「ヘヴィメタル」の版間の差分

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1987年の[[ガンズ・アンド・ローゼズ]]の登場により、日本のメタルシーンにおいてもガンズ・アンド・ローゼズのフォロワーが登場した。反面、1989年にXがデビューし、やりたい放題のXの行動に反発、幻滅したメタルファンも多い。またテレビや新聞といった一般マスコミに取り上げられ、Xの知名度が上がったことで、Xのスタイルがヘヴィメタルのパブリック・イメージとして急激に浸透してしまった。そのため、2006年現在で20代後半~40代前半の人たちからはヘヴィメタルに対する偏ったイメージに根ざす発言が聞かれることがある。今でも当時の世代から「Xや聖飢魔IIのおかげでメタルが馬鹿にされた」「Xはメタルを馬鹿にしている」「Xのせいでどんなに曲を作ってもヘビメタってだけで白い目で見られる」等といった意見が見受けられる。
 
しかし、それまでの日本のヘヴィメタルでは一般歌謡曲と同様に一般マスコミから取り扱われる程の大ヒットと言えるだけの売上を記録した曲は無く、従ってヘヴィメタル自体が日本の音楽史にあっては一番の売れ線からは一貫して外れた位置にあった。その為ジャンル全体の情報が少ない中、ヘヴィメタル分野で事実上初めて一般テレビマスコミにまで注目され話題性を提供できたのが、正統派のヘヴィメタルのプレイヤーやファンがイロモノとして嫌う、聖飢魔IIやXなどの見た目のインパクトも重要視していたバンドであり、かくて彼等がヘヴィメタルの代表格として扱われた為、これらの偏ったイメージが一般に定着してしまったという点は否めない。また、当時の「BURRN!」などの編集姿勢スタイルなどの影響もあり、当時のヘヴィメタルのミュージシャンの多くには音楽一筋というイメージを最重視し、テレビなどでタレント的な活動もするヘヴィメタルやロックのミュージシャンを蔑視する風潮があったと言われており、これら一般マスコミの持つ影響力への軽視が招いたツケであるという意見も根強い。
 
1989年に始まったバンドブームにより、派手な見た目やパフォーマンスを重視し演奏を軽んじたバンドが非常に増えた。それらのバンドの多くが「ヘビメタ」と見なされ、普通に音楽性を重視して活動していたメタルバンドはその煽りをくらい馬鹿にされるという結果になっていった。こうした経緯から、1990年代には日本のヘヴィメタルは少しづつ衰退していくこととなる。挙げ句には「BURRN!」でさえ人気投票のBORE部門には「ヘビメタの流行とイカ天ブーム」と言うのがあるくらい、当時のヘヴィメタルファンには[[ヘビメタ]]は差別用語とみなされてしまっている。その後、インディーズでヘヴィメタルバンドとして活動していたバンドのほとんどが[[ヴィジュアル系]]へと移行した、また移行をせざるを得ない状況に追い込まれていった。