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[[Image:CordierColor.jpg|thumb|ボード・コルディエの''Belle, bonne, sage'' の楽譜。]]
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'''アルス・スブティリオル''' (Ars subtilior) は、[[14世紀]]末から[[15世紀]]初頭の[[フランス]]や[[北イタリア]]における、極度に複雑で技巧的な音楽様式。
 
== 特徴 ==
アルス・スブティリオルとは、「より繊細な技法」を意味する。この語は[[フィリップス・デ・カゼルタ]]の著作とされる ''Tractatus de diversis figuris'' における「より繊細な技法 」(artem magis subtiliter) などの記述に由来しており、ウルスラ・ギュンターによって後期[[アルス・ノーヴァ]]の先鋭的な様式を指す用語として導入された(Josephson (Josephson 2001)。
 
アルス・スブティリオルは[[ギヨーム・ド・マショー]]の死後にアルス・ノーヴァの様式がより洗練され複雑化したものである。極度に技巧を凝らした[[リズム]]の複雑さは西洋音楽史上でも他に類を見ない (網干 2010)。主なジャンルは[[バラード]]、[[ヴィルレー]]、[[ロンドー]]といった世俗歌曲である。
 
アルス・スブティリオルの時代は[[教会大分裂]]([[シスマ]])の頃で、様々な権力の対立が見られ、多くの社会不安が存在した時代であった。
 
==人物==
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== 記譜 ==
アルス・スブティリオルの作曲家は、時にその楽譜の形態においても奇想を凝らしている。ボード・コルディエの[[カノン (音楽)|カノン]] ''Tous par compas'' は円形の楽譜に書かれ、ロンドー ''Belle, bonne, sage'' の楽譜はハート型をしている。ジャコブ・ド・サンレーシュの ''La harpe de melodie'' の楽譜は[[ハープ]]の絵の中に書かれ、譜線をハープの弦に見立てている。
 
== 影響 ==