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m →‎結晶格子: 筆者の独自意見と思われる記述をコメントアウトした。
m →‎結晶格子: ベクトル表記などの半角英字の間隔が狭く読みにくいので空白を追加した。
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<!--(結晶格子では意味が曖昧すぎると思われる.英語ページには"crystal lattice"などという用語はない).-->
 
[[実空間]]において基本並進ベクトル '''a'''<sub>1</sub>, '''a'''<sub>2</sub>, '''a'''<sub>3</sub>より、実格子ベクトル '''R'''<sub>n</sub> は、
 
<math> \mathbf{R}_n=n_1 \mathbf{a}_1 + n_2 \mathbf{a}_2 + n_3 \mathbf{a}_3 </math>
 
で表される。ここで、n = (n<sub>1</sub>, n<sub>2</sub>, n<sub>3</sub>) は任意の整数の組である。'''a'''<sub>1</sub>, '''a'''<sub>2</sub>, '''a'''<sub>3</sub> が作る平行六面体が単位格子(=(すなわち[[単位胞]])であり、この単位格子を3次元的に繰り返し並べたものが結晶である。そしてこの結晶を形作る格子が'''結晶格子'''であり、実格子ベクトル '''R'''<sub>n</sub> の終点が格子点である。
実格子ベクトル'''R'''<sub>n</sub>の終点が格子点(実格子点とはあまり言わない)である。
 
===結晶系・ブラベー格子===
[[File:2d-bravais.svg|400px300px|right|thumb|2次元ブラベー格子。黒線で囲まれたものが単純格子の単位胞。1:斜交 (oblique) 格子, 2: 長方 (rectangular)格子, 3: 面心長方(centered rectangular)格子, 4: 六方(hexagonal)格子, 5: 正方 (square) 格子。3は図に記載された条件に加え<math>2\mathbf{a}_2-\mathbf{a}_1\perp \mathbf{a}_1</math>をみたす。]]
結晶系は「必須の対称性」を定めることで、以下の7つの結晶系に分類される。次に、結晶格子を対称性により分類することを考える。[[単位胞]]の中にちょうど一つの原子を含むものを単純 (primitive) 格子と呼ぶが、結晶格子の対称性を考える上では、右図の3のように同じ結晶であっても単位胞に複数の原子を含むように記述したほうが見通しがよくなる場合がある。そこで、このようなときのために、単純格子と、その単位胞の中心や単位胞の面の中心に原子を配置してできる格子を考える。このよう格子は3次元の場合 7 (対称性) × 4 (単純・底心・面心・体心) 種類あるが、このなより小さな単位胞を使って記述しても単位胞の対称性を損なわないものをのぞくと14種類になる。このような14種類を (3次元) '''ブラべー格子''' (Bravais Lattice) と呼ぶ<ref name="ibach">{{cite book |title=Solid-State Physics|first1=Harald|last1=Ibach|first2=Hans|last2=Lüth|year=2003|origyear=1981|publisher=Springer|isbn=3-540-43870-X|chapter=2 Structure of solid matter}} (日本語訳版 {{cite book |和書|title=固体物理学|author1=H.イバッハ|author2=H.リュート|isbn=978-4621061404}}) </ref>
<ref>http://pmsl.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~seto/class/V/supplement2-1.pdf)</ref>.
<!-- ブラベー格子はあくまで単純格子と、単純格子を対称変換について閉じるように格子を切りなおしたものなので、すべての結晶格子を記述できるわけではない。しかし、すべての結晶格子は並進対称性をもっているので、いくつかのブラベー格子の組み合わせとして記述できる。{{要出典}}-->
{|class=wikitable
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===副格子===
結晶格子を構成する原子または分子の中で、同じ性質や状態を持つもの同士が形成する部分的な格子のこと(この意味で部分格子とも言う)である。従って、種類の異なる原子、分子からなる副格子も定義可能である。
 
副格子の例としては、[[反強磁性]]体での上向きスピンを持つ原子と、下向きスピンを持つ原子が、それぞれ副格子を形成している。他に[[フェリ磁性]]体などのような磁気構造を持つ場合に副格子が存在する。勿論、磁性以外の性質、状態に関しての副格子も存在する。[[超格子]]構造でも副格子が重要な意味を持つ。