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==特徴==
一般的に、膠着語に分類されるような言語は以下のような特徴を持つ。膠着語と屈折語は言語学の初心者にとっては区別が分かりにくい場合が多いので、ここでは屈折語との対比に重点を置いて述べる
 
*動詞の[[活用]]に関して、規則性が高い。
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:対照的に、屈折語は名詞の曲用パターンが名詞の語形や[[性 (文法)|性別]]などに応じて複数種類あり、しかも代名詞を中心に不規則変化や補充形が多い。場合によっては名詞ごとに覚える必要がある(語形から活用パターンを判別できない場合)。規則変化であっても、変化が語尾だけでなく語幹部分にまで及ぶことがある(語幹母音のウムラウト化、脱落、出没母音など)。
 
*意味と形態素は1対1で対応していることが多い。
:膠着語では一つの形態素が一つの意味や文法範疇に対応しており、それを順番に並べて用いる。しばしば複数の文法範疇が融合して一つの形態素で表される屈折語とは対照的である<ref>例えば、スペイン語のamar「愛する」の直接法一人称単数現在形amoの語尾-oは「直接法」「現在時制」「一人称」「単数」という多数の文法範疇を一つの形態素に圧縮して表している</ref>。
 
:また、膠着語では、異なる文法範疇を持つ語は必ず異なる語形で表されるという言語が多い。例えば、典型的な屈折語の一つであるロシア語では、男性名詞不活動体や中性名詞に於いては主格と対格が同形になるが、日本語ではどのような名詞も主格は「~が」、対格は「~を」という助詞を伴っており、助詞が省略された場合を除き、異なる格が同じ語形で表されることはほぼあり得ない<ref>ただし、同音異義的に、異なる意味が同一の語形で表されることもある。例えば「食べられる」の「~られる」は可能を表す場合と受動を表す場合とがある</ref>。また、屈折語では「無語尾であるということ」自体が意味を持つことがある。例えばロシア語の女性名詞複数生格は、主格語尾の-аを取り除いてゼロ語尾にすることによって表される。これは、女性名詞複数生格が無標なわけではなく、「ゼロ」が標識としての役割を果たしていると考えられる。
 
*基本語順が[[SOV型]]であることが多い。[[接置詞]]としては前置詞ではなく後置詞を用いることが多い。