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ひとまずこれで立項。千夜一夜物語への言及など、記述の足りないところがありますので、数日後に少し加筆します。
 
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== 北極圏の磁石の山伝説 ==
磁石、および磁石で擦った鉄は南北方向を指す。この事実を記した最古の文献は、宋の[[沈]]が[[1088年]]ごろに書いた『夢渓筆談』である<ref>[[#山本1(2003)|山本1(2003)]] pp.179,187-188</ref>。ヨーロッパでは、12世紀末には磁石で擦られた鉄が航海で使われていた<ref>[[#山本1(2003)|山本1(2003)]] pp.186</ref><ref>[[#山本2(2003)|山本2(2003)]] p.380</ref>。
 
そして大航海時代に入る頃になると、磁石の山があるとされる場所は、インド周辺から北極圏へと移動した<ref name="yamamoto378">[[#山本2(2003)|山本2(2003)]] p.378</ref>。たとえばヨハン・ルイシュによって[[1508年]]に作られた世界地図では、北極圏に磁石の山が描かれ、「そこでは羅針儀は役に立たず、鉄製の船は戻ることができない」と記されている<ref name="yamamoto378"/><ref>[[#織田(1998)|織田(1998)]] p.282</ref>。さらにルイシュの地図には、磁石の山に向かって沈み込むような海流が描かれている。磁石の山の近くで海流が渦巻いている描写や記述は他の著者の作品にも見られる。これは、古くから知られていた船の難所である[[ロフォーテン諸島]]の[[渦潮]]が元になっていると考えられ、渦潮が船を引き寄せることと、磁石が鉄を引き寄せることが結びついたのではないかと推測されている<ref>[[#織田(1998)|織田(1998)]] pp.282-283,293-294</ref>。