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== パーシャルアゴニスト ==
受容体を活性化するアゴニストの中にも、活性化度が生体分子に比べて非常に低く、作用するものの作用があまりにも弱い、と言うような薬剤も存在する。このようなアゴニストを'''パーシャルアゴニスト'''、または'''部分作動薬'''と言う<ref>[http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%B4%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%88 『薬学用語解説』2009.1.16 改訂、日本薬学会公式サイト](2009年9月13日閲覧)。</ref>。パーシャルアゴニストは受容体にプラスに働きながらも、本来のリガンドの結合を阻害してしまう(すでにこのパーシャルアゴニストが作用している)ため、結果として抑制の方向に働いてしまう事がある。このように、アゴニストとアンタゴニストの区別は、必ずしも容易ではない。
 
医療の分野で実際に応用されているパーシャルアゴニストの例を示す。
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: [[オピオイド]]のパーシャルアゴニストは弱オピオイドといわれ、依存性がアゴニストに比べて少ないことから、急性期疾患の鎮痛薬としてよく用いられる。アゴニスト使用時はパーシャルアゴニストとしての作用抑制効果が出現するため、併用禁忌とされている。あくまで、アゴニスト使用時にパーシャルアゴニストを使用すると薬効がアゴニスト使用時とパーシャルアゴニスト使用時の中間程度になるというだけの話である。[[レミフェンタニル]]の術後疼痛対策で弱オピオイドを用いたり、人工呼吸器下の患者で鎮痛に弱オピオイドを用いて、その鎮痛効果がきれるまえに術中鎮痛としてオピオイドを使用するといったことはよくある。
; ベンゾジアゼピン系睡眠薬
: [[ベンゾジアゼピン系]]睡眠薬にはパーシャルアゴニストが知られている。ゾピクロン(アモバン)やゾルピデム(マイスリー)といった非ベンゾジアゼピン系睡眠薬がこれらに該当する。これらはω1ω<sub>1</sub>には作用するものの、ω2ω<sub>2</sub>には作用しないため鎮静作用が殆どで、抗不安作用、抗けいれん作用、筋弛緩作用は弱くなっている。これらはパーシャルアゴニストと記載する書物も認められるが、どちらかというと選択的アゴニストと考えられる。
; 抗精神病薬
: アリピプラゾール(エビリファイ)などが[[ーパミン受容体|ドーパミンD<sub>2</sub>受容体]]のパーシャルアゴニストである。副作用が出現しにくいと考えられている。
; エストロゲン
: ラロキシフェン(エビスタ)は[[エストロゲン]]受容体に対するパーシャルアゴニストである。骨代謝ではエストロゲンアゴニスト、骨外ではアンタゴニストとして作用するため、副作用の少ない[[骨粗鬆症]]の治療薬として用いられている。