「ミューオン触媒核融合」の版間の差分

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Kooyama (会話 | 投稿記録)
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{{出典の明記|date=2016年2月}}
'''ミューオン触媒核融合'''(ミューオンしょくばいかくゆうごう、Muon-catalyzed fusion)とは、[[ミュー粒子]](μ<sup>-</sup>、負の電荷を持ち負ミューオンとも呼ばれる)が媒介となって起きる、水素およびその[[同位体]]([[重水素]]、[[三重水素]])間での[[核融合]]反応のこと。
 
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== 特徴 ==
熱核融合反応が超高温で生じるのと異なり、μ触媒核融合は液体ヘリウム温度発生する。重水素、三重水素を高温[[プラズマ]]状態にする必要はなく、[[トカマク型]]炉のようにそれらを閉じ込めておくための大掛かりな閉じ込め磁場装置なども不要である(実際のμ触媒核融合実験は低温で液化した重水素、三重水素の混合物に負ミューオンを照射することで行われている)。一方、負ミューオンの生成には陽子加速器施設([[中間子工場]])を必要とするため、そのエネルギーコストまで考慮した場合、ミューオン生成エネルギーと核融合により取り出されるエネルギーが釣り合う(科学的ブレークイーブン)ためには、一個の負ミューオンが300回程度の核融合反応を媒介する必要がある(さらにμ触媒核融合炉によるエネルギー生産を行うためには最低500回)と言われている
 
この点、今まで試みられた一連の実験において、一個の負ミューオンが媒介する核融合反応は最高で150回程度に留まっている。現在、その[[律速過程]]として核反応生成物である[[ヘリウム]]核に負ミューオンが束縛される(すなわちミュオニックヘリウム原子ができる)過程が重要であることまでは分かっているが、この壁をどのように乗り越えるかについては未だに模索中の段階であるといえる(ヘリウム核は電荷{{Math|+2''[[電気素量|e]]''}}であるため水素同位体より負ミューオンを引きつけやすく、一旦ヘリウム核に束縛された負ミューオンは再度解放される確率が極めて小さいことが知られている)。
 
== フィクション ==