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[[ファイル:Herons et roseaux Suzuki.jpg|thumb|鷺と葦([[鈴木春信]]・画、18世紀)]]
=== 利用 ===
まっすぐに伸びる茎は木化し、[[竹]]ほどではないにせよ材として活用できる。古くから様々な形で利用され、親しまれた。日本では[[稲刈り]]の後に[[芦刈]]が行われ、各地の風物詩となっていた。軽くて丈夫な棒としてさまざまに用いられ、特に葦の茎で作った[[すだれ]]は葦簀(よしず)と呼ばれる。また、屋根材としても最適で[[茅葺]]民家の葺き替えに現在でも使われている。なお、神社の儀式で用いる「たいまつ」は、ヒデ(松の木の芯)とヨシを一緒に束ねたものを使用する場合が一般的である<ref>『神社有職故実』46頁昭和26年7月15日神社本庁発行。</ref>。

[[日本神話]]では[[ヒルコ]]が葦舟で流される。最近では、葦舟の製作も[[市民活動]]として行われるようになってきている。ちなみに、南米で葦舟といわれるのは、この葦ではなく、[[カヤツリグサ科]]の[[フトイ]]の仲間を、古代エジプトにおいては同じく[[カヤツリグサ科]]の[[パピルス]]を使っている。
 
葦の茎は竹同様に中空なので、[[笛]]として加工するにもよく、[[葦笛]]というのがある。西洋の[[パンフルート]]は、長さの異なる葦笛を並べたものである。[[ギリシャ神話]]においては、妖精シュリンクスが牧神パンに追われて葦に身を変えたところ、風を受けて音がなったため牧神パンによって笛に変えられたという逸話から、その名が付けられている。古代中国における楽器、[[簫]](しょう)も同じ系統である。また、[[篳篥]]の「舌」としても活用される。