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'''戦闘ストレス反応'''(せんとうストレスはんのう、英語:combat stress reaction, CSR)とは一般に[[戦闘]]によってもたらされる発症する心理的な反応をいう因性疾患。戦争後遺症、シェルショック、戦闘疲労とも呼ぶ。医学的には[[心的外傷後ストレス障害]](Posttraumatic stress disorder:PTSD)に該当する<ref name="sakura">[http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?%C0%EF%C1%E8%BF%C0%B7%D0%BE%C9 航空軍事用語辞典 - 戦争神経症]</ref>
 
==研究史==
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[[朝鮮戦争]]では従来のような戦闘ストレス反応による損耗は減少し、精神病的損害(psychiatric casualities)という名称で戦闘ストレス反応に関連する症状を示す兵士が評価されるのが通例となった。しかし研究の焦点は戦闘行動によって示す古典的な戦闘ストレス反応から新しく後遺症に移ることになる。
 
[[1980年代]]にかけて[[ベトナム戦争]]からの帰還兵が[[社会復帰]]後に深刻な心理的障害を示すことがアメリカ精神医学会で研究されるようになり、これは[[心的外傷後ストレス障害]](post traumatic stress disorder, PTSD)と命名された。
 
==ストレス症状・要因==
戦闘ストレス障害の基本的な症状としては[[攻撃行動]]の衝動、[[アルコール依存]]、[[薬物依存]]、[[セックス依存]]、強い[[不安]]、無感動、疲労感、飲食障害、集中力低下、[[記憶障害]]、[[鬱]]、[[嘔吐]]、自己嫌悪、[[言語障害]]、現実逃避などが挙げられる<ref name="sakura"></ref>。そのストレッサーとなる要因は環境的要因、生理的要因、精神的要因、軍事的要因、人格的要因に大別できる。
 
*環境的要因には気温、気象、湿度、騒音、また[[核兵器]]や[[生物兵器|生物]]・[[化学兵器]]による汚染などがある。
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*人格的要因には健康上の心配、経済的問題、心的外傷、人格的傾向などがある。
これらのストレッサーの中でどれが重要な要素となるかは陸海空軍の軍種、また個々の兵士の職種や職域、部隊の錬度や文化によっても異なってくる。
 
罹患者の耐性は平均を大きく下回る場合が多く、ほとんど影響を受けない者もまれにいるが、基本的に発症は時間の問題であり、根本的に発症を予防するには、長期間に渡って前線に配置し続けない事と定期的戦場から退避させ、安全な場所で十分な休暇を与える事以外にない。[[第2次世界大戦]]中の[[ノルマンディー上陸作戦]]時の連合国軍の統計では、1人の兵士が戦闘任務に耐え得る期間は20~50日程度とされる。短期的には一時的な精神の失調症状が主で、多くは休養をとることで回復するが、回復後半年以上経過してからの再発例もある<ref name="sakura"></ref>。
 
==戦闘効率性との関係==