「大和物語」の版間の差分

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== 大和物語(尾形月耕画) ==
以下は[[尾形月耕]]による『大和物語』の[[木版画]]である。同じ歌物語の『伊勢物語』の絵画化は古くからあるが、『大和物語』については絵画化の例はほぼ皆無であり、月耕の作は珍しい例といえる。内容と章段番号は『[[日本古典文学大系]]』9に拠った。
 
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ファイル:Yamato monogatari - Ogata Gekko serie 7.jpg|大和掾という男は妻のほかに[[筑紫]]出身の女を妾にしていたが、男は心変りして妾とは別れることになり、妾は故郷の筑紫へ帰ることになった。男と本妻は[[山崎宿|山崎]]の渡しまで出て筑紫の女を見送ると、女は男と本妻に「ふたりこし みちともみえぬ なみのうへを おもひかけても かへすめるかな」という歌を残し舟で去ってゆく('''141段''')。
ファイル:Yamato monogatari - Ogata Gekko serie 1.jpg|[[攝津国]][[難波]]に住む夫婦は貧しさから、妻が夫を残し都に出て宮仕えをした。妻は都で別の男の妻となるも、なお故郷に残した夫のことが忘れられず摂津に戻る。だが住んでいた家は跡形もなく夫の行方もわからない。そこへ芦を背負ったみすぼらしい男が通りかかるが、その男は「きみなくて あしかりけりと おもふにも いとどなにはの うらぞうみうき」という歌を女に差し出す。これこそ別れたもとの夫であった('''148段''')。
ファイル:Yamato monogatari - Ogata Gekko serie 5.jpg|「ならのみかど」に仕える[[采女]]は帝のことを思うあまり[[猿沢の池]]に身を投げてしまった。それを聞いた帝が采女の死を痛み猿沢の池を訪れたとき、供をしていた[[柿本人麿]]が「わぎもこが ねたくれがみを さるさはの いけのみなもに なすぞかなしき」と帝の心に擬えて歌を詠んだ('''150段''')。
ファイル:Yamato monogatari - Ogata Gekko serie 3.jpg|朝廷に[[陸奥国]]の磐手(いわで)の郡より鷹が献上され、帝はこの鷹を大変気に入り可愛がっていた。あるとき近臣の大納言にその鷹を預けたところ、鷹は逃げて行方知れずとなった。八方手を尽くして探したがどうしても見つからない。致し方なく大納言はこのことを奏上すると、帝はただひとこと、「いはでおもふぞいふにまされる」というのみであった('''152段''')。
ファイル:Yamato monogatari - Ogata Gekko serie 8.jpg|[[信濃国]][[更級郡|更科]]に住む男は年老いたおばとともに暮らしていたが、男の妻はこのおばのことを憎み、深い山におばを捨ててこいと男に迫った。ついに男はおばをだまして月夜に連れ出し、山に置き去りにする。だが家に帰った男は、「わがこころ なぐさめかねつ さらしなの をばすてやまに てるつきをみて」と自分のしたことを悔い、おばを迎えに行ったという('''156段''')。