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== 各国の違い ==
===日本と中国、ベトナムでの日付の違い===
中国暦は[[天体]]の運行を元にしており、朔や[[中気]]がどの日に起こるかで、[[月 (暦)|月]]の始まりや月名を決める。これらの天文現象が観測されるのは世界同時だが、時差により、世界中で同じ日ではない。それにより、旧正月が国によって違うことがある。
 
たとえば、2007年の雨水の直前の朔が起こったとき、日本([[日本標準時]]、[[UTC+9]])や中国([[中国標準時]]、[[UTC+8]])ではもう2月18日だったが、ベトナム([[ベトナム標準時]]、[[UTC+7]])ではまだ2月17日だった。そのため、日本の旧正月や中国の春節は2月18日、ベトナムのテトは2月17日となった。
 
このようなずれは、時差1時間あたり、平均して24年に1度ある。21世紀前半では、中国とベトナムの間では2007年と2030年、中国と日本の間では2027年と2028年に起こり、東側の国の旧正月が西側の国より1日遅れる。
 
ごく希なことではあるが、旧正月が約1[[朔望月]](29日 - 30日)ずれることもある。これは、朔の前24時間以内に中気が起こるときにありうる。月名の決定を朔の瞬間と中気の瞬間の比較で考えるとこのようなことはありえないが、正確には朔の瞬間ではなく「朔日の0時」と中気の比較である。観測場所によって「朔日の0時」に時差があるため、中気が朔と同じ日なのかあるいは前の日(すなわち前の月の[[晦日]])なのか異なる場合があり、月名がずれることになる。
 
さらに、日本と他国の間では、中国の旧暦である[[時憲暦]](正確には1811年の修正以前の置閏法の時憲暦)と日本の旧暦である[[天保暦]](1811年に修正された後の時憲暦の置閏法を導入して作られた。)との間の[[置閏法]]の違いが月のずれを引き起こすことがありうる。なお、天保暦(及び1811年に修正された後の時憲暦)の置閏法に欠陥があり、さらに日本では旧暦の公的管理がなされていないため、2034年、[[2148年]]、[[2224年]]等の日本の旧正月は日付を決定するのが困難である。([[旧暦2033年問題]]参照)(中国においては祝日である春節を決定するために旧暦の公的管理がなされている。)
 
日本とベトナムとモンゴル以外は、現地の標準時にかかわらず旧暦の計算に中国標準時を使っていて、暦法も同じなので、旧正月は常に一致する。
 
=== 日本の旧正月 ===
沖縄県(名護市、糸満市など漁師町が特に顕著)、南西諸島を除く日本の旧正月は、一部の神社の祭典や寺での行事が残っているのを除いて特に話題に上ることは少ない<!--(他に一部の地方の[[町]]・[[村]]の行事と[[祭り]]を含めて)-->。しかし、マスメディアで時々報道されるため、日本でも旧正月という言葉自体は残っている。
 
[[杉浦明平]]の『海の見える村の一年』(岩波新書、1960年)は、著者が住んでいた[[愛知県]][[渥美郡]][[福江町]](現[[田原市]])の記録であるが、その中に、今年から正月の行事を新暦で行うようになったという記述があるので、1950年代には、地方によっては旧正月で行事を行っていた地域もあったと考えられる。
 
===モンゴルの旧正月===
モンゴルでは、[[モンゴル暦]]の年初であるツァガーンサルが国の祝日となっている。モンゴル暦は、[[インド]]の暦に起源を持つ[[チベット]]の太陰太陽暦である[[時輪暦]]の一種で、[[チベット仏教|ラマ教(チベット仏教)]]の宗教行事などに使われている。
 
ツァガーンサルの日付は宗教的に決定され、前年に発表される。中国などの春節と一致する年も多いが、しばしば1日または1朔望月ずれる。常に朔日というわけではなく、少しずれることがある。
 
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*2008年2月7日
 
===正教会の旧正月===
[[正教会]]のうち、[[ロシア正教会]]、[[エルサレム総主教庁]]、[[グルジア正教会]]、[[セルビア正教会]]、[[アトス山]]などは1月14日を正月として祝う。
 
これらの教会が採用している[[ユリウス暦]]は現行の[[グレゴリオ暦]]と現在13日の乖離があり、ユリウス暦の元日に相当する日付は西暦2100年まではグレゴリオ暦の1月14日である。この正月も日本では旧正月と呼ばれる。