「漢方薬」の版間の差分

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日本の漢方薬では、似て非なる生薬がしばしば混同されていることがある。
 
最も代表的な例として'''[[白朮]]と[[蒼朮]]の混同'''、特に本来白朮を使うべきと考えられるところに蒼朮を使っている漢方薬が多いことが挙げられる。白朮と蒼朮では、利尿・健胃作用、水毒を治すなどの点は共通しているが、違いとしては、白朮には止汗作用、蒼朮には発汗作用があるなどの点が挙げられる。同じ名前の漢方薬でもメーカーによって白朮と蒼朮が異なっていることがある(特に[[ツムラ]]では本来白朮のところがほぼ全て蒼朮となっている)が、例として[[補中益気湯]]の場合は、発汗を抑え、抵抗力をつける働き(補気)がある白朮を使うべきとされる。他に[[四君子湯]]、[[六君子湯]]、[[五苓散]]なども本来であれば白朮を用いるところである。ただ五苓散の場合は配合のものもそれなに有用で、白朮と蒼朮入りを使い分けることで関節痛の症状が改善したなどという研究結果もある。また[[当帰芍薬散]]の場合は、「蒼朮ただし安胎・不妊治療に使うときは白朮」という説もある。逆に蒼朮を使うべきとされる漢方薬としては[[防已黄耆湯]]、[[平胃散]][[消風散]]などが挙げられる。なお、[[二朮湯]]など白朮と蒼朮を両方配合する漢方薬もある。
 
この他、同様にしばしば混同される例として、'''[[桂皮]](肉桂)と[[桂枝]]の混同'''や、'''[[生姜]]と[[乾姜]]の混同'''などがある。
 
 
== 脚注 ==