダーシップを発揮してほしい」と口頭での注意を受け、その後謝罪会見を開き<ref>読売新聞 2010年10月21日16時28分 読売新聞</ref>、12月に辞任した。

同年11月には、減給処分を受けた國井大阪地検検事・國井弘樹が捜査現場から外され、法務省[[法務総合研究所]]教官に、障害者郵便制度悪用事件当時の大阪地検特捜部副部長で、名古屋地検特捜部長の田中素子が大阪地検交通部長に、改ざん報告を受けながら公判を継続した谷岡大阪地検公判部長の[[谷岡賀美]]が大阪高検検事に、それぞれ異動となり、体制の刷新が図られた<ref>佐賀新聞 2010年11月404日、産経新聞 2010年.11月.4日</ref>。

2010年10月には、大阪地検検事・國井弘樹が、証拠の改ざんを打ち明けられたのに放置していたことについて、市民からの申し出を受け、[[検察官適格審査会]]の審査にかけられた。2013年3月12日に不適格とは認められないと議決して、國井の不罷免が決定された。また、市民からの申し出があった他4人の現職検事を審査にかけないことを決定した。

9月21日には、[[朝鮮総連本部ビル売却問題]]で逮捕された[[緒方重威]]の弁護団（[[落合洋司]]弁護士ら）が、逮捕された検事及び当時の東京地方検察庁特捜部副部長を、当該事件公判における[[偽証罪]]で、10月にも告発する旨を表明した<ref>{{Cite[http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010092100972 news|title=検事を刑事告発へ＝朝鮮総連事件で偽証の疑い|newspaper=]時事通信|date=2010-09-年9月21|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010092100972}}日{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref><ref>{{cite news |title=朝鮮総連巡る事件で「虚偽証言」、（元主任検事）前田検事を刑事告発へ |newspaper=朝日新聞 |date=2010-09-22 |url=http://www.asahi.com/national/update/0922/TKY201009220253.html}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。

一方、村木厚労省元局長・村木厚子が無罪と知っていながら不当に逮捕し、その無罪の証拠たり得るフロッピーディスクを改ざんして、160日以上に及ぶ拘束を続けたことに対して、[[証拠隠滅罪]]による起訴は不当に軽く、特別[[公務員職権濫用罪]]で立件するべきであるという弁護士・[[弘中惇一郎]]や元検事で弁護士の[[郷原信郎]]の主張を受ける形で、11月1日、市民団体「[[健全な法治国家のために声をあげる市民の会]]」（代表・[[八木啓代]]<ref>「[http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-537.html 謎が謎を呼ぶ、この展開] 」（八木啓代のひとりごと 2010年11月5日）</ref>）が、元主任検事を特別公務員職権濫用罪で刑事告発した<ref>[http://qc.sanpal.co.jp/info/1071/ 告発状全文] （[[救援連絡センター]]ブログ）</ref><ref>[http://shiminnokai.net/kokuhatsu.html 2010年11月1日　刑事告発を行い、11月3日付で受理されました] 同市民の会公式サイト 2010年11月11日</ref><ref>[http://www.ustream.tv/recorded/10575659 101101健全な法治国家のために声を上げる市民の会_インタビュー] （[[Ustream]]動画42分13秒）</ref>。

最高検は、郵便不正検証の報告書を公表した2010年12月24日、同時に不起訴処分とし、公表した<ref>{{Citecite news |title=障害者郵便割引不正：証拠改ざん 職権乱用の容疑、元検事不起訴に |newspaper=毎日新聞 |date=2010-12-25 |url=http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101225ddm041040097000c.html|archiveurl=https://archive.is/S0QL|archivedate=2012-07-11}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref><ref>（12月24日付不起訴の）[http://twitpic.com/3jcymf 処分通知書]（Twipic, posted by [http://twitpic.com/photos/nobuyoyagi nobuyoyagi] 2010年12月25日）</ref>。

なお、村木元局長は12月27日、違法な逮捕・起訴で精神的苦痛を受けたなどとして、国と前特捜部長、元主任検事、元局長の部下だった厚労省元係長を取り調べた検事の3人に対する国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こした<ref>{{Citecite news |title=郵便不正事件で無罪の村木さん、国家賠償を提訴 |newspaper=読売新聞 |date=2010-12-27 |url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101227-OYT1T00852.htm|archiveurl=http://web.archive.org/20101230180953/www.yomiuri.co.jp/national/news/20101227-OYT1T00852.htm|archivedate=2010-12-30}}{{リンク切れ|date=2011年9月}}</ref>。''詳しくは、[[障害者郵便制度悪用事件#民事訴訟]]を参照のこと。''

* [http://www.asahi.com/special/kaizangiwaku/ ニュース特集：地検改ざん疑惑] - 朝日新聞（アサヒコム）

* [http://www.jiji.com/jc/v2?id=muraki 特集：厚労省元局長、無罪確定] - （時事通信）

** {{Citecite news |title=「元副部長が改ざん告白受けた」＝改ざん隠蔽で元部下証言－大阪地裁 |newspaper=時事通信 |date=2011-09-15 |url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011091500065 |accessdate=2011-09-16}}