削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
1行目:
[[ファイル:Gasmask JPN (1938).png|thumb|right|300px|ガスマスクの付け方を市民に指導する[[警察官]]([[1938年]](昭和13年)、東京)]]
'''ガスマスク'''とは、[[毒ガス]]・[[粉塵]]・有害な[[エアロゾル]]・[[微生物]]・[[毒素]]などから体を守るために顔面に着用するマスクで、目など傷つきやすい組織や鼻・口を覆う。日本語では'''防毒面'''と表記するし、[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]]では「被服甲」を略した'''被甲'''という呼称も用いられた
 
== 歴史 ==
57行目:
少量の有毒ガスに汚染された空気をその有毒ガスを除去するフィルター([[吸収缶]])を通すことによって無害化するタイプのガスマスクである。汚染している有毒ガスにより適切な吸収缶を用いる必要がある。吸収缶には寿命があり、使用前未開封時の有効期限および汚染環境下での使用時間を適切に管理する必要がある。
 
マスクとフィルターの接続位置の関係により、直結式と隔離式に分類できる。マスクに直接吸収缶が付いている形式のものを直結式、マスクと吸収缶が分離しホースでつながっている形式のものが隔離式である。隔離式は直結式に比べ吸収缶を大きくすることが出来るため、より高い濃度の有毒ガスに対応できる。隔離式を使う際には、吸収缶はガスマスクケースに入れたまま肩に掛けるか、専用のハーネスで胸ないし背中に装着される。しかし、隔離式はホースが嵩張り、運用がやや不便であることとフィルターの性能向上により、第二次世界大戦後は直結式が主流となっている。
 
吸収しきれないほど高い濃度の有毒ガスに汚染された環境や[[酸欠]](酸素濃度が18%以下)の環境においては使用することができない。このような場合には供給式マスクを使用する必要がある。吸収缶が大型であるほど着用者の疲労は大きくなるので、作業雰囲気に合わせて適切に選ばなければならない。
76行目:
=== 供給式 ===
==== 自給式 ====
空気[[ボンベ]]がなく、酸素発生缶(化学反応により酸素を発生させる器具)によって清浄な空気をマスクに供給する装備である。酸欠雰囲気や高い濃度のガス中でも使用でき、行動範囲に制限が無いが、装備、空気供給源が有限なので作業時間に制限があるなど欠点も多い。ガスを通さない材質の全身気密スーツにボンベを組み合わせた自給式加圧服というものもある。またこれらは生物兵器の防護にも使用される。
 
==== 送気式 ====
89行目:
# 面体が顔にフィットしたら、吸収缶の吸気口を手で軽く塞いで、息を吸う。このときに息苦しい感じがしたら、正しく装着できている。
 
毒性の高い化学兵器に備えなければならない軍隊では上記と手順が少し異なり、おおむね次の手順となる。
# あらかじめ、マスクのサイズやベルトを使用者の頭のサイズに合わせておく。
# ガス警報と同時に目を閉じ、息を止める。
# ヘルメットなどの被り物を脱ぎ、片手でガスマスクを取り出す。
# ベルトを両手で左右均等に引き延ばしながら、下あごを先に面体に入れる。次いで面体を顔にかぶる。このとき、面体に髪や被服を巻き込まないように注意する。
# 面体が顔にフィットしたら、深く息を吐く。有毒ガスがマスク内部の空間に残っていても、排気弁から出て行く。最後に目を開ける。
# 装面したままフィルターを交換する際には、まず息を深く吸ってから止め、フィルターを取り換える。交換の際に有毒ガスが侵入しているかもしれないので、交換が終わったらまず深く息を吐き、有毒ガスを外へ追い出す。