「ピラミッド」の版間の差分

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ピラミッド建設に必要な石材は主にナイル上流のアスワン付近で産出し、石切場で切り出された後、粗加工した状態で搬送されたと考えられる。それらの石は一定の規格寸法があったわけではなく、現場で必要な寸法に合わせて専門の職人が[[鑿]]で整形していた。
 
従来、石材を積み上げるにあたっては、日乾し煉瓦と土などで作業用の傾斜路が作られ、その斜面を運び上げられたと考えられてきた。施工面積を最小限に抑えるために(傾斜はかなりのものとなる)、ピラミッドを取り巻くように築かれ、4辺で[[直角]]に転回しながら石を運び上げていったものと考えられていた。また、長大な一本道が使われていたという説もあった(この方法だと、各ピラミッドの傾斜路がナイル川から石材を降ろして運び上げるのに丁度良い位置に来る、という研究もある)。しかし、どちらにしても数トンもの石をただの傾斜路で引き上げることができるという説明(引っ張り上げることの困難さ、石が自重で傾斜路を破壊する可能性など)はなされていない。それゆえフランス人建築家ジャン・ピエール・ウーダンは、傾斜路を使用したのは途中までで、それ以降はピラミッドのふちに沿って螺旋状の内部トンネルを造りながら石材を運んだとする「内部トンネル説」を主張している。<ref>[http://cgi2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010788_00000 NHKスペシャル エジプト発掘 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス]</ref>しかしいずれの説でも、ピラミッドの精密さを説明するには至っていない。
 
クフ王の大ピラミッドについて、[[1978年]]に[[大林組]]が「現代の技術を用いるなら、どのように建設するか」を研究する企画を実行した<ref>[http://www.obayashi.co.jp/kikan_obayashi/pyramid/p01.html クフ王型大ピラミッド建設の試み] 季刊大林|バックナンバー</ref>。それによれば総工費1250億円、工期5年、最盛期の従業者人数3500人という数字が弾き出された。1立方m当たりの価格は、コンクリートダムが2万4000円前後に対してピラミッドは4万8000円になるという(金額は当時のもの)。なおこの試算に対して、1960年代[[アブ・シンベル神殿]]の移設に重機による5年かけて解体されたのは2200のブロック、それに対してピラミッドは200万個以上と現代でも可能なのかと疑問を呈されることもある<ref>[http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_80726 NEWSポストセブン2012年1月14日配信「ピラミッド 20年で完成と言われるが実際は数百年かかったか」]</ref>。