削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 1 件をウィキデータ上の d:q1865281 に転記
51行目:
鯨の海洋におけるバイオマスの大きさは古くから知られるところであり、その生態系での役割も決して小さくはない。
 
鯨は小魚や[[オキアミ]]などの餌を大量に食べ、同時に大量に排泄する糞は[[動物プランクトン]]や小魚の餌となり、[[植物プランクトン]]に必要な[[栄養塩]]となって光合成を促進する。植物プランクトンの増加は動物プランクトンや[[イワシ]]などの魚類に栄養豊富な餌を与えて生育を促す事は自明の理であるが、{{いつ範囲|現在|date=2015年2月}}問題となっている二酸化炭素の大幅な低減が期待できる。中でも[[マッコウクジラ]]は垂直方向へも栄養塩を運ぶ。すなわち、深海に住む生物を餌にすることで、一旦沈んだ栄養塩を海面まで引き上げている<ref name="reuters">[http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-15844320100616 ロイター「マッコウクジラの「排泄物」、CO2削減に貢献=豪研究」]</ref>。
 
主にヒゲクジラの仲間には魚類がつき下記のえびす伝承の根拠となっており、特に[[カツオクジラ]]や[[ニタリクジラ]]に[[カツオ]]がつくのは共生であると指摘されるが、ノルウェーでは1900年代から、アイスランドの沖合いで十年の間に鯨を捕り尽くした(1300頭ほど捕れたものが、最終的に15頭しか捕れなくなった)際に、鯨について回遊する性質の魚までいなくなり、一般漁民からの抗議があり、ノルウェー政府は領海外での捕鯨を推奨した事例がある<ref>『クジラの世界』イヴ・コア著、宮崎信之監修 創元社 118頁</ref>。
 
鯨は死後も分解され、海底においては[[鯨骨生物群集]]を形成しているが、陸上に座礁した死骸も[[カラス]]や[[クマ]]、[[キツネ]]などの動物に食べられて生物分解される。海と陸では動植物に含まれる[[窒素]]の[[同位体]]の割合が異なり、環境中での窒素同位体比を測定することによって海洋生物も陸上生物の栄養源(窒素源)になっていることが明らかになっている。同様に、捕食された鯨の遺骸に含まれる「海の[[ミネラル]]」が糞などを介して、陸地の植物に吸収され重要な栄養分になり利用される。含有するミネラルには植物の成長を早める効果もある。
 
 
== コミュニケーション ==